【ペタリンジャヤ】 固定電話の契約者は、個人・企業を問わず、2022年末までに、利用中の電話番号を変更せずに別の通信事業者へ乗り換えることができるようになる。
固定電話ポータビリティ(FNP)は、2008年に導入された携帯電話番号ポータビリティ(MNP)と同様、他サービスへの乗り換えのハードルを下げる。通信業界の監督機関であるマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)がFNPに関する公開調査を行ない、通信市場の競争に好影響をもたらすとして実施を決めた。詳細については、今年第3四半期までに設立されるワーキンググループを通じて検討される。
現状、国内固定電話市場では通信大手のテレコム・マレーシア(TM)が90%近くのシェアを持っており、競争原理が働いておらず、アナログベースの基本的な電話サービスしか提供できていない。世界的にはFNPはGDP上位50カ国の75%で実施されており、中小企業のイノベーションや通信費の値下げが進んでいるという。
固定電話ビジネスに本格的に参入するには、光ファイバーネットワークなどへの追加投資が必要となり、またサービス間の価格競争も始まることになる。一方、デジタル化や次世代の革新的なサービスを展開するには、消費者の選択の自由を促進するFNPが必要という声も業界より多く上がっており、TMを除くすべての通信業者がFNP導入に賛成の声を上げている。
(ザ・スター、7月30日)