ワクチン接種完了者への移動制限緩和を検討=調整相

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、2度の接種を完了した個人について州を跨いだ移動を含むいくつかの行動制限の解除を検討していることを明らかにした。

他国で行なわれている手順なども参考にして、国家ワクチン接種プログラム(NIP)技術作業委員会が検討を始めている。専門家によって構成される作業委員会の検討結果は最終的に国家安全委員会(NSC)に提出され、最終的に実施の可否が決定される。

ワクチン接種情報については、スマートフォンにインストールされた情報・追跡アプリ「MySejahtera」に記録されるが、シンガポールなどいくつかの国との間で情報の相互認証の仕組みについて検討が行われている。

カイリー氏によると、「MySejahtera」に黄色のプロファイルが表示されたら2度のワクチン接種が完了したことを示しており、新型コロナ緊急事態管理技術委員会が現在認められていない海外旅行を容認した場合、アプリのQRコードを使うことになる。なおシンガポールとの間の行き来については、「ワクチンパスポート」承認の方向でほぼ合意しているという。 (マレー・メイル、6月21日)

新型コロナの新規感染者数は4743人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は22日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が4,743人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万2,027人で、累計感染者数は70万5,762人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,566人だった。それに▽クアラルンプール(KL、635人)▽ネグリ・センビラン州(585人)▽サラワク州(507人)▽ジョホール州(239人)▽ペナン州(195人)▽サバ州(193人)▽マラッカ州(167人)▽クランタン州(165人)▽ケダ州(142人)▽パハン州(131人)▽ラブアン(104人)▽ペラ州(68人)▽トレンガヌ州(37人)▽プトラジャヤ(7人) ▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに5,557人が回復し、累計治癒者は63万9,181人となった。死者数は77人で、累計で4,554人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は21日、22カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い14カ所のクラスターを確認。またコミュニティで7カ所、医療センターで1カ所のクラスターが発生した。

州別では、セランゴール州、クランタン州、ジョホール州、サラワク州でそれぞれ4カ所、ペナン州、サバ州でそれぞれ2カ所、マラッカ州、ネグリ・センビラン州でそれぞれ1カ所発生した。

SOP違反、6月1日から106カ所の工場が閉鎖

【ペタリンジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、完全ロックダウンがスタートした6月1日から17日までに、標準的運用手順(SOP)違反について496カ所の工場で調査が実施され、106カ所の工場が閉鎖を命じられたと明らかにした。

今年1月14日からは、2万4,928カ所(工場2万2,819カ所、事業所2,109カ所)を調査した。その結果、160カ所の工場と17カ所の事業所に対して閉鎖を命じたという

また17日には、SOPに違反したとして警察が759人を逮捕した。うち711人が罰金処分を受けた。

違反として最も多かったのは敷地や施設内に入る際の個人情報の事前登録義務違反で、140人が逮捕された。そのほかは▽物理的距離の確保違反(136人)▽マスク着用義務違反(135件)▽許可なしでの地区・州越え/外食禁止違反(123件)▽行動制限令(MCO)の順守違反(94人)▽自動車の乗車人数制限違反(55件)▽MCO違反施設(14件)  の順で違反者が多かった。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月19日、フリー・マレーシア・トゥデー、6月17日)

8月のワクチン接種目標を1日40万回に引き上げ=担当相

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、接種ペースがスピードアップしていることから8月の1日のワクチン接種回数目標を40万回に引き上げると述べた。

カイリー氏は、当初7月中に20万回に引き上げることを目標としていたが、6月15日に前倒しで目標を達成したと言明。これを受けて7月の目標を30万回に引き上げているとし、これに基づき8月の目標を引き上げたと説明した。

またカイリー氏は、集団免疫を獲得したとみなされる接種率80%をラブアンで8月中、セランゴール州、サラワク州、クアラルンプール、プトラジャヤなどでは9月中に達成可能だと述べた。

これまで1日当たりの接種回数は6月17日の22万1,706回が最高。うち17万7,876回が1回目、4万3,830回が2回目の接種だった。ワクチン供給が順調であることと接種センターの接種能力増強により、7月には合計1,280万回、8月には1,440万回の接種が見込まれている。

マレーシアはこれまでに総人口の119.65%をカバーする7,310万回分のワクチンを確保しており、うち640万回分はCovaxファシリティを通じて供給されることになっている。残りは独自で確保したもので、ファイザー(4,480万回分)、アストラゼネカ(640万回分)、シノバック(1,200万回分)、カンシノ(350万回分)——となっている。 (ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月20日)

18歳以上を対象としたワクチン接種第3フェーズが開始

【プトラジャヤ】 18歳以上の一般人を対象とした新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が21日、首都圏クランバレーで開始された。ワクチン接種プログラム(NIP)の第3フェーズとの位置づけで、対象人口は1,370万人以上となる。

第2フェーズで対象となっていた高齢者の初回のワクチン接種済、あるいは予約済の比率がクランバレーでは99%、セランゴールでは88%に達したため、第3フェーズの開始を決めた。第3フェーズは当初は5月開始の予定だったが、ワクチン調達遅れによって先延ばしとなっていた。

ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相によると、6月19日現在、567万5,000人(1回目接種済400万人、2回目接種済150万人)がワクチン接種済で、すべての登録者は今後2—3カ月内に接種予約できるという。7月に1,280万回分、8月に1,440万回分のワクチンが供給される予定であり、人口の80%へのワクチン接種という目標を12月より前倒しで達成できる見込み。

ファイザー製ワクチンは発注済4,480万回分のうち400万回分、シノバック製は1,200万回分のうち370万回分、アストラゼネカ製は780万回分のうち82万8,000回分の供給をすでに受けているという。

(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月20日)

ワクチンパスポート導入を検討、州間移動や海外渡航に利用

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は20日、州を跨いだ移動や海外への渡航の際に提示する「ワクチンパスポート」を導入することを計画していると明らかにした。

ノール氏は、2度のワクチン接種を終えたことを証明する「ワクチンパスポート」を、州を跨いだ移動、海外旅行のみならずモスクに入る際に提示することを標準的運用手順(SOP)に盛り込むことを検討していると説明した。しかしまだワクチンの接種率は低いとして、「ワクチンパスポート」を導入するのには早すぎると強調。ワクチンの接種率が上昇し、集団免疫が達成された際には、SOPが緩和され、マスクの着用や、物理的距離の確保などの規制も撤廃されることになるとした。

ムヒディン・ヤシン首相は今年4月、国家安全委員会(NSC)の会合でワクチンの接種を終えた証明として証明書を発行することを話し合ったと明らかにしていた。

(エッジ、ザ・スター、6月20日)

新型コロナの新規感染者数は4611人、累計で70万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が4,611人となったと発表した。アクティブ感染者数は6万2,918人で、累計感染者数は70万1,019人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,346人だった。それに▽サラワク州(682人)▽ペラ州(453人)▽ネグリ・センビラン州(437人)▽ジョホール州(314人)▽クアラルンプール(KL、310人)▽クランタン州(219人)▽マラッカ州(205人)▽ケダ州(182人)▽サバ州(166人)▽ラブアン(130人)▽ペナン州(84人)▽パハン州(50人)▽トレンガヌ州(18人)▽プトラジャヤ(15人)ーーが続いた。ペルリス州はゼロだった。新たに5,439人が回復し、累計治癒者は63万3,624人となった。死者数は69人で、累計で4,477人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は20日、19カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い11カ所のクラスターを確認。またコミュニティで5カ所、高齢者施設と介護施設、拘留所でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

州別では、セランゴール州で5カ所、クランタン州で3カ所、パハン州、ネグリ・センビラン州、サバ州、サラワク州でそれぞれ2カ所、マラッカ州、トレンガヌ州、ペナン州でそれぞれ1カ所発生した。

井村屋、マレーシアで「あずきバー」を発売へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 井村屋グループ(本社・三重県津市)は、同社の主力製品である「あずきバー」3品をマレーシアで9月に発売開始すると発表した。同社にとり創業から48年間で初めての海外での現地生産・販売となる。

同社は、マレーシアを東南アジア諸国連合(ASEAN)市場のゲートウェイとして最適と考え、井村屋マレーシアを2019年に設立。マレーシア国内のアイスクリーム市場進出に向けた準備を進めてきた。

マレーシア市場に投入する商品は、「あずきバー」シリーズの特長を生かしつつ、マレーシア向けに完全ローカライズ。人口の約60%を占めるイスラム教徒も考慮してハラル(イスラム教徒向け)認証を取得している原材料を使用し、甘さや食感なども現地の嗜好に合わせた。

「あずきバー」も、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)のハラル認証を取得。井村屋の伝統製法であずきを丁寧に炊き上げ、あずき本来の味わいを楽しめる「あずき」、風味豊かな宇治抹茶をたっぷり使用した抹茶ラテアイスとあずきが織りなす、上質な味を楽しめる「抹茶」、日本でも人気のあるクリーミーなミルクアイスとあずきのコンビネーションを楽しめる「ミルク」3種から成る。内容量は各70ミリリットル。価格はオープン価格となっている。

 

「ロックダウン延長は経済を駄目にする」、独商工会など

【クアラルンプール】ムヒディン・ヤシン首相が発表した国家復興計画では経済活動を制限するロックダウンの長期施行が盛り込まれており、在マレーシア・ドイツ商工会議所のダニエル・ベルンベック最高責任者は「ロックダウンをさらに12週間続ける内容であり、多くの経済部門に深刻な打撃を与え、解雇、債務不履行、さらには倒産が増える」と述べた。

マレーシアから部品供給を受けている外国の企業が調達先をほかの国に変更するする恐れがあり、投資家がマレーシアへの投資計画を取り止める可能性もあるという

欧州商工会も、復興計画はロックダウンを長引かせるものであり、経済回復が少なくとも12週間、阻害されると指摘。現在施行中の完全ロックダウンは暫定措置とし、6月末に見直すのが望ましいとした。

また国際サプライチェーンにあって、注文に応じられないマレーシア企業があるためマレーシアの名声が低下しているという。

マレーシア製造業者連盟(FMM)は、今回のロックダウンが産業部門に与える影響は深刻とし、政府に支援措置を要請した。

(マレーシアン・リザーブ、6月17日)

交通機関従事者に勤務先でのワクチン接種を開始

【ペタリンジャヤ】 ウィー・カション運輸相は、6月第4週から交通機関で働く労働者が勤務先の空港、港、バス発着所などでワクチンを接種できるようにすると発表した。運輸業界の接種率を向上させるための施策。

官民連携ワクチン接種プログラム(PIKAS)が6月16日より開始されているが、運輸業従事者25万人への接種を具体的にどう進めるかの戦略が待たれていた。運輸業界では、船員、パイロット、航空管制官、客室乗務員、倉庫作業員、港湾スタッフ、鉄道・バス乗務員など、10万7,000人が最前線従事者に相当する。

同相と新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相が協議の上、方針を決定した。 (フリー・マレーシア・トゥデー、6月17日)