新型コロナの新規感染者数は4949人、3日連続で減少

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が4,949人となったと発表した。3日連続で減少した。アクティブ感染者数は7万1,625人で、累計感染者数は66万2,457人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,523人だった。それに▽サラワク州(744人)▽クアラルンプール(KL、503人)▽ジョホール州(430人)▽ネグリ・センビラン州(323人)▽サバ州(273人)▽クランタン州(214人)▽ペナン州(214人)▽ケダ州(199人)▽ペラ州(136人)▽マラッカ州(119人)▽ラブアン(113人)▽トレンガヌ州(86人)▽パハン州(61人)▽プトラジャヤ(10人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに6,588人が回復し、累計治癒者は58万6,864人となった。死者数は60人で、累計で3,968人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は13日、15カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い11カ所のクラスターを確認。工場やサービス会社、スーパーマーケットなどで発生した。またコミュニティで3カ所、教育機関で1カ所のクラスターが発生した。

州別では、セランゴール州、ジョホール州、サバ州でそれぞれ3カ所、サラワク州で2カ所、マラッカ州、クランタン州、ケダ州、KLでそれぞれ1カ所発生した。

1日の新規感染者、4千人下回ればSOP見直しを検討

【ジョホールバル】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は13日、新型コロナウイルス「Covid-19」の1日当たりの新規感染者数が4千人を下回った場合、現在全土に発令されている完全ロックダウン(MCO3.0)における標準的運用手順(SOP)の見直しを検討すると言明した。

サブリ氏は、4千人の目標値は保健省が定めたもので、アダム・ババ保健相と同省のノール・ヒシャム事務次官より方針を伝えられたと言明。4千人を割った時点でMCO3.0を終了するわけではないが、規制を継続するか緩和するか検討すると述べた。保健省は次回の国家安全委員会(NSC)特別会議で規制を取り扱いについて提言を行なうという。

この日、サブリ氏はアダム・ババ保健相らと共に、6月17日稼動予定のジョホール州スルタナ・アミナ病院内のマレーシア国軍(MAF)のコロナ感染者治療施設を視察。アダム・ババ保健相は、カテゴリー3及び4の患者のために4床の集中治療(ICU)と60床の一般病棟を設置する予定だと述べた。 (ベルナマ通信、6月13日)

アリババクラウド、KLにイノベーションセンター設立

【クアラルンプール】 中国の電子商取引大手アリババグループの子会社でクラウドサービスを提供するアリババクラウドは、クアラルンプールにアリババクラウド・イノベーションセンターを設立すると発表した。同社としては中国以外で初の国際的イノベーションセンターとなる

同センターは、同社の「プロジェクト・アジアフォワード」の一環として設立される。このプロジェクトは、今後3年間で10億米ドル(411憶リンギ)を投じ、東南アジアと香港で100万人のデジタル人材の育成、10万人の開発者の支援、10万社のテクノロジー系新興企業の育成を目的としたもの。

アリババクラウドによると、マレーシアでは、現地パートナーのハンズプロフィット社と協力の上、スタートアップ企業の成長支援を行なっていく。支援対象となるのは、フィンテック、銀行、インターネット、小売、情報技術(IT)などの業界のスタートアップ企業。ブランディングへの協力、オフィススペースや専門家との交流機会の提供を行なうだけではなく、中国とのビジネス機会も提供されるという。

同社は「プロジェクト・アジアフォワード」により、インドネシアで3つ目のデータセンターを立ち上げ、サービス提供を開始している。今年の年末までにフィリピンでも最初のデータセンターを立ち上げる。

(マレー・メイル、デジタル・ニュース・アジア、6月8日)

ロックダウン中のSOP違反で59の工場に閉鎖命令

【ペタリンジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、6月1日の完全ロックダウン開始以来、標準的運用手順(SOP)違反により59の工場が閉鎖を命じられたと明らかにした。268の工場で検査が実施され、75の工場で罰金支払いが命じられた。

また、警察は6月9日、SOP違反で907人を逮捕し、そのうち877人が罰金処分、28人が再拘留、2人が保釈処分となった。

罪状としては、▽マスク着用義務違反(208件)▽MySejahteraアプリでの個人情報の未登録あるいはチェックイン不履行(148件)▽警察の許可なしでの地区・州越え/外食禁止違反(147件)▽身体障害者規則違反(123件)▽行動制限違反(81件)▽自動車の乗車人数制限超え(79件)▽娯楽施設での活動(28件)▽SOP違反施設(10件)▽その他(83件)――が挙げられる。

一方、5月25日に発表したラブアン入境者に対する追加規制についてサブリ氏は、6月30日まで延長すると明らかにした。ラブアン入境3日前にRT-PCR検査を受ける必要がある。本規則は当初は6月9日までとされていた。

サブリ氏はまた、パハン州、ジョホール州、サバ州、サラワク州、トレンガヌ州のいくつかの地域で、6月12日から6月25日までロックダウンや強化行動制限令(EMCO)が施行されると明らかにした。

具体的には、パハン州テメルローのタマン・テメルロー・ジャヤ、タマン・テメルロー・ジャヤ・インダー、タマン・テメルロー・マクムルの3地区が完全ロックダウンとなる。

EMCOが実施される地区は、▽ジョホール州クルアンのラダン・テレー・ミル▽サバ州プタタンのタマン・パシル・プティファサ1にあるロロン・パシル・プティ1▽サラワク州クチンのカンプン・コロン2▽トレンガヌ州クアラベランのカンプン・タジン――。

一方、EMCOが6月11日終了したのは、▽トレンガヌ州フル・トレンガヌのクアラバラン▽ペラ州マンジュンのシティアワン▽サバ州パパルのカンプン・ムック▽同州ケニンガウのカンプン・バル・ドゥロ▽同州クナのカンプン・スンガイ・ランガス――となった。

(フリー・マレーシア・トゥデー、6月10日)

業務継続可能な事業の線引き明確化、中小企業が要求

【クアラルンプール】 ロックダウン期間中に業務を継続できる業種に関する線引きが明確さを欠いていることから産業界で混乱が続いており、中小企業団体からは、このままでは中小企業の大口クライアントである大手製造業のマレーシア撤退に繋がる恐れがあるとの声が上がっている。

マレーシア中小企業(SME)協会のチン・チーソン副会長は、いくつかの大手製造業者が海外向けに約束している製品供給を維持するため、生産拠点をマレーシアからインドネシアもしくはタイに移転することを計画していると言明。操業できる業種の線引きが曖昧であるため、投資家がロックダウン中に事業を許可されるかどうかについて確信が持てないでいるとし、速やかに明確な必須リスト及び非必須リストを公表することが必要だと述べた。

チン氏は、欧米の商工会議所の会員の一部にマレーシア撤退の動きがあると述べ、それを思いとどまらせるために真剣に取り組む必要があると指摘。通産省やその他の関係省庁からの操業許可に時間がかかっており企業が不確実性に直面しているとし、早期に是正する必要があるとした。

チン氏によると、昨年3月の最初の行動制限令(MCO)以降、10万社が倒産しており、現在行われているロックダウン期間が伸びて6週間を越えるような場合、最大で25万人が解雇される可能性があるという。

マレーシア国民大学(UKM)のエコノミスト、ジャマル・オスマン氏は、政府の財政支援がなければ完全ロックダウン下でマレーシアが被る経済損失は1日当たり2億5,600万リン上るとの試算を示し、100万人以上が失業する可能性があるとしている。

(フリー・マレーシア・トゥデー、6月11日)

軽便鉄道事故報告、運輸相が人的ミスと発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 先ごろクアラルンプール(KL)中心部のトンネルで発生した軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線の衝突事故について、ウィー・カション運輸相は10日、標準的運用手順(SOP)違反が事故に繋がった人的ミスだったと結論づける最終報告書を発表した。

同事故は、5月24日午後8時45分頃、KLCC駅からカンポン・バル駅に向かっていた無人運転の列車(TR81)と、本来カンポン・バル駅からダン・ワンギ駅方面に向かう予定の回送列車(TR40)が逆走して衝突したもの。これによって乗客213人を乗せていたTR81は先頭車両前面が大きく壊れ、47人が重傷(うち3人が重体)、そのほかの乗客は軽傷を負った。LRTケラナ・ジャヤ線の衝突事故は1998年の開通以来これが初めて。

事故調査委員会がまとめた報告書によると、TR40ではこの日、2基搭載しているVOBCと呼ばれる自動運転制御装置の1基に故障が発生したため修理のため、車両基地まで回送中だった。しかし2基目のVOBCも故障したため、運転制御センター (OCC)は運転手にダン・ワンギ駅まで手動運転で向かい、VOBCを再起動させて自動運転の回復を試みるよう指示したが、OCCと運転手の間の連絡が不十分だったため手動のまま逆方向のKLCC駅方面に向かって発車したという。

一方、TR81はTR40が故障のため手動に切り替えられたことからKLCC駅で待機していたが、TR40が自動運転に戻ったとの誤った情報を受け取り、カンポン・バル駅方面に向かって出発してしまい逆走してくるTR40と衝突してしまったという。

事故調査委員会は再発防止に向けた23件の勧告をLRTを管轄する国営企業プラサラナ・マレーシアに行っており、プラサラナは手動運転中の運転手を2人にすることなど、5項目の短期的改善を3カ月以内に実施、11項目からなる中期的改善、7項目からなる長期的改善も6カ月以内をめどに実施する方針を明らかにした。

新型コロナの新規感染者数は6849人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は11日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,849人となったと発表した。アクティブ感染者数は7万8,864人で、累計感染者数は64万6,411人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,558人だった。それに▽クアラルンプール(KL、884人)▽サラワク州(699人)▽ネグリ・センビラン州(685人)▽ジョホール州(426人)▽サバ州(309人)▽クランタン州(248人)▽ペナン州(205人)▽ラブアン(176人)▽マラッカ州(170人)▽ケダ州(161人)▽ペラ州(161人)▽パハン州(89人)▽トレンガヌ州(66人)▽プトラジャヤ(10人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに7,749人が回復し、累計治癒者は56万3,779人となった。死者数は84人で、累計で3,768人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は10日、22カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。

職場では最も多い18カ所のクラスターを確認。工場や建設現場、ケアセンター、レストランなどで発生した。またコミュニティで3カ所、宗教活動で1カ所のクラスターが発生した。

州別では、セランゴール州で7カ所、ジョホール州で6カ所、ペナン州で3カ所、サラワク州で2カ所、ケダ州、ネグリ・センビラン州、サバ州、KLでそれぞれ1カ所発生した。

完全ロックダウン、28日まで二週間延長=NSC

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国家安全委員会(NSC)は11日に特別会議を開き、14日に期限を迎える完全ロックダウン(MCO3.0)について、6月28日まであと2週間延長すると決定した。

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)がNSC会議後の声明で明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数がこのところ1日あたり5千人を超える水準で推移し、11日も6,871人と再び上昇する気配をみせていたことを受けて判断した。社会・経済活動に関する標準的運用手順(SOP)はこれまでと同じ。詳細はNSCのウェブサイト(www.mkn.gov.my)を参考にして欲しいとしている。

新型コロナの新規感染者数は1日1万人に迫っていた一時期より減少傾向にあるが、いまだに5千人を越す水準にあり、死者数も連日70人を突破。各地の集中治療室(ICU)も満杯に近づいていた。このため政府内からも完全ロックダウン延長は避けられないとの声が上がっていた。

6月1日の完全ロックダウンが宣言された際、政府は2週間の第1フェーズの間に感染者の大幅削減に成功した場合には第2フェーズに移行し、大人数・密集を伴わず、社会的距離を保てる経済セクターについて再開を認めるとしていた

また第2フェーズの期間は4週間で、その後は第3フェーズに移行し、多くの社会活動を制限した上でほぼすべての経済活動を厳しい標準的運用手順(SOP)順守の条件付きで認めている現在の行動制限令(MCO)に戻すとしていた。

コンビニやミニマートが積極拡大、コロナ禍で有利に

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響下にあって、コンビニエンスストアや小規模食料品店チェーンが店舗網を拡大しているほか、商品ラインナップを増強するなど顧客を取り込むための積極策をとっている。

小規模食料品店チェーンでは、KKスーパーマートや99スピードマート、コンビニではマイニュース(MyNews)、ファミリーマート、セブンイレブンなどが新型コロナの流行が始まって以来、来店者数や売り上げの両方で業績を伸ばしている。

マイニュースは先ごろ、ミニスーパー、「マイニース・スーパーバリュー」を立ち上げ、ベビー用品、食材、掃除用品、冷凍食品、ペットフードなどより幅広い商品を取扱いを開始。またソーセージ、バーガー パテ、ナゲット、シーフードなどの冷凍商品ブランド、「フローズン ディライツ」を立ち上げた。宅配にも力を入れている。

ホンリョン・インベストメント・バンクのアナリスト、ガン・フエンウェン氏は、行動制限令(MCO)下で様々な規制に晒されている大型ショッピングモールと比較して、コンビニは比較的安定した来店者数を記録しており、これが郊外で店舗数が増えている要因になっていると指摘。量販店より価格は高めだが商品の多様化が進んで利便性が向上させることで成長が期待できるとしている。

不動産仲介大手、サヴィルズ・マレーシアのムルリ・メノン氏は、新型コロナのパンデミックが起きる前からミニマートとコンビニが成長基調にあったが、ロックダウン期間中であっても遅くまで営業を許可されていることがさらなる成長の後押しとなっていると指摘。利便性という要素はコンビニにとって大きな利点であり、顧客は大勢の人混みや長い行列、社会的距離を心配することなく、必要な商品を気軽に購入することができることは大きいとしている

メノン氏によると、コンビニ普及率は日本やベトナムなどでは人口2,000人あたり1店舗となっているが、マレーシアは人口9,000人あたり1店舗にとどまっている。 (マレーシアン・リザーブ、6月9日)

アセスメントセンターが対応能力限界、コールセンターを増設へ

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数の急増により、アセスメントセンター(CAC)の対応能力が限界にきていると公表。悪化している感染者のモニタリング状況の改善に向け、一般からの問い合わせに対応するコールセンターをセランゴール州とクアラルンプール、プトラジャヤに新設する方針を明らかにした。

CACは今年1月に148カ所開設されたが、現在は198カ所に増えている。ノール・ヒシャム事務次官によると、CACを訪問する感染が疑わしい患者の数はそれまで1日当たり4,000人だったのが、4月以降に増加をはじめ、6月5日には150%増の1万人に達した。同様にCACがモニタリングしている感染者数もそれまでの1日5,300人から1万1,000人へと108%も増加した。

急激な業務量の増加にともない、CACスタッフが患者からの電話に出られなかったり、こちらから掛けることができないケースが増加。自宅で監視下に置かれていた患者から不安の声が上がっていたという。

コールセンターでは感染が疑われる症状のある患者については最寄りのCACを紹介し、緊急通報をマレーシア緊急対応サービス (MERS 999) に転送する。CACの電話回線も33本増やす。 (ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、6月9日)