制限令が厳格化された地区、経済活動の継続を容認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州の6地区を対象に6日より再び行動制限令(MCO3.0)が発令されたことを受け、通産省は声明を発表。標準的運用手順(SOP)に則ることを条件に一部を除いて経済活動の継続を認めると言明した。
企業はMCO3.0の一般的なSOPに準拠する必要があり、既存の在宅勤務(WFH)規定の対象となる。WFH規定では、制限なしに出社できる管理職の人数が30%以下に制限される。職員などの出社人数については雇用主が個別に判断する。違反が判明した場合は、一定期間の業務停止処分などの法的措置がとられる。
活動が認められないものについては、国家安全委員会(NSC)が発表しているネガティブリストに示されており、スパやナイトクラブ、パブ、テーマパーク、屋内遊技場、カラオケなどが含まれている。
6日より2週間にわたりMCOが発令されるのは、▽ペタリン▽クラン▽フル・ランガット▽ゴンバック▽セパン▽クアラ・ランガット——の6地区。7日からは新たにクアラルンプール(KL)、及びジョホール、ペラ、トレンガヌ各州の一部の地区もMCOが発令される。

新型コロナの新規感染者数は3551人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は6日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,551人増加したと発表した。アクティブ感染者数は3万3,762人で、累計感染者数は42万7,927人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,137人だった。それに▽クアラルンプール(KL、477人)▽サラワク州(391人)▽クランタン州(326人)▽ペナン州(305人)▽ジョホール州(258人)▽ペラ州(137人)▽ケダ州(112人)▽パハン州(97人)▽ネグリ・センビラン州(85人)▽マラッカ州(82人)▽サバ州(69人) ▽トレンガヌ州(58人)▽プトラジャヤ(12人)▽ペルリス州(3人)▽ラブアン(2人)ーーが続いた。新たに2,709人が回復し、累計治癒者は39万2,555人となった。死者数は19人増えて、累計で1,610人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は5日、新たに20カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
建設現場やサービス会社、行政センター、工場、飲食店などの職場で8カ所、コミュニティで6カ所、学校・教育機関で4カ所、宗教活動に関連して2カ所のクラスターが発生した。
サラワク州では4カ所、KL、セランゴール州、パハン州、ジョホール州でそれぞれ3カ所、クランタン州で2カ所、ペラ州、マラッカ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。一方で14カ所のクラスターが収束した。

KLやジョホール州でも制限令強化、7日から20日まで

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は5日に声明を発表し、5月7日から20日までクアラルンプール(KL)全域、ジョホール、ペラ、トレンガヌ3州の一部を対象に行動制限令(MCO)を発令すると明らかにした。
対象地域はジョホール州が▽ジョホールバル▽クライ▽コタティンギ——の3地区、ペラ州が▽タイピン▽ラルート・マタン▽セラマ——の3地区、トレンガヌ州がフルベスット準地区を除くベスット地区の14準地区。
KLでは4月1日から27日までに17のクラスターが発生。ジョホール州の3地区はすべてレッドゾーンとなっており、集中治療室の病床は70%埋まっているという。またトレンガヌ州ベスット地区では15のクラスターが発生している。
飲食店や屋台、食品店は午前6時から深夜零時まで営業可能だが、テイクアウトのみ。スーパーマーケット、コンビニ、薬局、給油所は午前6時から午後10時までとなる。
5日は全国で370人が標準的運用手順(SOP)違反で摘発された。最も多かったのは入店登録を行なわなかった(237人)で、これにマスク非着用(60人)、ナイトクラブやパブ出入り(33人)、社会的距離をとらかなかった(22人)と続いた。

新型コロナウイルスとの戦い、変異株が新たな課題に

【ペタリンジャヤ】新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたが、陽性反応者の数は高水準が続いており、医療の専門家は、変異株の発生でウイルスとの戦いはさらに厳しいものになると懸念している。
「Covid-19ワクチン独立諮問委員会」のアワン・ブルギバ委員長は、変異株は感染力が高い可能性があり、感染者が増えれば入院が必要な人が増え、医療システムにさらに重圧がかかると述べた。
アワン・ブルギバ氏は、DNAの塩基分析(シークエンシング)があまり行われていないことがマレーシアの弱みで、感染の急拡大を引き起こしているのが新たな変異株であるのかの判断ができないと述べた。
その上で、さらに多くの変異株がマレーシアにもたらされる可能性を指摘。外国からの入国者に対する隔離期間を元の14日にもっと早く戻すべきだったと主張した。
(ザ・サン、5月5日)

王子HD、マレーシアの包装産業に前向きな見通し

【クライ】 王子ホールディングス(本社・東京都中央区)は、新型コロナウイルス「Covid-19」の流行にも関わらず、マレーシアと域内の包装関連産業について楽観的な見通しを持っている。
同社の専務グループ経営委員であり、王子アジア・パッケージングおよび王子アジア・マネジメントの社長であるディラン・タン氏によると、昨年は行動制限令(MCO)に伴いオンラインショッピングの需要が増加したことでマレーシア事業は5ー7%成長した。同社は事業拡張を計画しており、アジア太平洋地域での地位強化のため今後1ー2年で数百万リンギを投資する計画だ。
一方で、タン氏が最高経営責任者(CEO)を務めるユナイテッド・コタク(UKB)が、ジョホール州クライにおいて2カ所となる包装工場の起工式を行った。2022年第1四半期の完工を予定しており、300人を雇用する計画だ。バトゥ・パハにある工場の稼働率が150%をなったことから第2工場の建設を決めた。16億リンギを投じて3カ所目となる製紙工場の建設も計画しており、今年7月の運転開始を計画している。また第3工場の隣に1億8,000万リンギを投じて包装工場を建設することも計画している。
(ザ・スター、5月5日)

規制強化のセランゴール州6地区、店内飲食を禁止

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州のアミルディン・シャリ首相は5日に記者会見を開き、6日付けで行動制限令(MCO3.0)が発令される州内6地区を対象に飲食店内での飲食を禁止すると発表した。

店内飲食が新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の一因となっていると判断した。各ホテルで開催されているラマダン(断食月)ブッフェも禁じられる。ただしテイクアウトは認められる。営業時間は午前6時から深夜零時まで。雑貨店や給油所の営業時間も午前6時から深夜零時までとなる。

また8日からは、州内すべての仮設ラマダン・バザールの営業も禁止する。

アミルディン州首相によると、過去1週間に報告された新規感染者のうち10—15%が職場での感染だった。

MCOの対象となるのは、▽ペタリン▽クラン▽フル・ランガット▽ゴンバック▽セパン▽クアラ・ランガット——の6地区。その他の▽サバク・ベルナム▽クアラ・セランゴール▽フル・セランゴール——の3地区はこれまで通り、条件付き行動制限令(CMCO)に指定される。

セランゴール州教育局は5日、6地区におけるMCO発令をうけ州内のすべての学校のスクールホリデーの日程を2日前倒しすると発表した。すべての学校の休暇は5月6日からハリラヤ明けの16日まで休校となる。当初の予定ではセランゴール州の休暇は5月8日からとなっていた

■濃厚感染の在宅隔離者、近く監視装置装着義務化へ■

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は4日、濃厚感染者に指定され在宅隔離を命じられた個人について、近く監視装置の装着を義務づける方針であることを明らかにした。監視装置の詳細については明らかにしていない。

新型コロナの新規感染者数は3744人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は5日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,744人増加したと発表した。2日連続で3千人を超えた。アクティブ感染者数は3万2,939人で、累計感染者数は42万4,376人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,548人だった。それに▽クランタン州(480人)▽サラワク州(419人)▽クアラルンプール(KL、313人)▽ジョホール州(292人)▽ペナン州(195人)▽ケダ州(124人)▽ネグリ・センビラン州(76人)▽トレンガヌ州(73人)▽ペラ州(65人)▽サバ州(50人)▽パハン州(49人)▽マラッカ州(43人)▽プトラジャヤ(11人)▽ラブアン(5人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに2,304人が回復し、累計治癒者は38万9,846人となった。死者数は17人増えて、累計で1,591人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は4日、新たに17カ所のクラスターを確認したと明らかにした。

コミュニティで7カ所、職場で5カ所、学校・教育機関で4カ所、宗教の集会で1カ所のクラスターが発生した。ジョホール州で5カ所、サラワク州、クランタン州、ケダ州でそれぞれ2カ所、KL、ペナン州、ラブアン、セランゴール州、ペラ州、サバ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。一方で10カ所のクラスターが収束し、現在感染者を出しているアクティブなクラスターは405カ所となった。

プロトン、4月の販売台数が1.5万台超に

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、4月の販売台数が1万5,017台となり、前月比0.18%増加したと発表した。市場シェアは推定24.4%で、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)に次ぐ。1—4月の累計販売台数は4万7,843台。
6月いっぱいで売上税減免措置が終了することから納車をスピードアップしているのが販売増の理由で、同業他社も同様に売り上げが好調であることから4月のマレーシア国内市場総需要量(TIV)は5万6,000台に達するとみられる。
4月のプロトン販売のトップはAセグメント・セダンの「サガ」(5,472台)で、スポーツ車(SUV)の「X50」は3,583台、「X70」は2,101台となった。このほかBセグメント・セダンの「ペルソナ」は2,266台、Bセグメント・ハッチバックの「アイリス」はR3限定モデルが貢献して974台となった。CセグメントMPVの「イゾラ」は616台。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月4日、ポールタン、5月3日)

行政面の改善を独商工会が要請、査証交付に6カ月

【クアラルンプール】在マレーシア・ドイツ商工会議所(MGCC)のダニエル・ベルンベック最高責任者は、行動制限令(MCO)の標準的運用手順(SOP)の矛盾、査証(ビザ)処理の遅さなどで会員企業のマレーシアでの活動が困難になっていると訴えた
ベルンベック氏は、パンデミック当初、業務継続を認められた必須サービスの定義が一貫性を欠いたためサプライチェーンが寸断されたことを指摘。また複数の政府機関の承認が必要という煩雑な行政手続きに独企業は悩まされ、通産省、マレーシア貿易開発公社に訴えたが、今もって具体的回答はないという。
MCOなどの制約で査証申請、処理もこれまで以上に時間がかかり、承認まで3週間だったものが3カ月かかり、その上に裏書きにさらに3カ月かかっているという。
マレーシア人は英語理解能力が高く、優秀な人材がいることが魅力であり、MGCC会員企業はマレーシアでの活動を快適に感じているという
ベルンベック氏は、米系企業と異なり独系はほとんどが中小企業で、長期にわたりマレーシアで活動したいと考えていると強調。「特別待遇を求めているわけではない。円滑にビジネスを行いたいだけだ」と述べた。
(マレーシアン・リザーブ、5月3日)

医療施設ひっ迫で保健省、野外病院を建設へ

【プトラジャヤ/コタバル】一部地域で医療施設がひっ迫していることから、保健省は野外病院の建設を計画しており、国防省と協議を開始した。野外病院とは、負傷者を野外で治療する大規模な移動式救護施設を指す。
アダム・ババ保健相によると、新型コロナウイルス「Covid-19」感染者を受け入れている病院の負担を軽減するため、ウイルス感染以外の病人を受け入れる野外病院が必要だという。クランタン州とサラワク州での建設を計画している。
クランタン州のイザニ・フシン地方自治・住宅・保健委員長によると、Covid-19検査の陽性反応者数が増加しており、低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)と病院の収容能力はほぼ限界にきている。
PKRCに入れないため自宅待機命令を受けた者は2,000人余りいる。このような状況のため野外病院が必要と判断したという。クランタン・トレードセンターには1,000人の患者を収容できるPKRCを整備する。
(ベルナマ通信、5月3日)