サラワク州先住民、身分証ないためワクチン接種受けられず

【ミリ】 サラワク州の内陸部に住む先住民が身分証カード「MyKad」を持たないことを理由に新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が受けられないでいる。

先住民の権利団体、バラム住民行動評議会(BPAC)のフィリップ・ジャウ議長によると、バラム地区では身分証を持っていないことを理由にワクチン接種を拒まれたとの苦情が先住民から多く寄せられている。ロング・サンの公営クリニックでは、職員から身分証の提示を求められ、持っていないと立ち入りを拒んでいるという。

ジャウ氏は遠隔地に住んでいることから都市部にしかない国民登録局(NRD)事務所に出生届けを出しておらず、出生証明書やそれに基づいて発行される身分証明書を持っていない先住民はサラワク州だけで少なくとも6万人おり、接種がこの方式で行なわれるのであれば彼らは接種を受けられないことになると指摘。保健当局に配慮を求めた。

身分証を持っていない先住民には密林に住む遊牧民のプナン族がいるが、すでに数十人のプナン族が感染し1人が死亡しているという。

サラワクではこれまでに5万7千人以上の感染者が出ており、死者は366人に上っている。(ザ・バイブズ、6月18日)

貸金業者やクレジット会社のMCO中の営業を許可

【プトラジャヤ】 住宅地方自治省(KPKT)に登録された貸金業者・クレジット会社について、現在発令中の行動規制令(MCO3.0)第1フェーズ中の営業が許可された。

KPKTによると、6月18日の国家安全保障委員会(MKN)特別会議で営業許可が決定された。営業を希望する業者は、通産省の新型コロナウィルス「Covid-19」情報マネジメント・システム(CIMS)経由で営業許可を申請する必要がある。

例外として、サバ州、サラワク州、ラブアンでは申請先が異なり、それぞれサバ州財務省(KKNS)、サラワク州政府部門、ラブアンコーポレーションに営業許可を申請する必要がある。

貸金業者・クレジット会社向けの標準的運用手順(SOP)も更新されており、顧客との商談時間は午前9時から午後5時まで、店舗に同時入店できるのは2人まで、顧客の来店前予約を推奨、スタッフの60%のみ出社などが定められている。

(ベルナマ通信、6月23日)

9月までに人口の60%にワクチン接種=カイリー担当相

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、9月末までに人口の約60%にワクチン接種を行うことを目標とすると発表した。

カイリー氏によると、6月に1日15万回、7月に1日20万回という接種目標を掲げていたが、6月15日にすでに1日21万5,000回の接種を達成。6月19日の時点で、人口の12.5%にあたる408万人が少なくとも1回接種済、158万人がすでに2回の接種を完了している。7月に1,100万回、8月に1,300万回、9月に800万回の接種を行っていく。

ワクチン接種の加速化のために大規模ワクチン接種センターを増設する。接種人員についても、6月末から7月にかけて、民間の開業医1,000人がワクチン接種を開始することを目標としており、退職した医療従事者やインターン、医学生なども動員する。ワクチン接種センターへ出向くのが難しい人向けのトラックを利用した移動式ワクチン接種会場も稼働させている。

カイリー氏は、先進国からのワクチン寄付に感謝を示しつつも、先進国による買いだめにより発展途上国へのワクチン供給が滞っている問題について、ワクチンの公平性を確保するよう世界銀行に求めた。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月23日)

完全ロックダウンの即時終了、経営者連盟が政府に要請

【クアラルンプール】 マレーシア経営者連盟(MEF)は23日に政府に向けて声明を発表し、国内経済と国民の生活にさらなるダメージを与えないよう、6月1日から続いている完全ロックダウン(FMCO)を直ちに終了するよう要請した。

MEFのサイド・フセイン会長は、新型コロナウイルス「Covid-19」対策と国民生活の維持の間に微妙なバランスがなければならないと言明。しかしながら「FMCOの下での標準的運用手順(SOP)を巡る混乱は、すでに深刻な影響を受けている多くの中小・零細企業を殺している」と指摘した。

その上でサイド・フセイン会長は、様々な業界からの報告を引用し「一部の中小・零細企業は回復不能なレベルで苦しんでおり、緊急の支援を必要としている」とし、完全ロックダウンが継続された場合、必需品・サービス以外のセクターは生き残ることが出来ないだろうと述べた

またサイド・フセイン会長は、営業を許可されているセクターでもそれが依存しているサプライチェーンの一部が操業を認められていないため深刻な問題に直面していると指摘。その影響は雇用者だけでなく従業員や家族にも及んでいるとし、速やかに経済活動を再開させるとともに、財政支援を実施することが必要だと指摘した。 (エッジ、6月23日)

新型コロナの新規感染者数は5841人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は24日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が5,841人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万1,162人で、累計感染者数は71万6,847人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,072人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(781人)▽サラワク州(581人)▽クアラルンプール(KL、552人) ▽ジョホール州(346人) ▽ケダ州(271人)▽マラッカ州(247人)▽ラブアン(212人)▽サバ州(203人)▽パハン州(162人)▽クランタン州(135人)▽ペラ州(120人)▽ペナン州(108人)▽トレンガヌ州(29人)▽プトラジャヤ(17人) ▽ペルリス州(5人)ーーが続いた。新たに5,411人が回復し、累計治癒者は65万964人となった。死者数は84人増えて、累計で4,721人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は23日、24カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い15カ所のクラスターを確認。またコミュニティで7カ所、透析センターと拘留所でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

州別では、セランゴール州で8カ所、サラワク州で4カ所、KL、マラッカ州でそれぞれ3カ所、ペナン州で2カ所、トレンガヌ州、ジョホール州、ネグリ・センビラン州、パハン州でそれぞれ1カ所発生した。