ホンダマレーシア、マラッカの施設に4万リンギの必需品を提供

【クアラルンプール】 ホンダ・マレーシア(HMSB)は、新型コロナウイルス(Covid-19)感染症拡大の影響を受けた地域社会への支援を行なっている。ホンダ・マレーシア・サプライヤー・クラブ(HMSC)と協力し、マラッカの6つの慈善施設に約4万リンギ相当の必需品を提供した
7月26日と28日には、米、小麦粉、卵、食用油などの必需品および紙おむつ、洗剤、シャワージェルなどの衛生用品をマラッカの組立工場周辺にある、老人ホーム、福祉センター、孤児院などの6つの施設に配布した。必需品以外にも、大人には衣類、子どもには塗り絵や小さなおもちゃを提供している。
中条円・社長兼最高経営責任者(CEO)は、コロナ感染が拡大し、6月からの完全ロックダウンにより経済が止まっている今年は厳しい年であり、多くの人が生活を維持することすら困難になっているため、慈善施設が一般市民から支援を受けることはさらに難しくなっていると述べた。そのため、HMSBとHMSCが協力の上、高齢者、孤児、障害者、ホームレスへの支援活動を続けているという。
(ポールタン、7月29日)

第2四半期は中古住宅の売り出しが急増=プロパティーグル

【クアラルンプール】 国民の間に住宅を処分する動きが見られる。東南アジア屈指のオンライン不動産仲介業者、プロパティーグルのマレーシア不動産市場指数報告によると、第2四半期の不動産供給は前年同期比34.5%、前期比で11.9%増加した。
中古住宅の売り出しが増加したためで、カントリーマネジャーのシェルドン・フェルナンデス氏によると、パンデミックの影響で多数の国民が所得減に直面し、手持ち現金が不足した者が保有不動産を手放さざるを得なくなっている。こうした、投資不動産としての住宅を現金化しようとの動きは拡大する見通しだという。
不動産供給が特に増加したのはセランゴール州とペナン州で、前年比増加率はそれぞれ49%、40.3%だった。
新築住宅の供給は急減している。ロックダウンで建設活動がままならないためだ。国家不動産情報センター(NAPIC)によれば、第1四半期の新築住宅売り出し戸数は前期比60%減の5,919戸だった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月30日)

固定電話の番号ポータビリティ、来年末までに開始

【ペタリンジャヤ】 固定電話の契約者は、個人・企業を問わず、2022年末までに、利用中の電話番号を変更せずに別の通信事業者へ乗り換えることができるようになる。
固定電話ポータビリティ(FNP)は、2008年に導入された携帯電話番号ポータビリティ(MNP)と同様、他サービスへの乗り換えのハードルを下げる。通信業界の監督機関であるマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)がFNPに関する公開調査を行ない、通信市場の競争に好影響をもたらすとして実施を決めた。詳細については、今年第3四半期までに設立されるワーキンググループを通じて検討される。
現状、国内固定電話市場では通信大手のテレコム・マレーシア(TM)が90%近くのシェアを持っており、競争原理が働いておらず、アナログベースの基本的な電話サービスしか提供できていない。世界的にはFNPはGDP上位50カ国の75%で実施されており、中小企業のイノベーションや通信費の値下げが進んでいるという。
固定電話ビジネスに本格的に参入するには、光ファイバーネットワークなどへの追加投資が必要となり、またサービス間の価格競争も始まることになる。一方、デジタル化や次世代の革新的なサービスを展開するには、消費者の選択の自由を促進するFNPが必要という声も業界より多く上がっており、TMを除くすべての通信業者がFNP導入に賛成の声を上げている
(ザ・スター、7月30日)

緊急令無効発表に国王が異議、野党の追求で国会は大荒れ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 政府が非常事態宣言下で出された緊急令を無効にすると発表したことについて、アブドラ国王が自身の承認を得ていなかったとして遺憾の意を表明。この問題を野党が追求、国会敷地内で新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が2人出たことも重なって審議が度々中断するなど、29日の国会は大荒れの展開となった。
緊急令の無効化は26日の国会でタキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)が述べたもので、これに対し王宮側は29日に発表した声明の中で、アブドラ国王は緊急令の無効化に同意したことはないと主張。一方的な発表が国会を混乱させていると国王が遺憾の意を示していると述べた。
これを野党側が国会で取り上げ、王宮の発表通りであればムヒディン政権による独断専行でだと批判。憲政の危機であり看過できないとして、本当に国王の同意があったのかどうかタキユディン氏を追求した。タキユディン氏は週明けに回答するとして即答を避けた。
ムヒディン・ヤシン首相の責任を問う声も上がっており、野党連合・希望同盟(PH)のリーダー、アンワル・イブラヒム元副首相(人民正義党=PKR党首)は内閣不信任案を提出すると宣言。ムヒディン政権を支持してきた統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)も、ムヒディン首相とタキユディン氏の辞任を求める声明を発表した。PHに加わらず独自路線をとるマハティール・モハマド前首相(祖国戦士党=ペジュアン会長)も、ムヒディン首相に辞任を求めた。
29日は国会職員2人が感染していることが判明。国会審議が数度にわたって中断され国会議事堂がロックダウンとなり、議員や職員たちが感染検査を受けて陰性が判明するまで国会内に留め置かれる事態も起きた。

 

新型コロナの新規感染者数は1万6840人、セランゴールが最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は30日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が1万6,840人となったと発表した。アクティブ感染者数は18万3,706人で、累計感染者数は109万5,486人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,092人だった。それに▽クアラルンプール(KL、2,114人)▽ケダ州(1,281人)▽ジョホール州(1,104人)▽ネグリ・センビラン州(1,079人)▽サバ州(1,066人)▽ペラ州(810人)▽ペナン州(689人)▽クランタン州(656人)▽マラッカ州(581人)▽パハン州(540人)▽サラワク州(450人)▽トレンガヌ州(258人)▽プトラジャヤ(100人)▽ペルリス州(13人)▽ラブアン(7人)ーーが続いた。1万2,179人が新たに回復し、累計治癒者は90万2,921人となった。死者数は134人で、累計で8,859人となった。

保健省によると、29日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が49.4%で最も多かった。カテゴリー2(軽度の症状)が48.3%、カテゴリー3(肺炎の症状)が1.2%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.8%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.3%となった。
また同日確認されたクラスターは、36カ所だった。職場で18カ所、コミュニティで14カ所、残りはケアセンターや透析センター、拘留所などでクラスターが発生した。地域別ではクランタン州が9カ所と最多だった。