人口の1.5%が移住、国内移住先トップはジョホール州

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  統計局の発表によると、2019ー2020年の1歳以上の人口は3,210万人で、うち1.5%(48万4,100人)が移住した。2018年の前回調査の1.6%より下降した。
89.6%が国内での移住(2018年は89.3%)で、海外からの移住者は10.4%(同10.7%)だった。国内移住者のうち、約3分の2となる65.2%(同68.1%)が同じ州内・地域での移住、34.8%(同31.9%)が州外へ移住した。
他州からの転居者が最も増加したのはジョホール州で、1万1,900人が流入した。また他州への流出人数が最も多かったのはクアラルンプールで、1万6,100人が他の地域に転居した。
移動の理由として最も多かったのは「家族とともに引っ越すため」で45.3%だった。2018年の44.2%より上昇した。その他は、「キャリア形成のため」が23.6%、「より良い環境を求めて」が22.3%、「結婚・離婚のため」が4.2%、「教育のため」が3.1%だった。

UMWトヨタやタンチョンなど、自動車の販売・生産を再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 政府が先ごろ自動車産業の稼働を認めたことを受け、トヨタ車販売・製造のUMWトヨタや日産車販売を手掛けるエダラン・タンチョン・モーター(ETCM)、国民車メーカーのプロトンが自動車の生産および販売の再開を段階的に開始した。
UMWトヨタは16日より、新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種率が50%を超えたクアラルンプール、セランゴール州、ペルリス州、ペナン州、ペラ州、プトラジャヤ、ネグリ・センビラン州、パハン州、トレンガヌ州、クランタン州、サバ州、サラワク州、ラブアンのショールームとサービスセンターの営業を再開した。またセランゴール州シャアラムとブキラジャの両工場においても従業員のワクチン接種率に応じ認められた稼働率での生産を再開した。接種率80%を超えた時点でフル稼働が認められている。
ETCMも20日よりワクチン接種率が50%を超えた地域でショールームの営業を再開。しかしニライやセレンバン、コタバルなど一部の店舗については23日より再オープンする。
プロトンもワクチン接種率が50%を超えた地域で販売・生産を再開した。従業員と顧客の安全を守るための対策として、ショールームには2回のワクチン接種を完了し2週間が経ったスタッフが勤務する。またショールームやサービスを利用するには2回のワクチン接種を終えている必要があり、事前予約が必要だ。

成人人口の50%以上がワクチン2回接種完了

【クアラルンプール】 ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)は、18日時点で成人人口の50.2%(1,174万3,096人)が新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの2回接種を完了しており、国家ワクチン接種プログラム(NIP)の目標の達成に向けて順調に進んでいると発表した。
JKJAVのツイッター投稿によると、成人人口の75.3%にあたる1,762万5,760人が1回目の接種を受け、ワクチン接種回数は2,936万8,856回となった。全人口の54%が1回、36%が2回接種を完了したことになる。
州・地域別に見ると、▽サラワク州(82.5%)▽ネグリ・センビラン州(67.6%)▽ペルリス州(58.1%)▽マラッカ州(42.3%)▽ペナン州(40.5%)▽ラブアン(90.0%)▽首都圏クランバレー(73.8%)ーーでは、成人の接種完了率が40%を超え、国家復興計画(NRP)で規定されている第2フェーズから第3フェーズへの移行基準を満たした。
高齢者については、315万2,056人が接種済みで、うち276万8,981人は2回接種を完了した。また、障害者42万8,140人が接種を受け、うち28万8,329人が2回接種を完了。2つ以上の疾患を持つ852万8,228人が接種済みで、うち612万461人が2回接種を終えた。妊娠中の母親5万4,636人が接種を受け、5万3,421人が2回完了した。
1日当たりの接種回数では、17日の52万5,111回に比べ、18日は53万114回と増加。そのうち18万8,474回が1回目、34万2,640回が2回目だった。
NRP調整担当大臣を兼任するザフルル・アブドル・アジズ財務相は、NRPのフェーズ移行(規制緩和)指標の変更について、第1フェーズの場合は「成人人口の半数以上がワクチン接種すること」が条件となると先日発表。第1フェーズの首都圏クランバレー、ネグリ・センビラン州はこの基準を満たしたことになる。そのため、この2地域のフェーズ移行の指標は、新規感染者数ではなく、重症に相当するカテゴリー3、4、5の入院患者数に変更される見込みだ。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、8月19日)

サブリ前副首相が第9代首相に決定、21日に宣誓式

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 16日に辞任したムヒディン•ヤシン前首相の後任の第9代首相に、イスマイル・サブリ・ヤアコブ前副首相(統一マレー国民組織=UMNO総裁補)が就任することが決まった。

王宮事務所が20日午後、サブリ氏が下院議会(定数222)の過半数の支持を得たことをアブドラ国王が確認し、承認を与えたことを明らかにした。21日午後2時半に王宮で宣誓式がおこなわれる見通しだ。

サブリ氏は自身が所属するUMNOを含めた政党連合・国民戦線(BN)の支持をほぼ固めた上で、BNの友党で18人議席をもつサラワク政党連合(GPS)や諸派、そして50人の議員を擁する国民同盟(PN)の支持を最終的にとりつけることに成功。アブドラ国王の元には114人分のサブリ氏支持の法定宣言が提出された。アブドラ国王は19日に114人全員を王宮に呼んで、最終意思確認を行なっていた。

PN率いるムヒディン氏は、政治混乱を防ぐために敢えてUMNO所属のサブリ氏を支持することを決めたと主張しており、サブリ氏を支持する条件として、刑事告発されている人物を閣僚として登用しないことを挙げている。これは汚職で告発されているナジブ•ラザク元首相(UMNO前総裁)やアハマド・ザヒド・ハミディ元副首相(UMNO現総裁)を念頭に置いた発言であり、サブリ氏やUMNOメンバーがそのまま受け入れるかどうか不透明だ。またアブドラ国王は新型コロナによる国家の危機に際し、野党議員も入閣させて挙国一致内閣による政権運営を希望しているとされ、組閣人事が注目される。

首相指名争いに勝ったとはいえ、サブリ氏が得た支持は安定多数には程遠い。アブドラ国王は新首相に次期国会において首相信任投票を行なうことを条件を出しており、サブリ氏の人事・政権運営への不満が高まるようであれば、早々に政権が瓦解する可能性がある。

国民の間でも、新型コロナ感染対策がうまく行かなかったムヒディン政権で副首相を務めていたサブリ氏を首相に昇格させることには反発の声も少なくない。ネット上では早くも反対署名運動が行なわれており、早くも20万人分の署名が集まっているとされる。

サブリ氏は1961年生まれの61歳。マラヤ法学部出身で元弁護士。1987年に統一マレー国民組織(UMNO)入党。2004年に初当選し、その後3期連続当選している。青年スポーツ相、国内取引共同組合消費者行政相、農業農業関連産業相、地方地域開発相、国防相兼上級相を歴任し、今年7月にはムヒディン内閣で外様ながら副首相に昇格していた。

新型コロナの感染者数は2万3564人、3日連続で過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が2万3,564人となったと発表した。3日連続で過去最多を更新した。アクティブ感染者数は25万7,417人で、累計感染者数は151万3,024人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,974人だった。それに▽サバ州(2,738人)▽サラワク州(2,548人)▽ケダ州(1,932人)▽クアラルンプール(KL、1,652人)▽ペナン州(1,523人)▽ジョホール州(1,323人)▽クランタン州(1,281人)▽ペラ州(1,248人)▽マラッカ州(610人)▽ネグリ・センビラン州(608人)▽トレンガヌ州(521人)▽パハン州(517人)▽ペルリス州(64人)▽プトラジャヤ(24人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。2万1,448人が新たに回復し、累計治癒者は124万1,894人。死者数は233人で、累計で1万3,713人となった。

保健省によると、19日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)が50.6%、カテゴリー2(軽度の症状)が47.5%、カテゴリー3(肺炎の症状)が0.8%、カテゴリー4(酸素吸入が必要)が0.3%、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)が0.8%だった。
また同日は新たに42カ所のクラスターを確認した。職場で23カ所、コミュニティで15カ所、残りは拘留所、医療施設、宗教活動でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴール州が13カ所で最多となった。うち11カ所が建設会社、工場、スーパーマーケットなどの職場に関するクラスターが発生した。