新型コロナ、工場での感染者は全体の10%以下=通産省

【クアラルンプール】 通産省(MITI)は、6月1ー23日までに出た新型コロナウィルス「Covid-19」の新規感染者数(13万8,649人)のうち9.3%となる1万2,872人が製造業関連のクラスターだったと明らかにした。64.1%が外国人労働者だった。
完全ロックダウン中でも工場で稼働を続けていることが感染者の増加に繋がっているとして、国民から工場を閉鎖するべきとの声が上がっていることを受けて、MITIは28日、声明を発表した。
MITIが管理する新型コロナウイルスの情報マネジメント・システム(CIMS)によると、6月1ー23日に新たに発生したクラスターは502カ所で、うち328カ所が職場関連のクラスターだった。うち174カ所が製造業で、MITIが稼働を許可している11万7,236カ所の事業者の占める割合は0.15%であるという。製造業以外では、120カ所が職場の敷地内、54カ所がホテルで発生した。
6月23日の新規感染者数は5,244人で、新たに25カ所のクラスターが発生。うち15カ所が職場で発生した。製造業で発生したクラスターは6カ所で、感染者は130人だった。
MITIは製造業が関連する感染者は全体のわずか2.5%にしか過ぎないと説明。企業の協力もあり職場で発生する感染は減少しているが、就業時間外の移動などで未だに感染者が出ているとした。今後も感染者を増やさないために政府も取り組みを実施すると強調企業に対しても引き続き積極的な対策を実施するように呼びかけた
(マレー・メイル、6月28日)

インターネット無料提供、12月31日まで継続

【クアラルンプール】 国内通信各社が新型コロナウイルス「Covid-19」中に提供している1日1ギガバイト(GB)のインターネット通信の無料提供が、12月31日まで延長される。ムヒディン・ヤシン首相が28日発表した。「人民保護と経済回復パッケージ」(PRMULIH)の一環。
無料化継続には国内の主要通信事業者の合意を得ている。5億リンギの価値があり、全国4,400万人の顧客が恩恵を受けるという。
ムヒディン首相は、その他3つのデジタル化への取り組みを発表した。
キャッシュレス取引を促進するための「小規模企業デジタル化プログラム(PUPUK)」では、2億リンギを零細・小企業(MSME)に、1億リンギを中小企業(SME)に割り当て、バザール、ファーマーズマーケット、ナイトマーケット、露店などの30万以上の零細企業や手工業者を対象に、オンラインビジネスへの移行と電子キャッシュシステムの利用を促進する。
「中小企業デジタル化助成金」では割り当てられていた1億リンギを増額し、中小企業がシステムの購入やデジタルプラットフォームへの加入を行う際に最大5,000リンギの助成金を受けられるようにする。
「農業セクターデジタル化・変革プログラム」では、農村地域の農業起業家を対象とし、最新デジタル技術の活用を促進する。
(ベルナマ通信、6月28日)

全従業員のワクチン接種完了の企業、操業再開容認を検討

【クアラルンプール】 ムヒディン ヤシン首相は、すべての従業員が新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が完了した企業に対し、必需品・サービスでなくても操業再開を認める方向で検討する考えを示した
官民連携ワクチン接種プログラム(PIKAS)を通じた職域接種を奨励するための政策の一環。ムヒディン首相は28日に行なった新たな支援策「人民保護と経済回復パッケージ(Pemulih=回復)」の発表演説の中で、Pikas推進に向けて1.5億リンギの予算を割り当てると宣言した。
支援策には、人材開発公社(HRDコープ)に登録済みの企業がワクチン購入費用のために拠出金の10%まで使用することができるようにすること、会社や工場が施設をワクチン接種センター(PPV)として使用する場合の費用や新型コロナに関するコミュニティへの寄付を税控除の対象とすること——が盛り込まれた。
(ベルナマ通信、6月28日)

一部の官庁の窓口業務、7月1日から再開へ

【クアラルンプール】 政府官僚のトップ、モハマド・ズキ・アリ官房長官は、完全ロックダウン発令を受けて閉鎖されている一部の官庁の窓口業務を7月1日より再開すると発表した。
窓口業務の再開が認められるのは、オンラインで実施できないサービスのみが対象。ただ登庁する人員が職員全体の50%に制限されているため、窓口対応を希望する人は事前予約が必要になる。国家安全委員会(NSC)及び保健省が定めた標準的運用手順(SOP)を厳格に守ることを優先する。
6月1日の完全ロックダウンの実施に合わせて、官庁も一部を除いて窓口業務を停止していた。しかし完全ロックダウンが二度にわたって延長されたことから、国民からは窓口業務の再開を求める声が上がっていた。なお保健、出入国管理、警察、税関などの必須業務に関しては、完全ロックダウン後も通常通り窓口業務が続けられている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、星州日報、6月29日)

新型コロナの新規感染者数は6437人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は29日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,437人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万2,844人で、累計感染者数は74万5,703人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,299人だった。それに▽クアラルンプール(KL、1,361人)▽ネグリ・センビラン州(700人) ▽ケダ州(284人)▽ジョホール州(271人)▽マラッカ州(252人)▽パハン州(250人)▽サラワク州(242人)▽ペラ州(184人)▽サバ州(178人)▽クランタン州(131人)▽ラブアン(117人)▽ペナン州(115人)▽プトラジャヤ(32人)▽トレンガヌ州(21人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに5,298人が回復し、累計治癒者は67万7,751人となった。死者数は107人増えて、累計で5,108人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は28日、22カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場では最も多い16カ所のクラスターを確認。またコミュニティで6カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州が4カ所で最も多く、全てが工場や建設現場で起きた職場に関するクラスターだった。またジョホール州、KL、サラワク州でそれぞれ3カ所、ケダ州、クランタン州、ネグリ・センビラン州でそれぞれ2カ所、マラッカ州、トレンガヌ州でそれぞれ1カ所発生した。

ワクチン接種進む中、職場でのクラスターは増加傾向

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種が行われているものの、職場におけるクラスター数が増加傾向にあり、封じ込め措置が効果がないとして、怒りの声があがっている。ニュースポータル「フリー・マレーシア・トゥデー」が報じた。

毎日確認されるクラスターのうち、職場は大部分を占めている。新規感染者数は5,000人台に減少したが、死亡者数は依然として多く出ており、死亡者数は累計で5,000人を超えた。1人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを指す基本再生産数(R0)は、過去1週間0.97を維持した。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は先ごろ、首都圏クランバレーでは依然、新型コロナウイルスの散発的発生が増加していると指摘。散発的感染と確認された者のほとんどは感染の症状を示しておらず周囲の人々に無意識に感染症を広げる可能性があるとして標準的運用手順(SOP)の順守を呼びかけた。

ワクチンの投与回数は26日時点で722万6,949回となり、700万回を超えた。1回目の接種を終えたのは520万4,993人、率にして15.9%。2回目は202万1,956人で、6.2%となっている。最も多く新規感染者数を出し続けているセランゴール州では、1回目が接種率が12.6%、2回目が4.1%にとどまっている。首都のクアラルンプールは1回目が51.2%、2回目が9.6%と国の平均を上回っている 。

3度目のワクチン接種必要かを調査=接種調整相

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン科学技術革新相(ワクチン接種調整担当)は26日、妊婦向けワクチン接種センターが整備されたマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)を視察した際の記者会見で、コロナウイルス「Covid-19」ワクチンがインド発のデルタ変異株に対しどの程度効果があるかの調査を始め、3度目の接種が必要かを研究すると表明した。

工業先進国では3度目の接種の必要性の検討を開始しており、来年分のワクチンの調達に乗り出しているという。

カイリー氏は「来年のことだが、ウイルス予防効果がどのくらい継続するのか、3度目の接種が必要か、必要ならどの時点で開始すべきかに関するデータを集める」と述べた。必要と判断されれば来年のワクチン調達に向けた交渉を開始する 。

政府は妊婦を優先接種の対象にしており、これまでにアプリを利用し約11万人の妊婦が接種を受けるため登録した。

(マレー・メイル、ベルナマ通信、6月26日)

完全ロックダウン再延長決定、飲食店の営業時間は緩和

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン•ヤシン首相が27日、新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者数が1日当たり4千人を下回るまで完全ロックダウン(MCO3.0)を続けると発言。6月28日には5,218人となり、28日以降も継続されることが決まった。

新規感染者数は5月16日から1カ月以上も目安である4千人を一度も下回っていない。6月1日に発令された完全ロックダウン後も大きな減少はみられず、今月23日からは6日連続で5千人を上回っている。近日中の4千人以下の達成は難しくなっており、ロックダウン長期化の容相を呈している。

完全ロックダウンは6月1日に2週間の期限で発令され、その後さらに6月28日まで2週間延長されていた。再延長の見通しが強まったことを受け、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、打撃が大きい飲食店への配慮から28日より営業時間制限を午前6時から午後10時までに緩和すると発表した。

ただし店内飲食は引き続き禁止され、デリバリーと持ち帰りのみが認められる。現在の営業時間は半島部で午前8時から午後8時まで、サバ州では現在午前7時から午後7時まで、サラワク州では午前6時から午後8時までとなっている。

1500億リンギ規模の支援策、ムヒディン首相が発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン•ヤシン首相は28日、長引く新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響を緩和するため、「人民保護と経済回復パッケージ(Pemulih=回復)」と称する大型支援策を新たに発表した。

6月1日付けで発令された完全ロックダウンが再延長されたことに伴いダメージが拡大する国民生活を経済を下支えするもので、今回で8回目となる。規模は総額1,500億リンギで、うち100億リンギは財政出動による。

今回で4度目となる賃金助成金制度(PSU4.0)に38億リンギを割り当てる。4カ月にわたり1人当たり1カ月600リンギを支援する。一つの企業当たり最大500人までカバーする。4,000リンギの給与制限は撤廃する。250万人の労働者が恩恵を受けるとみられる。またロックダウンのために操業できない中小企業向けの一時金に51億リンギを割り当てる。

電気料金は7月から9月まで3カ月間、最大40%割り引く。ロックダウンのために操業停止となっている雇用主に対する人材開発基金(HRD)への拠出を2カ月間免除する。生活費の負担増加問題に対処するため、「RON95」ガソリン、ディーゼル、液化石油ガス(LPG)価格を据え置く。

中・低所得世帯1,100万世帯向けの一時金「新型コロナ特別支援(BKC)」に46億リンギ割り当てる。給付額は極貧レベルの世帯で1,300リンギ、下から40%を占める低所得者層「B40」世帯には800リンギ、40%を占める中間所得層「M40」世帯には250リンギ。また単身世帯には極貧層に500リンギ、「B40」に200リンギ、「M40」に100リンギをそれぞれ給付する。

ムヒディン首相は5月31日、完全ロックダウン実施に伴う国民生活、経済を支えるための措置「国民と経済を強化するための戦略的プログラム(PEMERKASA)プラス」(総額400億リンギ規模、財政出動分50億リンギ)を発表していた。

新型コロナの新規感染者数は5218人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は28日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が5,218人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万1,812人で、累計感染者数は73万9,266人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,989人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(629人)▽クアラルンプール(KL、469人) ▽サラワク州(409人)▽ペラ州(400人)▽サバ州(258人)▽ジョホール州(243人) ▽ケダ州(194人)▽マラッカ州(183人)▽パハン州(111人)▽ラブアン(108人)▽クランタン州(101人)▽ペナン州(88人)▽トレンガヌ州(23人)▽プトラジャヤ(8人)▽ペルリス州(5人)ーーが続いた。新たに4,744人が回復し、累計治癒者は67万2,453人となった。死者数は57人増えて、累計で5,001人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は27日、17カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い9カ所のクラスターを確認。またコミュニティで6カ所、高齢者施設と拘留所でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

州別では、セランゴール州が5カ所で最も多く、うち4カ所が工場や建設現場などの職場に関するクラスターだった。またKLで4カ所、サバ州で3カ所、クランタン州で2カ所、サラワク州、ペラ州、ジョホール州でそれぞれ1カ所発生した。