大型ワクチン接種センター、首都圏に5カ所追加設置へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、首都圏クランバレーで新たな大型ワクチン接種センター(PPV)5カ所を設置すると発表した。
うち3カ所はセランゴール州の▽マインズ国際展示・会議センター▽マラ工科大学(UiTM)▽セティア・シティ・センター——で予定しており、残り2カ所はクアラルンプール(KL)市内のKLコンベンションセンター(KLCC)とブキ・ジャリル・スタジアム。
カイリー氏は近く、地方における大型PPV設置に向けてペナン州とジョホール州とも話し合いを行なう方針だ。
5月31日にはKLのマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)におけるPPV運用が開始された。当初は1日当たり2,400人への接種を予定しているが、6月7日には8,000人に対応する大型PPVとなる見込み。250人のスタッフを配置して対応に当たっている。
カイリー大臣はNIPの迅速化を図るため、6月末までに接種を開始する新たなPPVとして開業医や民間クリニック、私立病院1,000カ所を指定する方針を明らかにした。これにより1日当たり4万回の接種を目指す。
これまでに開業医や民間クリニック2,500カ所がPPVとしての登録を受けており、すでに1,800カ所が接種訓練を受けている。

新規感染者数が1万3000人に増加する可能性、保健省が懸念

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、国民が標準的運用手順(SOP)を守らなかった場合、1日当たりの新規感染者数が6月14日までに1万3,000人にまで増加する可能性があるとの懸念を表明した。
6月1日ー14日の間に実施されることになった全国規模のロックダウンについて、ノール氏は新規感染者数を増やさないために必要であると説明。ロックダウンを実施して変異株の流入を防ぐとした。これまでマレーシア国内では英国型、インド型、ブラジル型、南アフリカ型が確認されているが、先ごろベトナムで発見されたインドとイギリスのハイブリッド変異株について、まだ確認されていないと説明。政府としてはワクチン投与や検査を加速するが、SOPの順守や不要不急の外出を避けることで感染者の増加を抑えることができるとし、改めて国民に協力を呼びかけた。
1人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを指す基本再生産数(R0)は5月28日時点で1.15だった。マラッカ州では最も高い1.32となっており、それにサバ州(1.31)、ネグリ・センビラン州(1.30)の順で高い。なお最も感染者数が多いセランゴール州は1.12となっている。

全国の道路封鎖カ所、6月1日から800カ所に増加

【プトラジャヤ】 6月1日から完全ロックダウンが実施されることを受け、内務省は全国で行なっている道路封鎖を、現状の600カ所から800カ所に増やす方針だ。
ハムザ・ザイヌディン内務相によると、標準運用手順(SOP)の遵守状況を監視するために7万人が動員されるが、うち5万5,000人が警察官から、1万5,000人が出入国管理局、マレーシア海上法令執行庁(MMEA)、自警団(RELA)から動員される予定だ。現時点では3万7,000人の警察官が動員されている。人員不足と判断された場合には追加動員も検討するという。
SOP遵守監視チームは、社会・経済セクターでの遵守確認のために、マレーシア通産省(MITI)などの関連省庁や政府機関、地方自治体と協力して検査を行う。農村での監視活動も強化する予定で、人が集まる場所の監視強化のために現在の1万3,795人の監視要員を2万人に増強する。
内務省傘下のSOP遵守監視のためのオペレーションセンターは6月1日から24時間体制で運営されるという。
(マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、5月29日)

新型コロナの新規感染者数は6824人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は5月31日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,824人となったと発表した。アクティブ感染者数は7万9,523人で、累計感染者数は57万2,357人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,111人だった。それに▽クランタン州(695人)▽サラワク州(654人)▽ジョホール州(489人)▽ケダ州(464人)▽クアラルンプール(KL、387人)▽マラッカ州(352人)▽ペナン州(328人)▽ペラ州(255人)▽ネグリ・センビラン州(253人)▽パハン州(219人)▽サバ州(207人)▽トレンガヌ州(204人)▽ラブアン(166人)▽プトラジャヤ(28人)▽ペルリス州(12人)ーーが続いた。新たに5,251人が回復し、累計治癒者は49万38人となった。死者数は67人増えて、累計で2,796人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は30日に確認した死亡者数が98人となり、過去最高となったとして懸念を表明。新たに17カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
コミュニティでは最も多い7カ所のクラスターを確認。職場で6カ所、宗教活動で2カ所、教育機関と感染後に重症化する可能性が高いグループでそれぞれ1カ所クラスターが発生した。
州別では、KLで3カ所、ジョホール州、セランゴール州、ペナン州、サラワク州、クランタン州でそれぞれ2カ所、ペラ州、トレンガヌ州、パハン州、ネグリ・センビラン州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

6月1日からロックダウン、財務省は追加経済政策実施へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首相府は6月1日付けで再び完全ロックダウン(FMCO)を実施すると発表。続いてロックダウン中の標準的運用手順(SOP)の詳細を明らかにした。
期間は6月14日までの2週間。その間に感染者の大幅削減に成功した場合には第2フェーズに移行し、大人数・密集を伴わず、社会的距離を保てる経済セクターについて再開を認める。
第2フェーズの期間は4週間で、その後は第3フェーズに移行し、5月6日付けで発令されていた行動制限令(MCO3.0)と同様の状態に戻す。 完全ロックダウン実施に伴い、財務省は新たな経済支援策を実施する予定だ。
2週間のロックダウン期間中は、必需経済セクター&サービスのみ操業が認められ、その他の経済活動、社会活動は禁じられる。通産省が発行していた業務のための地区・州を跨いだ移動の許可証は、5月31日いっぱいで無効となる。6月1日以降については、関係各省庁に新たな許可証を申請する必要がある。
個人の移動については、同じ地区内の半径10キロメートル内とし、車1台に2人までの乗車を認める。移動目的は食料品や医薬品などの必需品の買い物などに限定する。午後8時以降の外出は慎むよう求める。野外の余暇活動はジョギングやエクササイズに限定され、最低2メートルから3メートルの社会的距離をとることが求められる。
経済活動については、▽飲食▽医療・保健▽水道・エネルギー▽運輸・物流▽通信▽金融▽Eコマース▽廃棄物処理・清掃ーーなどの必需サービスに限定して操業継続が認められる。営業時間は市場や給油所などの例外を除いて午前8時から午後8時までとする。
製造及び製造関連サービスについては、▽航空(MROサービス含む)▽食品・飲料▽包装材▽医療機器・医薬・個人用防護具▽電気・電子▽石油ガス・化学▽燃料▽機械装置(必需サービス関連に限定)ーーが60%の労働力で認められる。また▽自動車▽鉄鋼▽セメント▽ガラス▽セラミックーーに関して、生産設備の維持を目的とした10%の労働力による操業が認められる。
商業施設は、食料品、薬局、飲食店など必需サービスを除いて閉鎖される。