サラワク州でも規制緩和、第2フェーズに移行

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ副首相(兼国防相)は、国家復興計画(NRP)第1フェーズに指定されていたサラワク州が14日付けで第2フェーズに移行すると発表した。
▽人口10万人当たりの新規感染者数12人以下▽ICU稼働率を中程度に下げるなど公共衛生システムの危機的状況から脱すること▽総人口の10%のワクチン接種完了——の3つの基準を満たしたと判断した。第2フェーズに移行するのは▽サバ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン▽ペナン▽ペラ▽ペルリス——に続いてサラワク州が8州目となる。
サブリ副首相はまた、国家安全委員会(MKN、NSC)が、ショッピングモールや大型スーパーマーケットに入居しているすべての電気通信サービス店の13日からの営業再開を許可したと明らかにした。
一方サブリ副首相は、標準的運用手順(SOP)コンプライアンス監視部署が新たに工場、企業、建設現場など17の施設の閉鎖を命じたことを公表。また新たにパハン、サラワク、ジョホール、サバ各州の一部で強化行動制限令(EMCO)を14日付けで発令すると明らかにした。期限は7月27日まで。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、7月12日)

自動車整備工場、ロックダウンで瀕死の状態

【ペタリンジャヤ】 国内の自動車整備工場は、完全ロックダウンの状況下でバッテリーやタイヤの交換などの小規模な修理は認められているが、それだけでは経済的に成り立たず、続々と閉鎖している。マレーシア自動車整備工場連盟が懸念を表明した。
同団体によると、サービスを必要としている顧客のために、営業を続けようとした整備工場もあったが、収入が乏しい上に、省庁や警察など別々の機関が頻繁に標準的運用手順(SOP)を順守しているかどうかの立ち入り検査を行い、些細な欠陥で召喚状を発行し続けるため、閉鎖を決意したという。
同連盟のコー・コン・シア会長は、毎日何十万台もの自動車が走っていることから故障や事故はどうしても発生するため、自動車整備サービスが必要不可欠であるのに、整備工場の閉鎖が続いていることにより、事故後の修理が遅れていると述べた。国内には約10万の自動車工場があり、数十万人の従業員が働いているが、閉鎖によりその雇用も失われるという。
同氏は、国家安全保障委員会(MKN)と通産省(MITI)に対し、ロックダウン下での営業について、条件を見直すよう求めた。現在の規則では、自動車整備工場は規定の人数と営業時間内で小規模修理のみ可能とされているが、タイヤやバッテリーの交換のためだけに営業している状態だと、給料や光熱費などの支出が収入を上回り、経営者にとって大きな損失になるという。特にペナンやクアラルンプールの大きな店舗では、月に2万リンギ以上の家賃を支払っているところもあり、経済的に成り立たない。多くの小規模整備工場は、社会保障機構(SOCSO)からの賃金補助があっても、従業員に給料を支払うのに苦労している。
同連盟は、厳格なSOPに従った上で、一部の小規模修理だけではなく、完全な営業ができるように政府に訴えているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月9日)

新型コロナとの戦い、首都圏が焦点に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大を抑制するための戦いは激化しており、人口密度が高く、移動活動が活発な首都圏クランバレーが現在、激戦地になっている。
首都圏では、この2週間、ウイルス拡散を抑制するための厳しい管理体制が敷かれている。検査を強化することで、感染地域を特定し、感染拡大を防ぐ。国内の基本再生産数(R0)が11日、1.13に上昇したが、その中でもクアラルンプール(1.18)、セランゴール州(1.17)と高い数値になっているのは、検査強化によるものだという。
すでに国家復興計画(NRP)の第2フェーズに入った州の医療従事者が、セランゴール州やクアラルンプールのホットスポットに常駐し、首都圏の医療従事者を支援する。ワクチン接種については、セランゴール州は人口が多く、接種数自体は多くても人口比ではまだ低い状態であるため、接種数を増やしていく。
首都圏では、集中治療室(ICU)がキャパシティの上限を超えていることも問題となっている。重症患者であるカテゴリー4と5の患者が回復に長い期間を要していることが原因だという。カテゴリー4では平均治療期間は14-16日、カテゴリー5では19-26日。カテゴリー4は酸素吸入が必要なレベルで、カテゴリー5は人工呼吸器を装着する必要がある。
同氏は、ベータ変異株(南アフリカ株、B.1.351)がほぼすべての州で検出され、すでにコミュニティで広がっていることにも警鐘を鳴らした。ベータ変異株には、既感染者への再感染やワクチンの有効性低下といったリスクがある。変異株の広がりを阻止するため、国境での水際作戦の強化を訴えた。
保健省は、1日あたり30万から40万回分のワクチン接種が可能な体制になったことで、9月から10月初旬までに国民の70%から80%がワクチン接種を受けることになると予測している。国民の50%がワクチンを接種した時点で、ワクチン接種活動の成果が明らかになるという。

各国商工団体、マレーシア政府にコロナ対策で陳情

【クアラルンプール】 完全ロックダウンに続いて首都圏の大部分で強化行動制限令(EMCO)を発令して新型コロナウイルス「Covid-19」抑え込みを図るマレーシア政府に対し、各国の商工団体が相次いで陳情を行なっている。

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)と日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は連名で6日、▽セランゴール州におけるすべての産業において10%の稼動の容認▽セランゴール州における企業ベースでのワクチン接種推進▽自動車&鉄鋼セクターの操業再開▽サプライチェーン及び製造業関連サービスの操業再開——の4項目からなる要望書を提出した。

マレーシア・ドイツ商工会議所(AHK)は8日付けで、実例を挙げながら▽標準的運用手順(SOP)の適用に関する混乱の解消▽サプライチェーンの停滞問題▽駐在員と家族の安全確保——を要望。具体的に▽SOPの明確化と一貫した執行基準▽製造施設や従業員宿舎における管理強化▽サプライチェーン混乱回避に向けた操業再開許可▽ワクチン接種プログラム推進▽パスステッカー待ちの外国人及び家族の地位保全——などを要望した。

マレーシア・オランダ・ビジネス評議会(MDBC)は10日付けで、ジョホール州政府に対し同州で操業する4社の実名を挙げてそれぞれが置かれている問題の解決を要請した。

(マレーシア・センチネル、7月11日)

再び非必需品販売の禁止、百貨店が対応に右往左往

【クアラルンプール】 国家復興計画(NRP)第1フェーズにおけるデパートやショッピングセンターの営業の可否について当局の判断が二転三転しており、現場で混乱が生じている。
国家安全委員会(NSC)が5日に発表した標準的運用手順(SOP)では、必需品のみの販売を認めるとされていたが、6日のSOPではこの項目が削除された。これを受けて伊勢丹やSOGOは9日から食品・飲料、ヘルスケア・医薬品以外の衣料品、化粧品、装飾品、子供用玩具などの販売フロアも再開したが、9日に新たに発表されたSOPでは再び必需品のみの販売に限定するとの内容が盛り込まれた。
これを受けて伊勢丹は11日、フェイスブック上で同日より営業時間を変更すると発表。KLCC店の食料品フロア、ワンウタマ店のレストラン街、ロット10店・ジャパンストアの食料品フロア及び眼鏡店、「ウェルネス」薬局のみの営業とし、その他は営業を休止するとした。
また同じくSOGOは、同じくフェイスブック上で11日より全店舗を再び休業すると発表した。
先ごろショッピングモールや小売店の再開を政府に陳情した複数の小売業界団体は、大量閉店を受けてすでに30万人が解雇されていると主張。ロックダウンが長引けばさらなる大量閉店が起きかけないと警告している。
(マレー・メイル、7月11日)

新型コロナの新規感染者数は8574人、4日ぶりに8千人台に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は12日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が8,574人となったと発表した。4日ぶりに8千人台となった。アクティブ感染者数は9万1,272人で、累計感染者数は84万4,870人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く4,308人だった。それに▽ネグリ・センビラン州(794人)▽クアラルンプール(KL、609人)▽ケダ州(415人)▽マラッカ州(411人)▽ジョホール州(407人)▽パハン州(314人)▽サバ州(298人)▽サラワク州(235人)▽ペナン州(231人)▽ペラ州(168人)▽トレンガヌ州(140人)▽クランタン州(133人)▽ラブアン(66人)▽プトラジャヤ(45人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに5,041人が回復し、累計治癒者は74万7,338人となった。死者数は102人増えて、累計で6,260人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は11日、19カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で13カ所、コミュニティで5カ所、リハビリ施設で1カ所のクラスターが発生した。
州別では、KLで6カ所、ジョホール州で4カ所、セランゴール州で3カ所、クランタン州、ペラ州でそれぞれ2カ所、サバ州、ペナン州でそれぞれ1カ所発生した。

サバ州でも規制緩和、10日付けで第2フェーズに移行

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 サバ州が7月10日付けで、より規制が緩い国家復興計画(NRP)の第2フェーズに移行する。イスマイル・サブリ・ヤアコブ副首相が明らかにした。
サバ州が完全ロックダウン状態である第1フェーズから第2フェーズに移行するための3つの基準をすべて満たしたことから、国家安全委員会(NSC)が移行に同意した。州単位で第2フェーズへの移行が承認されたのは▽ペルリス▽ペラ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン▽ペナン——に続いて7州目。
第2フェーズへの移行の基準は、▽1日の新規感染者数が人口10万人あたり12人以下▽ICU稼働率を中程度に下げるなど公共衛生システムの危機的状況から脱すること▽総人口の10%のワクチン接種完了——となっている。
一方、ネグリ・センビラン州セレンバンは強化行動制限令(EMCO)に指定された。期間は7月9日から7月22日まで。

セランゴールとKLでの感染者急増は検査数増加のため=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は8日、セランゴール州とクアラルンプール(KL)において新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が急増したことについて、強化行動制限令(EMCO)指定地区で検査数を増加したためだと説明した。
EMCO地区の住人、特に感染すると重症化のリスクの高い人々を優先した検査を進めると同時に、感染者を早期に発見するため、濃厚接触者の割り出しにも力を入れた。それらの対策により、感染者を即座に隔離することができるため、感染拡大を防ぐことができるという。
7月1ー7日までのセランゴール州の感染者数は全体の42.02%を占めた。前の週は38.33%だった。KLも12.29%から13.01%に拡大した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す「基本再生産数(R0)」は1.07で、プトラジャヤが1.22と最も高い。
政府は新規感染者の急増に対応するため、民間の病院や研究所にも協力を要請。全国で72カ所の民間病院でも患者の受け入れを行っている。
(エッジ、7月8日)

接種会場への配車サービス利用、セランゴール州が割引制度

【クアラルンプール】 セランゴール州の住民は、州内40カ所のワクチン接種センター(PPV)への往復時に配車サービス「グラブ・カー(Grab Car)」を利用すると、20リンギ相当の割引を利用することができる。事前申請制で9月30日まで。

セランゴール州政府は、これまでは50歳以上に限定して割引クーポンを発行していたが、7月から州内のワクチン接種対象者全員に範囲を広げたと発表した

1人あたり片道10リンギ、往復20リンギの割引が適用される。事前申請が必要で、申請はプラットフォーム・セランゴール(PLATS)のウェブサイト(https://rebatpengangkutangrabvaksin.borangmbiselangor.com/)から行う。割引クーポンはグラブアプリ上から受け取れる。

この取り組みは、ワクチン接種時の交通費負担を軽減することを目的としており、100万リンギの予算が組まれている。州全体で約5万人が対象となる。(ポールタン、7月8日)

 

新型コロナの新規感染者数は9180人、過去最多に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が9,180人となったと発表した。5月29日ぶりに9千人を上回り、過去最多となった。アクティブ感染者数は8万665人で、累計感染者数は81万7,838人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く4,400人だった。それに▽クアラルンプール(KL、1,271人)▽ネグリ・センビラン州(899人)▽ケダ州(417人)▽サラワク州(406人)▽サバ州(323人)▽ジョホール州(315人)▽ペラ州(241人)▽マラッカ州(222人)▽パハン州(214人)▽クランタン州(151人)▽ペナン州(142人)▽トレンガヌ州(82人)▽ラブアン(80人)▽プトラジャヤ(16人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに5,713人が回復し、累計治癒者は73万1,193人となった。死者数は77人増えて、累計で5,980人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は8日、29カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で19カ所、コミュニティで8カ所、高齢者施設と教育機関でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
州別では、KLで5カ所、セランゴール州、ジョホール州でそれぞれ4カ所、クランタン州、ネグリ・センビラン州でそれぞれ3カ所、パハン州、ペラ州、サバ州でそれぞれ2カ所、ケダ州、サラワク州、ラブアン、プトラジャヤでそれぞれ1カ所発生した。