MM2Hの申請条件変更、見直しや導入延期求める声上がる

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励する「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」プログラムの申請条件の変更が先ごろ発表されたが、条件を満たすのが難しいとして見直しを求める声が上がっている。
国際不動産連盟(FIABCI)のコー・ペンカン会長は、これまで月1万リンギだった所得証明が4万リンギに引き上げられたことなどを挙げて、満たすのは難しいと強調。外国人の退職者にとりマレーシアがリタイヤ後の居住地として魅力的なのは、低い生活費であるとし、4万リンギになったことで申請できる人が減るとし、1万ー1万5,000リンギ程度に留めるべきと述べた。また年間90日以上のマレーシア滞在の義務やマレーシアでの定期預金額を35万リンギに設定したことをなどを挙げて、投資家の関心が大幅に低下するとし、すでに一部の不動産購入の予約をキャンセルする動きが出ているとした。
またマレーシア不動産業者協会(MIEA)も準備までに時間が必要とした上で、2022年12月まで延期をするよう求めた。再度申請の受け付けを開始することは歓迎するが、実用的ではないとした。一部の条件変更には賛成するが、証明する所得が4万リンギとなったことや、マレーシアの銀行への預金額を3−6倍引き上げたことについても、引き上げ幅が大幅すぎると指摘。申請者が減り、外国人は他の国に移住することになるとして懸念を示した。
(ザ・スター、8月15日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月14日)

12ー17歳へのワクチン接種、9月中旬にもスタート

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は13日、ワクチン接種プログラム(PICK)の下で12ー17歳へのワクチン接種を開始すると発表した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官が提言したもので、ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の会合で決議された。詳細については近く公表される予定だ。
ノール氏によると、10代へのワクチン接種は9月中旬のスタートを予定している。健康上の問題を抱える12ー15歳および16、17歳が対象となる。病院や医療センター、診療所などの指定のワクチン接種センター(PPV)もしくは学校でのワクチン接種を行う。健康上の問題やアレルギーを持つ者に関しては、医師や専門家による適切なワクチンの種類やの選定や接種場所などについて、診断や評価が行われる予定だ。
(エッジ、ベルナマ通信、8月13日)

一部サービス業の営業再開を容認、電気店&理髪店など

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン ヤシン首相は15日、国家復興計画(NRP)第1フェーズ適用地域における標準的運用手順(SOP)を見直し、16日付けで現在禁止されている11のサービス関連セクターの営業再開を認めると発表した。
営業再開が認められるのは▽洗車▽電気・電子販売店▽家庭・台所用品販売店▽家具店▽スポーツ用品店▽自動車アクセサリー店▽自動車販売店▽朝市・農業市場▽衣料・装飾店▽貴金属宝飾店▽理髪店・ビューティサロン——。
また第2フェーズに分類されている地域についても、11のセクターの営業再開を認める。営業再開が認められるのは▽写真店▽中古品店▽花屋▽手工芸品・土産店▽アンティークショップ▽玩具店▽カーペット店▽クリエイティブコンテンツに関するビジネス及び機器販売▽アウトドアスポーツ店▽化粧品店▽電子たばこ店——。
いずれのフェーズにおいても、入店する顧客は新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの2回の接種を完了することが条件となっており、入店の際にデジタル接種証明書を提示する必要がある。
またレクリエーション活動についても、SOP厳守を条件に第1フェーズ指定地域については▽ジョギング▽サイクリング▽エクササイズ——といった個人スポーツを目的とした公園におけるレクリエーション活動を認める。

ムヒディン首相が辞任発表、解散&総選挙ない公算

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン•ヤシン首相が16日、内閣総辞職を発表した。辞表はアブドラ国王に提出され、直ちに承認された。ムヒディン政権は昨年3月1日の発足当初から少数与党であることに起因する不安定な政権運営を迫られていたが、与党内からの離反もあり、17カ月半の短命政権に終わった。

ムヒディン首相は午後にテレビ演説を行い、自身が下院議員の過半数の支持が得られなくなったことを認めた上で、辞表提出は連邦憲法に則ったものと説明。その上で新型コロナウイルス「Covid-19」の脅威が続く中で、政治の空白ができないよう速やかに新政権が樹立されることを望むと述べた。

王宮側もフェイスブックで国王の声明を発表。次期首相が決まるまでムヒディン首相が暫定首相となって暫定政府を率いると明らかにした。また現時点では国民の安全を考慮すると最善な選択肢ではないとし、議会解散&総選挙に否定的な考えを示した。議会解散権をもつ国王の意向だけに、現職の国会議員の中から首班が指名される公算が強まった。

後任候補としては、副首相を務めるイスマイル・サブリ・ヤアコブ(統一マレー国民組織=UMNO総裁補)や、同じくUMNO長老のテンク・ラザレイ元財務相の名前が上がっている。

マハティール•モハマド前首相の辞任により希望同盟(PH)政権が崩壊した後、ムヒディン首相率いる国民同盟(PN)及び友党は昨年3月、アブドラ国王による議員個別の聞き取りを経て下院の過半数を掌握したと認定され、新政権樹立を宣言した。

これにはPHなどが異議を唱え、早期の解散・総選挙実施を求めていたが、新型コロナ感染拡大などから国会が半年以上にわたって休会となり、ムヒディン政権の正統性議論も先送りされた。しかしコロナ対策を巡る政策への不満の高まりもあって、政権に居座るムヒディン主張への批判も徐々に拡大。PN政権を支えてきたUMNOもムヒディン内閣不支持を宣言した

国王の介入もあってムヒディン首相は信任投票を9月の次期国会で実施することに同意したが、信任投票を速やかに実施しないことに野党などが反発。窮余の策として超党派での政治協力を呼び掛けたが、これも拒絶されてついに打つ手が尽きた。

新型コロナの感染者数は1万9740人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は16日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が1万9,740人となったと発表した。アクティブ感染者数は24万9,277人で、累計感染者数は142万4,639人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く5,706人だった。それに▽サバ州(1,728人)▽ケダ州(1,592人)▽サラワク州(1,566人)▽ジョホール州(1,510人)▽クアラルンプール(KL、1,360人)▽ペナン州(1,251人)▽クランタン州(1,227人)▽マラッカ州(1,120人)▽ペラ州(938人)▽トレンガヌ州(688人)▽パハン州(646人)▽ネグリ・センビラン州(343人)▽プトラジャヤ(43人)▽ペルリス州(20人)▽ラブアン(2人)ーーが続いた。1万7,450人が新たに回復し、累計治癒者は116万2,578人となった。死者数は274人で、累計で1万2,784人だった。

保健省によると、15日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が51.5%、カテゴリー2(軽度の症状)が46.6%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.6%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.3%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が1.0%だった。
また同日は新たに29カ所のクラスターを確認した。職場で17カ所、コミュニティで10カ所、残りは高齢者施設でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴール州が6カ所で最多となった。うち4カ所が職場に関するクラスターだった。