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新型コロナとの戦い、首都圏が焦点に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大を抑制するための戦いは激化しており、人口密度が高く、移動活動が活発な首都圏クランバレーが現在、激戦地になっている。
首都圏では、この2週間、ウイルス拡散を抑制するための厳しい管理体制が敷かれている。検査を強化することで、感染地域を特定し、感染拡大を防ぐ。国内の基本再生産数(R0)が11日、1.13に上昇したが、その中でもクアラルンプール(1.18)、セランゴール州(1.17)と高い数値になっているのは、検査強化によるものだという。
すでに国家復興計画(NRP)の第2フェーズに入った州の医療従事者が、セランゴール州やクアラルンプールのホットスポットに常駐し、首都圏の医療従事者を支援する。ワクチン接種については、セランゴール州は人口が多く、接種数自体は多くても人口比ではまだ低い状態であるため、接種数を増やしていく。
首都圏では、集中治療室(ICU)がキャパシティの上限を超えていることも問題となっている。重症患者であるカテゴリー4と5の患者が回復に長い期間を要していることが原因だという。カテゴリー4では平均治療期間は14-16日、カテゴリー5では19-26日。カテゴリー4は酸素吸入が必要なレベルで、カテゴリー5は人工呼吸器を装着する必要がある。
同氏は、ベータ変異株(南アフリカ株、B.1.351)がほぼすべての州で検出され、すでにコミュニティで広がっていることにも警鐘を鳴らした。ベータ変異株には、既感染者への再感染やワクチンの有効性低下といったリスクがある。変異株の広がりを阻止するため、国境での水際作戦の強化を訴えた。
保健省は、1日あたり30万から40万回分のワクチン接種が可能な体制になったことで、9月から10月初旬までに国民の70%から80%がワクチン接種を受けることになると予測している。国民の50%がワクチンを接種した時点で、ワクチン接種活動の成果が明らかになるという。

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