5G通信網の運用、年内にKLなどで開始

【クアラルンプール】スウェーデン系エリクソンによる基盤整備が最近決まった5G(第5世代移動通信)ネットワークの運用は、年内にクアラルンプール、プトラジャヤ、サイバージャヤで開始の予定だ。5G基盤を建設・所有・運営する国営デジタル・ナショナル(DNB)がマレーシアン・リザーブの取材に答えた。
22年末までにセランゴール、ペナン、ジョホール、サバ、サラワク各州の主要5都市・地域においてネットワークを整備し、23年からはほかの17都市で整備し、順次地方に広げる。
5Gサービスの実証試験は19年に通信6社が参加しランカウイ島で行われ、農業、医療、教育、娯楽、都市機能、運輸、観光の各領域で37件の利用法で成果があったという。
5Gネットワークは20年に建設開始の予定だったが、政府が周波数帯割当の決定を覆したため1年間遅れた。
DNBは財務省傘下の特別目的事業体。卸業者として周波数帯を通信事業者に販売する。
(マレーシアン・リザーブ、7月7日)

MRTプトラジャヤ線第1期、3カ月遅れで11月に開業

【クアラルンプール】 首都圏大量高速輸送(MRT)プトラジャヤ線(MRT2、旧称スンガイブロー—セルダン・プトラジャヤ線、全36駅)の第1期について、営業運転を11月に開始する。プロジェクトの推進母体であるMRTコープが7月7日、発表した。
当初は営業運転開始は8月を予定していたが、行動制限令(MCOおよびEMCO)の影響を受け、試運転期間が延長されたことで約3カ月の遅れとなった。MRTプトラジャヤ線全体の工事は順調に進んでおり、進捗率は90%を超えている。プトラジャヤ線第1期(クワサ・ダマンサラ—カンポン・バトゥ間、全長17.5キロメートル)の進捗率は99%。この区間では4月29日から試運転が行われている。
第2期(カンポン・バトゥ—プトラジャヤ・セントラル間)については、2023年1月に運行を開始する予定で、それにより、総長57.7キロメートルの全線が開通する。
(ポールタン、7月7日)

新型コロナ不活化ワクチン、10月にも民間病院に供給=ヨンタイ

【クアラルンプール】 医療業界に参入した不動産開発のヨン・タイは7日、中国のバイオテクノロジー会社、深セン康泰生物製品(SZKT)が開発した新型コロナウイルス「Covid-19」の不活化ワクチンについて、民間病院への供給が9月もしくは10月になる予定だと明らかにした。
ヨン・タイはSZKTより、年間1,000万回分のワクチンの供給を受けることで契約を交わしており、オプションで1,000万回分の追加供給を受けることができることになっている。
現在、ワクチンの第3相臨床試験を実施しており、国家医薬品規制庁(NPRA)に承認を申請中だ。順調に進んだ場合、9月もしくは10月には承認が下りるという。
またヨン・タイはマレーシアにおいて、ワクチンの研究・開発センターと生産工場を設立する計画だ。マレーシア政府が、マレーシアをバイオテクノロジーの拠点とする目標を掲げていることや、今後も新型コロナウイルス感染症の脅威が続きワクチンの需要が高い状態が長期的に続くことが予想されていることから設立するという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、7月7日)

新型コロナの新規感染者数は8868人、2カ月ぶりに8千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が8,868人となったと発表した。2カ月ぶりに8千人を上回った。アクティブ感染者数は7万7,275人で、累計感染者数は80万8,658人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く4,152人だった。それに▽クアラルンプール(KL、1,133人)▽ネグリ・センビラン州(897人)▽ペラ州(543人)▽ケダ州(360人)▽ジョホール州(336人)▽サラワク州(281人)▽サバ州(279人)▽ペナン州(237人)▽マラッカ州(183人)▽パハン州(152人)▽クランタン州(135人)▽トレンガヌ州(68人)▽ラブアン(64人)▽プトラジャヤ(47人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに5,802人が回復し、累計治癒者は72万5,480人となった。死者数は135人増えて、累計で5,903人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は7日、18カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
コミュニティで9カ所、職場で6カ所、高齢者施設で2カ所、教育機関で1カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州で4カ所、ジョホール州で3カ所、サラワク州、ネグリ・センビラン州、サバ州、マラッカ州でそれぞれ2カ所、KL、ペラ州、クランタン州でそれぞれ1カ所発生した。

キャパシティ超えで医療崩壊の恐れも=保健相

【クアラルンプール】 保健省が本日発表したデータによると、▽クアラルンプール(KL)▽セランゴール州▽ネグリ・センビラン州▽ラブアンーーの病院で、新型コロナウイルス「Covid-19」病床の利用率がキャパシティを超えている。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、これら4地域では、10万人あたり1日平均37人以上の新規感染者が発生しており、過去1週間で平均2.6%増加しているという。この状況が続けば、地域の医療システムが崩壊するだけではなく、全国で同様の状況に陥る恐れもあるという懸念を示した。
現状、1日あたりの新規感染者数は平均6,539人となっており、国家復興計画(NRP)第1フェーズを脱するための条件である1日4千人には程遠い。この1日4千人という目標は、コロナ患者への病院の対応力、入院率、退院率に基づいて設定されている。
人口10万人あたり12.2件という基準値を超える新規感染者数を記録した地域は▽ラブアン▽ネグリ・センビラン州▽KL▽セランゴール州▽マラッカ州▽プトラジャヤ▽サラワク州▽パハン州ーーとなっている。
また、コロナ患者の集中治療室(ICU)への入院傾向は依然として高いレベルにある。ICU占有率は依然として90%を超えており、現場の医療従事者が長期にわたって多数のコロナ患者への対応を続ける必要があることから「燃え尽き症候群」に陥っているという。
保健省は、首都圏クランバレーの公立病院をコロナ対応にすることや、病床数の増加、コロナ以外の患者の私立病院への委託、他の州の医療従事者の首都圏への再配置、ワクチン接種の強化など、病床不足への対応を続けている。
7月7日のICU入院患者数は948人で、これまでで最多となっている。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、7月7日)

”白旗キャンペーン”が各地で拡大、支援の遅れを反映

新型コロナウイルス「Covid-19」の影響が長期化し、職を失うなどして生活に困窮する人々が増加している中、助けを必要としている人がそれとなく隣人に気付いてもらうようにするために門や玄関に白旗を掲げることを奨励する「白旗キャンペーン」が各地で広がりをみせている。

「白旗キャンペーン」は6月28日にフェイスブック上にグループが立ち上げられ、1日で2,000人以上が参加した。支援を求めている人に対しては「物乞いをしたり、恥ずかしい思いをする必要はありません。ただ白旗を掲げるだけです」と呼び掛けている。

従来型の食糧配給のような政治的・宗教的、組織的なアピール目的の支援でなく、民族や宗教の枠を越えて個人が自分の出来る範囲で困っている隣人を支援しようという点がユニークで、多くの有名人なども賛意を示している。

政府は昨年3月のパンデミック拡大以来、これまでに8回にわたる支援策を発表。特に貧困層を意識して一時金や食糧の直接支援などが盛り込まれたが、支援は遅れがちだ。保健省には今年1月以降に12万2千件ものメンタル相談が寄せられた。1—3月の自殺者数は336件に達している。

政府の支援がアテにできない中、国民同士で助け合おうということで始まった善意のキャンペーンだが、頭越しでこうしたことが行なわれることが自分たちが無能だと言われていると感じたのか、不快感を表明する政治家、宗教指導者などは少なからず出ている。

与党連合・国民同盟(PN)構成党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)幹部からは「敗北を認めるもの」とキャンペーンを批判、代わりにアッラーに祈るよう求める発言が出た。

これはさすがに弱者の気持ちが分からない、空気が読めない発言であり、早速「政府の非効率性と失敗を隠蔽するために祈りとか宗教を持ち出すな」、「あなたが支援するというのなら支援しろ。しないのなら黙っていろ」などと批判が殺到した。

PAS所属のケダ州のムハンマド・サヌシ首相は、政策の失敗を強調するためのに行なわれている政治的宣伝だと主張キャンペーンに参加して白旗を掲げている人には公的支援を行なわないと言い放った。同氏の発言には批判の声が殺到しており、マハティール•モハマド前首相までも批判に加わっている。

またキャンペーンに賛同する意向を示した与党政治家も批判の的になっている。キャンペーンを指示する発言を行なったズライダ・カマルディン住宅地方自治相には「あなたがきちんと仕事をしていればこんなキャンペーンは必要なかった」、「それなのに臆面もなくキャンペーンに便乗しているのは恥ずべき」といった批判の声が上がっている。

政治的圧力なのか、地域によっては住民が白旗を掲げることを警察が取り締まる騒ぎまで起きている。

(マレーシアBIZナビ編集部)

1日の接種回数が30万回突破、1回目接種率は20%超に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は、5日の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種回数が31万3,761回に達し、1日当たりの接種回数目標の30万回を突破したと発表。ワクチン接種プログラムが順調に進んでいると強調した。
7月中の接種目標30万回は6月15日に発表された国家復興計画(NRP)に盛り込まれたもので、8月の目標は40万回となっている。1日の接種回数は6日にはさらに34万43回に増加した。
7月5日までにワクチン接種の1回目を終えた人は658万5,002人、2回目を終えた人は273万5,474人に達した。総人口3,272万人のうち20.14%が1回目、8.37%が2回目の接種をそれぞれ終えた計算になる。
1回目に接種を受けた人数は州別ではサラワク州が123万人と最も多く、これにクアラルンプール(KL)が119万人、セランゴール州が114万人で続いた。2回目の接種を終えた人数はセランゴール州が36万7,895人と最も多く、これにサラワク州が32万6,285人、ジョホール州が29万8人で続いた。

サブリ上級相が副首相に昇格、ヒシャムディン外相は上級相に

サブリ上級相が副首相に昇格、ヒシャムディン外相は上級相に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首相府は7日、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)を副首相に任命すると発表した。副首相ポストは、2020年3月にマハティール•モハマド前首相率いる希望同盟(PH)政権が崩壊して以降、空席となっていた。

ムヒディン•ヤシン首相の補佐役として新型コロナウイルス「Covid-19」禍における保健・経済政策の指揮をとる。現在の国防職はそのまま兼任する。人事案はすでにアブドラ国王に提出されている。

サブリ氏は、ムヒディン首相率いる与党連合・国民同盟(PN)と協力関係にある国民戦線(BN)構成党・統一マレー国民組織(UMNO)の総裁補の1人。昨年3月のムヒディン政権発足時に、国防相に指名されると共に新設された4人からなる上級相ポストに就き、主に保安面において新型コロナ対策の陣頭指揮に当たっていた。

■ヒシャムディン外相は上級相に昇格■

首相府はまた、サブリ氏の副首相昇格を受け、ヒシャムディン・フセイン外務相が上級相に昇格すると発表した。ヒシャムディン氏はサブリ氏が担ってきた保安面の役割を引き継ぐことになる。外相職は兼任する。

ヒシャムディン氏はUMNOの元総裁補で、2018年5月の総選挙の敗北を受けてナジブ•ラザク総裁(元首相)が辞任した直後には繰り上げ人事で副総裁代行を務めていたが、同年6月の党役員選挙では出馬せず一般党員となっていた。

ただUMNO内ではいまだに隠然たる支持基盤を有しており、アハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)が汚職罪で訴追される中にあって、ポスト・ムヒディンのUMNO側の有力候補として推す声も上がっていた。

新型コロナの新規感染者数は7097人、2日連続で7千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が7,097人となったと発表した。アクティブ感染者数は7万4,344人で、累計感染者数は79万9,790人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く3,119人だった。それに▽クアラルンプール(KL、1,005人)▽ネグリ・センビラン州(788人)▽マラッカ州(358人)▽サラワク州(289人)▽パハン州(258人)▽サバ州(244人)▽ジョホール州(224人)▽ケダ州(198人)▽ペラ州(187人)▽ペナン州(140人)▽クランタン州(123人)▽ラブアン(93人)▽トレンガヌ州(43人)▽プトラジャヤ(26人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに4,863人が回復し、累計治癒者は71万9,678人となった。死者数は91人増えて、累計で5,768人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は6日、21カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で11カ所、コミュニティで9カ所、拘留所で1カ所のクラスターが発生した。
州別では、KL、クランタン州、セランゴール州、ジョホール州でそれぞれ3カ所、ペナン州、ペラ州、サラワク州でそれぞれ2カ所、ネグリ・センビラン州、パハン州、サバ州でそれぞれ1カ所発生した。

R0値が再び上昇傾向、保健省事務次官が警告

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、新型コロナウイルス「Covid-19」の基本再生産数(R0)がまた上昇傾向にあると警告した。
全国のR0値は6日時点で1カ月ぶりの高水準である1.08となり、前日の1.07から0.01ポイント上昇した。R0値は6月6日から3週連続で1.00を下回り、6月12日は0.90まで下がったが、その後上昇。6月28日から9日連続で1.00を上回った。
6日時点で9つの州及び地域が1.0を超えた。地域別ではプトラジャヤが1.25で最も高く、パハン州が1.18でこれに続いた。5日に第2フェーズに移行したばかりのパハン州のR0値は3日には1.24だったが、4日には1.17にいったん下降、5日には再び1.24に上昇していた。
パハン州以下は、▽クアラルンプール(KL、1.16)▽セランゴール州(1.12)▽ケダ州(1.11)▽マラッカ州(1.08)▽サバ州(1.04)▽ペナン州(1.03)▽ネグリ・センビラン州(1.01)——と続いた。
R0値が1.0以下だったのは、▽ペラ州(0.98)▽ジョホール州(0.96)▽トレンガヌ州(0.94)▽ラブアン(0.91)▽サラワク州(0.89)▽クランタン州(0.82)——の6州・地域。この他、ペルリス州は新規感染者数が2人のみで、R0値は公表されなかった。