必需品以外の貨物の積み下ろし、EMCO地域の港湾で特別に許可

【プトラジャヤ】 国家安全委員会(MKN)は、強化行動制限令(EMCO)を施行している地域の港湾において、必需品以外の貨物の上げ下ろしを15日から17日まで特別に許可することを決定した。ほかの港湾で混雑が発生しているためだ。
ウィー・カション運輸相によると、標準的運用手順(SOP)に基づき貨物の上げ下ろしは引き続き月曜、水曜、金曜も認められる。ウィー氏は「滞貨予防になる。クラン港のような貨物取扱量が多い港湾では効率的荷役業務の維持が重要だ」と語った。
輸出入業者、倉庫業者は積み下ろしに際し、港湾に至る道路を通過するための許可を警察から取得しなければならない。この際、輸出入を証明する書類として、送り状、船荷証券および作業に携わる労働者の氏名リストを携行しなければならない。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、7月15日)

クアラルンプール、8月に集団免疫獲得の見込み

【クアラルンプール】 アヌアル・ムサ連邦直轄地相は、クアラルンプール(KL)住民の約80%が新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの2回接種を完了していることから、早ければ来月にもKLが集団免疫を獲得することが可能だと述べた
同氏は、6月時点で「KLでは8月までの集団免疫獲得が可能」という発言を行なっていたが、それが達成される見通し。今は、貧しい人々やホームレスなど、取り残されている人々にワクチンを接種する時だと述べた。16日に連邦直轄地の議員らと会議を行ない、集団免疫を獲得した後の活動再開計画について議論する。

ワクチン接種率向上のための他の取り組みとして政府は、セランゴール州、クアラルンプール、セレンバンでの産業部門PPVの24時間運用や首都圏での民間医療機関によるワクチン接種を進めている。現在、首都圏では約700人の開業医がワクチン接種に参加しているが、セランゴール州で2,229カ所、クアラルンプールで1,254カ所の民間医療機関がワクチン接種できるようにする。

(ベルナマ通信、7月15日)

JACTIM、マレーシア保健省にワクチン保冷設備を寄贈

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は16日、マレーシア保健省にワクチン保冷用運搬ボックス50台と保管用冷蔵庫10台を寄贈したと明らかにした。
寄贈するのはパナソニック製の保冷用運搬ボックス50台(52万5,000リンギ相当)とPHC製の保管用冷蔵庫10台(26万9,250リンギ相当)。いずれも日本製で、ワクチン接種センター(PPV)で使用される。
同日には保健省にて贈呈式が行われ、JACTIMの児島大司会頭、在マレーシア日本大使館の岡浩大使、マレーシア保健省のアダム・ババ大臣が出席した。アダム大臣は「大変ありがたく感じている。有効に活用したい」と感謝の意を示した。
JACTIMは声明の中で、マレーシアにおける新型コロナウイルス感染拡大の状況およびマレーシア政府からの要請を踏まえたもので、日本の技術と信頼性を活かしたワクチン保冷用運搬用ボックスや保管用冷蔵庫を寄付することで、新型コロナウイルスの感染の収縮、経済活動の再開を図りながら、日系企業としてのマレーシア社会への貢献を行うとしている。

予約なしの接種、17日より首都圏在住の60歳以上に解禁

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種の日がまだ決まっていないクアラルンプール(KL)及びセランゴール州在住の60歳以上について、17日より予約なしでの接種を受け付けると発表した。

接種を受けられる場所はワクチン接種センター(PPV)。予約なしに直接PPVに行って接種できるのはあくまで接種日が決まっている人であり、接種日がすでに決まっている人については接種日に行くよう求めている。また居住者であることを証明する書類・証明書類がない場合でも、8月1日以降であれば予約なしで接種が受けられる。

ワクチン調整担当大臣を兼任するカイリー氏は、首都圏でワクチン接種のスピードアップを図っているとし、KL及びセランゴール州在住の18歳以上については8月1日までに少なくとも1回の接種を行なうことになると言明した。

カイリー氏によると、KL及びセランゴール州の人口は610万人と見積もられているが7月15日時点で350万人がすでに1回目の接種を受けており、25日までにさらに130万人が接種を受ける見通し。残りの130万人については7月26日から8月1日までに1回目の接種を受けることになる見込みだという。

新型コロナの新規感染者数は1万2541人、セランゴールが最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は16日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が1万2,541人となったと発表した。アクティブ感染者数は11万4,053人で、累計感染者数は89万3,323人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く5,512人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(1,619人)▽クアラルンプール(KL、1,542人)▽ジョホール州(609人)▽マラッカ州(575人)▽ケダ州(458人)▽サラワク州(423人)▽パハン州(382人)▽ペナン州(376人)▽サバ州(326人)▽ペラ州(299人)▽クランタン州(225人)▽トレンガヌ州(102人)▽プトラジャヤ(62人)▽ラブアン(24人)▽ペルリス州(7人)ーーが続いた。新たに6,742人が回復し、累計治癒者は77万2,542人となった。死者数は115人増えて、累計で6,728人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は15日、26カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で14カ所、コミュニティで6カ所、拘留所で3カ所、教育機関で2カ所、医療センターで1カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州とジョホール州でそれぞれ7カ所、KLで5カ所、クランタン州、マラッカ州でそれぞれ2カ所、ネグリ・センビラン州、サバ州、サラワク州でそれぞれ1カ所発生した。

セランゴール州の強化制限令も16日で解除、KLなどに続き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ副首相(兼国防相)は16日、セランゴール州の34の準地区で7月3日より敷かれていた強化行動制限令(EMCO)を同日いっぱいで解除すると発表した。

保健省が行なった新型コロナウイルス「Covid-19」感染状況評価に基づき、国家安全委員会(NSC)特別会議で決定した。これまで禁止されていた半径10キロメートルを超える必需品購入のための外出も認められる。単独でのエクササイズやジョギングも認められる。ただ同州の新規感染者数は前日よりは減ったものの16日も5,512人にのぼっており、依然高い水準にある。

サブリ副首相は前日、クアラルンプール(KL)の9カ所の居住地区に対し16日いっぱいでEMCO指定を解除すると発表しており、セランゴール州の扱いに注目が集まっていた。KLのほかサバ州とパハン州の一部の地区も16日いっぱいでEMCO指定解除されることも発表された。

一方でサバ、ペラ、マラッカ州の一部については、EMCO指定が30日まで延長される。

またサブリ副首相は、パソコン販売及び修理、通信機器販売店、文房具、書店は16日から営業を再開できると発表した。6月1日に発令された完全ロックダウン(FMCO)では、パソコンや情報通信機器の販売・修理については必需品とみなされず営業が禁止されていたが、オンライン学習などのニーズが高まっていることから消費者から営業再開を求める声が上がっていた。

デルタ株による感染拡大で陽性反応者、急増の可能性

【ジョージタウン】 マレーシア科学大学(USM)のウイルス学者、クミター・テバ・ダス氏は新型コロナウイルスについて、感染力の高いデルタ変異株による感染が増加しているため陽性反応者数は2週間以内に、現在の2倍近い1日2万人近くになる可能性があると語った。
クミター氏によれば、変異株は一般に毒性が弱まるが、感染力は高まる。医療システムが感染者の増加に対応できなくなれば、コロナウイルス感染者の死亡数は増加するという。
PCR検査で陽性反応が出た国民の数は1日1万1,000人余り。今後、1日1.14倍の割合で陽性反応者が増える可能性があるという。
ほかの国の統計でもデルタ変異株の感染力の高さは確認されており、64カ国のデータによれば、デルタ株は97%の確率で他人に感染する可能性があるという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月14日)

第2フェーズへ移行した州の第1フェーズ再指定はなし

【プトラジャヤ】 国家復興計画(NRP)調整担当大臣を兼任するザフルル・アブドル・アジズ財務相は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染対策に成功して第2フェーズに移行した州について、その後に条件を維持できなかった場合でも第1フェーズに再指定されることはないと言明した。
ザフルル財務相によると、州が第2フェーズに移行した後に州内の特定の地域で新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大が起きた場合、州全体ではなく発生した地域のみに強化行動制限令(EMCO)が発令されるという。
現時点で▽ペルリス州▽ペラ州▽パハン州▽クランタン州▽トレンガヌ州▽ペナン州▽サバ州▽サラワク州ーーの8つの州がNRP第2フェーズに移行している。
(ベルナマ通信、7月14日)

2回のワクチン接種完了者への移動規制緩和を検討=首相

【プトラジャヤ】 ムヒディン•ヤシン首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの2回の接種を終えた個人を対象に、ワクチンの接種の有無に関係なく居住地の状況によって一律に定められている行動規制を緩和する方向で検討していることを明らかにした。

女性家族共同体開発省が主催する貧困家庭向けの食糧支援プログラムの準備状況を視察したムヒディン首相は、ワクチン接種完了者に対する規制緩和は徐々に通常の生活に戻すという国家復興計画(NRP)の一環だと強調。旅行やショッピング、飲食店における店内飲食などを認める方向で、すでにワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)に検討を指示したことを明らかにした。

2回のワクチン接種を完了した個人を対象にした行動規制の緩和は、ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相が6月21日に言及していた。

カイリー氏によると、他国で行なわれている手順なども参考にして、国家ワクチン接種プログラム(NIP)技術作業委員会が検討を始めている。専門家によって構成される作業委員会の検討結果は最終的に国家安全委員会(NSC)に提出され、最終的に実施の可否が決定されるという。

(ザ・スター、マレー・メイル、7月15日)

8月初旬にも全国で第2フェーズ移行の可能性=サブリ副首相

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ副首相(兼国防相)は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が加速すれば、国家復興計画(NRP)第1フェーズにある州・地域も8月初旬までにすべて第2フェーズに移行できる可能性があると述べた。
感染対策が進み、すでに第2フェーズに移行しているのは▽ペルリス▽ペラ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン▽ペナン▽サバ▽サラワク——の8州のみで、セランゴール州やクアラルンプール(KL)は第1フェーズに置かれている。
サブリ副首相は、第2フェーズに移行するための3つの指針のうち、ワクチン接種率についてはすでに総人口の10%を突破してクリアしており、集団免疫を獲得するために順調に進んでいると強調。8月初旬までに国全体が第2フェーズに移行できる可能性があると述べた。
全国のワクチン接種回数は延べ1,200万回を突破しており、約830万人が1回目、380万人が2回目の接種を終えている。
ただ3つの指針のうち、残る新規感染者数を抑えることと集中治療室(ICU)病床使用率を中程度に下げることについては、現時点ではどちらも高水準で推移しており、達成に時間がかかる状況だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、7月14日)