セランゴール州の強化制限令も16日で解除、KLなどに続き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ副首相(兼国防相)は16日、セランゴール州の34の準地区で7月3日より敷かれていた強化行動制限令(EMCO)を同日いっぱいで解除すると発表した。

保健省が行なった新型コロナウイルス「Covid-19」感染状況評価に基づき、国家安全委員会(NSC)特別会議で決定した。これまで禁止されていた半径10キロメートルを超える必需品購入のための外出も認められる。単独でのエクササイズやジョギングも認められる。ただ同州の新規感染者数は前日よりは減ったものの16日も5,512人にのぼっており、依然高い水準にある。

サブリ副首相は前日、クアラルンプール(KL)の9カ所の居住地区に対し16日いっぱいでEMCO指定を解除すると発表しており、セランゴール州の扱いに注目が集まっていた。KLのほかサバ州とパハン州の一部の地区も16日いっぱいでEMCO指定解除されることも発表された。

一方でサバ、ペラ、マラッカ州の一部については、EMCO指定が30日まで延長される。

またサブリ副首相は、パソコン販売及び修理、通信機器販売店、文房具、書店は16日から営業を再開できると発表した。6月1日に発令された完全ロックダウン(FMCO)では、パソコンや情報通信機器の販売・修理については必需品とみなされず営業が禁止されていたが、オンライン学習などのニーズが高まっていることから消費者から営業再開を求める声が上がっていた。

デルタ株による感染拡大で陽性反応者、急増の可能性

【ジョージタウン】 マレーシア科学大学(USM)のウイルス学者、クミター・テバ・ダス氏は新型コロナウイルスについて、感染力の高いデルタ変異株による感染が増加しているため陽性反応者数は2週間以内に、現在の2倍近い1日2万人近くになる可能性があると語った。
クミター氏によれば、変異株は一般に毒性が弱まるが、感染力は高まる。医療システムが感染者の増加に対応できなくなれば、コロナウイルス感染者の死亡数は増加するという。
PCR検査で陽性反応が出た国民の数は1日1万1,000人余り。今後、1日1.14倍の割合で陽性反応者が増える可能性があるという。
ほかの国の統計でもデルタ変異株の感染力の高さは確認されており、64カ国のデータによれば、デルタ株は97%の確率で他人に感染する可能性があるという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月14日)

第2フェーズへ移行した州の第1フェーズ再指定はなし

【プトラジャヤ】 国家復興計画(NRP)調整担当大臣を兼任するザフルル・アブドル・アジズ財務相は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染対策に成功して第2フェーズに移行した州について、その後に条件を維持できなかった場合でも第1フェーズに再指定されることはないと言明した。
ザフルル財務相によると、州が第2フェーズに移行した後に州内の特定の地域で新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大が起きた場合、州全体ではなく発生した地域のみに強化行動制限令(EMCO)が発令されるという。
現時点で▽ペルリス州▽ペラ州▽パハン州▽クランタン州▽トレンガヌ州▽ペナン州▽サバ州▽サラワク州ーーの8つの州がNRP第2フェーズに移行している。
(ベルナマ通信、7月14日)

2回のワクチン接種完了者への移動規制緩和を検討=首相

【プトラジャヤ】 ムヒディン•ヤシン首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの2回の接種を終えた個人を対象に、ワクチンの接種の有無に関係なく居住地の状況によって一律に定められている行動規制を緩和する方向で検討していることを明らかにした。

女性家族共同体開発省が主催する貧困家庭向けの食糧支援プログラムの準備状況を視察したムヒディン首相は、ワクチン接種完了者に対する規制緩和は徐々に通常の生活に戻すという国家復興計画(NRP)の一環だと強調。旅行やショッピング、飲食店における店内飲食などを認める方向で、すでにワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)に検討を指示したことを明らかにした。

2回のワクチン接種を完了した個人を対象にした行動規制の緩和は、ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相が6月21日に言及していた。

カイリー氏によると、他国で行なわれている手順なども参考にして、国家ワクチン接種プログラム(NIP)技術作業委員会が検討を始めている。専門家によって構成される作業委員会の検討結果は最終的に国家安全委員会(NSC)に提出され、最終的に実施の可否が決定されるという。

(ザ・スター、マレー・メイル、7月15日)

8月初旬にも全国で第2フェーズ移行の可能性=サブリ副首相

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ副首相(兼国防相)は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が加速すれば、国家復興計画(NRP)第1フェーズにある州・地域も8月初旬までにすべて第2フェーズに移行できる可能性があると述べた。
感染対策が進み、すでに第2フェーズに移行しているのは▽ペルリス▽ペラ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン▽ペナン▽サバ▽サラワク——の8州のみで、セランゴール州やクアラルンプール(KL)は第1フェーズに置かれている。
サブリ副首相は、第2フェーズに移行するための3つの指針のうち、ワクチン接種率についてはすでに総人口の10%を突破してクリアしており、集団免疫を獲得するために順調に進んでいると強調。8月初旬までに国全体が第2フェーズに移行できる可能性があると述べた。
全国のワクチン接種回数は延べ1,200万回を突破しており、約830万人が1回目、380万人が2回目の接種を終えている。
ただ3つの指針のうち、残る新規感染者数を抑えることと集中治療室(ICU)病床使用率を中程度に下げることについては、現時点ではどちらも高水準で推移しており、達成に時間がかかる状況だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、7月14日)

新型コロナの新規感染者数は1万3215人、3日連続で最多更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は15日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が1万3,215人となったと発表した。3日連続で過去最多を更新した。アクティブ感染者数は10万8,369人で、累計感染者数は88万782人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,120人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(1,603人)▽クアラルンプール(KL、1,499人)▽ケダ州(695人)▽ジョホール州(599人)▽ペナン州(509人)▽マラッカ州(484人)▽サバ州(370人)▽サラワク州(363人)▽ペラ州(344人)▽クランタン州(255人)▽パハン州(222人)▽トレンガヌ州(70人)▽プトラジャヤ(53人)▽ラブアン(26人)▽ペルリス州(3人)ーーが続いた。新たに6,095人が回復し、累計治癒者は76万5,800人となった。死者数は110人増えて、累計で6,613人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は14日、26カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で15カ所、コミュニティで7カ所、医療機関で4カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州で6カ所、KLで4カ所、ジョホール州とサラワク州、マラッカ州、ケダ州でそれぞれ3カ所、トレンガヌ州で2カ所、サバ州、クランタン州でそれぞれ1カ所発生した。