感染した外国人を荷台に満載、トラックと工場長を摘発

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」に感染した外国人労働者48人を荷台に満載して走っている不審なトラックが13日午後、ケダ州スンガイペタニで目撃され、通報を受けた警察に摘発される出来事があった。

クアラ・ムダ警察によると、スンガイ・ラランにある鶏肉処理工場で感染者が出たことを受け、同保健所は立ち入り検査を実施。陽性反応が出た135人の外国人労働者にピンクのリストバンドを装着させた上で、専用バスでクアラ・ムダにある病状評価センターまで連れてくるよう雇用主に命じていた。

しかし雇用主はバスの代わりになぜかトラックを手配。トラックは3回に分けて労働者を宿舎から評価センターまで運んだしかしピンクのリストバンドを付けた異様な集団がトラックの荷台に載せられている様子は他のドライバーや通行人の目を引き、彼らによって撮影された動画が拡散し大騒ぎになったらしい。

この騒ぎで工場長は命令に従わなかったとして「1988年感染症予防管理法」違反に問われ、片棒を担いだ格好となったトラックの運転手は「1987年道路交通法違反」に問われている。

HSBCマレーシア、12月31日付で13支店を閉鎖

【クアラルンプール】 HSBCマレーシアは15日、12月31日付で13カ所の支店を閉鎖すると発表した。

HSBCが発表した声明によると、閉鎖するのは▽ビントゥル▽ラブアン▽アローセタル▽キャメロンハイランド▽クアラ・トレンガヌ▽テルク・インタン▽バトゥ・パハ▽ベントン▽ラウブ▽イナナム(サバ州)▽セナワン▽スンガイブロー▽ゴンバックーーにある支店。

閉鎖の理由についてHSBCは、マレーシアにおいて未来を見据えた変革を行い、デジタルバンキングにおけるプレゼンスを強化を図るとして、支店数を減らすことを決めたと説明。2021ー2023年にかけてデジタル化や新技術の導入に1億6,000万リンギを投資する計画もあるとした。

顧客は最寄りの支店やATM、テレフォンバンキング、「HSBCマレーシア・モバイル・バンキング・アプリ」や「HSBCオンラインバンキング」などのデジタルバンキングを利用することで、継続してサービスを利用することができる。HSBCは閉鎖予定の支店の利用者には、最寄りの支店に関して通知すると説明。口座番号などは変更しないとした。

銀行員労働組合(NUBE)は3日、HSBCが過去6年間で3回目となる自主的分離スキーム(VSS)および相互分離スキーム(MSS)の実施を計画していると主張。約600人が職を失うとして懸念を表明していた。

(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、6月15日)

米ファイザー製ワクチン、12歳以上にも接種へ

【ペタリンジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンについて、米ファイザー製ワクチンの12歳以上への接種が医薬品管理庁(DCA)により承認された。

現在、コロナワクチンは18歳以上のみ接種可能。一方、8月から開始予定のワクチン接種プログラム(NIP)第5フェーズでは、12歳から17歳までが接種対象に含まれるため、この年齢層向けのワクチンが必要とされていた。

1回の接種で済む康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)と米ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンについても条件付きで登録が承認された。ワクチンの品質、安全性、有効性に関する情報を最新のデータに基づき評価していく。 (ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、6月15日)

国家復興計画、新たな政策打ち出されず国民から不満の声

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相が15日、年内の新型コロナウイルス「Covid-19」禍から正常化に向かう道のりを示す「国家復興計画」を発表したが、「道筋」とその指標が示されただけで、政府の具体的な対策について言及がなくネット上では批判の声が相次いでいる。

ネット上ではまず第2フェーズに移行するための目安とされる「1日の新規感染者が4千人以下」がやり玉にあげられた。「フリー・マレーシア・トゥデー」のまとめによると、「4千人で安全になったという科学的根拠はどこにあるのか?」「4千人はまだ多い。規制を緩和したらまたすぐに増える」といった批判の声が目立っている。

テレビ演説まで行って「国家復興計画」と打ち出したにも関わらず、ムヒディン首相は「50億リンギの財政出動を伴う400億リンギの経済対策を打ち出した」と5月末に発表した政策を強調したが、追加対策を期待した国民は落胆を禁じ得なかった。

ラフィダ・アジズ元通産相は、「国家復興計画」に具体的な経済復興政策や雇用機会の増加、これまでの損失をどのように処理するかといった「戦略」が示されず、減税策すら盛り込まれなかったと批判した。

新型コロナの新規感染者数は5150人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は16日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が5,150人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万7,949人で、累計感染者数は67万3,026人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,914人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(607人)▽サラワク州(570人)▽クアラルンプール(KL、480人)▽ジョホール州(392人)▽ケダ州(228人)▽クランタン州(230人)▽サバ州(184人)▽マラッカ州(152人)▽ラブアン(101人)▽ペナン州(99人)▽ペラ州(66人)▽パハン州(57人)▽トレンガヌ州(56人)▽ペルリス州(8人)▽プトラジャヤ(6人)ーーが続いた。新たに7,240人が回復し、累計治癒者は60万935人となった。死者数は73人で、累計で4,142人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は15日、新規感染者数は減少したが、1人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを指す基本再生産数(R0)について、0.94となったとして、前日から0.02%ポイントアップしたと明らかにした。ラブアンとサバ州、ネグリ・センビラン州、サラワク州では、1.0を上回っていると説明。一方で15カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い11カ所のクラスターを確認した。またコミュニティで3カ所、教育機関で1カ所のクラスターが発生した。