新型コロナの感染者数は1万4345人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万4,345人だったと発表した。累計感染者数は211万2,175人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く3,611人だった。それに▽ジョホール(1,598人)▽セランゴール(1,365人)▽サバ(1,255人)▽ペナン(1,170人)▽ペラ(1,090人)▽クランタン(1,050人)▽ケダ(967人)▽トレンガヌ(804人)▽パハン(779人)▽クアラルンプール(KL、307人)▽マラッカ(162人)▽ネグリ・センビラン(125人)▽ペルリス(51人)▽プトラジャヤ(11人)ーーが続いた。ラブアンのみゼロだった。また1万6,814人が回復し、累計治癒者は188万736人となった。
19日午後11時59分時点のアクティブ感染者は、前日から8,891人減少し、21万468人となった。82.9%が自宅療養、11.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.4%が医療機関、残り0.6%が集中治療室(ICU)で療養中。死者数は376人で、累計で2万3,443人となった。
また同日は新たに16カ所のクラスターを確認。職場で10カ所、コミュニティで4カ所、残りは福祉施設でクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールが4カ所で最も多く、うち3カ所が職場に関連したクラスターだった。

経済回復、マレーシア人の8割が2年以上かかると予想

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際マーケティング会社の仏系イプソス(Ipsos)マレーシアは、経済回復に関する調査結果を発表。マレーシア人の80%が自国経済が新型コロナウイルス「Covid-19」のパンデミックから回復するには少なくともあと2年はかかると考えていることがわかった。
回答者の44%が2-3年、36%が3年以上かかると回答した。世界の平均回答率は2.3年が35%、3年以上が39%、日本はそれぞれ52%、31%となった。
またマレーシア人回答者の50%は「政府が経済回復をリードすることを信じている」と回答。世界平均の34%を上回った。また消費者がリードするとの回答は17%となり、大企業(13%)や非政府組織(9%)、中小企業(5%)よりも政府が経済回復の責任を担うと考えていることがわかった。
一方で経済がパンデミックから回復していることを示す指標として、マレーシア人回答者の間で最も回答率が高かったのは、「新しいビジネスが開業すること」で回答率は84%。それに「知り合いが元の仕事に戻ったり、新しい仕事に就いたりすること」、「観光客が増えること」が続き、回答率は共に83%となった。世界の平均は、「知り合いが元の仕事に戻ったり、新しい仕事に就いたりすること」が79%、「新しいビジネスが開業すること」78%、「観光客が増えること」が72%だった。

ランカウイでトラベルバブル開始、出発前に5人が陽性

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ランカウイを対象にした「トラベル・バブル」の試験運用が、16日から開始された。直前になって旅行者に対する新型コロナウイルス「Covid-19」のスクリーニングが義務づけられるドタバタ騒ぎがあったが、結果的にこれで合計5人の陽性者の旅行が水際で阻止されることになり、まずは無難な船出となった。
カイリー・ジャマルディン保健相は、前日の15日になって出発前に新型コロナのスクリーニングを受ける必要があると発表した。スクリーニング対象は7歳以上で、6歳以下は唾液の分泌量を考慮して問診のみとする。検査はRT-PCR、RTK-抗原検査いずれでも可能で、出発の48時間以内に実施する必要がある。セルフ検査キットを出発地の空港やフェリー乗り場にある検査場に持ち込んで検査することもできる。陽性が発覚した場合は旅行することはできない。
16日の初日にはランカウイに入るために2,546人が出発地の空港やフェリー乗り場でチェックを受けたが、スバン空港で3人、クアラルンプール新国際空港(KLIA)とペナン国際空港で1人ずつ陽性者が確認された。5人はいずれも無症状で、10日間の自宅隔離が命じられた。事前にRT-PCR検査を受けていたのはわずか6人で、残りはすべて空港やフェリーターミナルでRT-PCR検査を受けたという。

トレンガヌ州、17日よりNRP第3フェーズに移行

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、トレンガヌ州について、17日付けで国家復興計画(NRP)の第3フェーズに移行すると発表した。15日に開催された新型コロナウイルス「Covid-19」管理に関する特別委員会で決定した。
イスマイル首相はまた、最近の規制緩和に伴い、標準的運用手順(SOP)を無視する国民が増加していると指摘した。規制緩和は安全対策を怠ってよいという意味ではなく、感染の連鎖を断ち切るためにも、SOPを遵守すべきと強調。マスクを着用し、社会的な距離を守り、清潔な衛生状態を保つことを継続するよう呼びかけ、違反者に対しては躊躇なく処罰するとした。
(ザ・スター、9月16日)

さらなる規制緩和、オフィス出社人数も増加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 さらなる規制緩和により、17日から小売業などの再開、オフィス出社人数の増加などが認められた。15日開催の新型コロナウイルス「Covid-19」管理に関する特別委員会で決定した。同委員会はトレンガヌ州の国家復興計画(NRP)第3フェーズへの移行も発表した。
NRPの第2フェーズの州・地域にあるオフィスでは、17日から、従業員の80%がワクチン接種完了済の場合、100%の人員で稼働できる。ワクチン接種完了率が60%の場合は80%、40%の場合は、60%の人員で稼働可能。送迎バスなどの従業員輸送においても、すべての乗客がワクチン接種を完了していれば、100%の乗車率での輸送を認める。家具工場の操業再開も認められた。
一方、第1フェーズの州・地域では以下11の小売店カテゴリーの再開も許可された。▽写真関連商品・サービス▽中古品▽フラワーショップ▽手工芸品・ギフト▽アンティーク▽おもちゃ▽ カーペット▽クリエイティブ関連製品・サービス▽アウトドア製品(キャンプ、釣りなど)▽化粧品・スキンケア・香水▽たばこ店ーー。鉱物や砂の採掘作業、採掘場のメンテナンス作業、鉱物・砂の輸出や許可を受けた建設現場、必需産業施設、公共インフラなどへの提供も可能となった。木製品やケナフの栽培・収穫も認められた。
また、複数フェーズで許可されたのは、▽チャイルドケアセンター・幼稚園の営業(第1・第2フェーズ)▽森林保護区での伐採など、林業関連の活動(第2・第3フェーズ)▽ワクチン接種完了者同士の対面ミーティング(第2・第3・第4フェーズ)▽乗客・乗組員全員のワクチン接種完了を条件としたクルーズ船の運航(定員の50%まで、全フェーズ)ーー。
スポーツに関しても第2・第3フェーズにおける規制緩和が進められており、ワクチン接種完了を条件にサッカーやバスケットボールなどの身体接触スポーツやエアロビクスやズンバなどのフィットネス(定員の50%または50人のいずれか少ない方を上限とする)を許可。ジムに関しても、ジム用の標準作業手順(SOP)が発表され次第、営業が可能となる。
経済活動の完全再開を要請していたマレーシア経営者連盟(MEF)は、今回の政府の規制緩和について支持を発表。マレーシア中小企業協会も、苦境に陥っている中小企業の再生につながるため歓迎すると発表した。

新型コロナの感染者数は1万7577人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万7,577人だったと発表した。累計感染者数は206万7,327人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く3,480人だった。それに▽セランゴール(2,646人)▽ジョホール(2,334人)▽ペラ(1,596人)▽サバ(1,533人)▽ペナン(1,462人)▽ケダ(1,173人)
▽クランタン(869人)▽パハン(832人)▽トレンガヌ(719人)▽クアラルンプール(KL、366人)▽マラッカ(287人)▽ネグリ・センビラン(198人)▽ペルリス(41人)▽プトラジャヤ(31人)▽ラブアン(10人)ーーが続いた。また2万2,970人が回復し、累計治癒者は182万3,248人となった。
16日午後11時59分時点のアクティブ感染者は、前日から1,530人増加し、22万7,120人となった。83.5%が自宅療養、10.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.3%が医療機関、残り0.5%が集中治療室(ICU)で療養中。死者数は346人で、累計で2万2,355人となった。
また同日は新たに21カ所のクラスターを確認。職場で9カ所、コミュニティで6カ所、教育機関で3カ所、残りは医療機関と福祉施設、拘留所でクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールが7カ所で最も多く、うち6カ所が職場に関連したクラスターだった。

産業界、オフィスやイベントの再開を要請

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 産業界は、規制緩和が進む中でオフィスやイベントなどの制限が残っていることに対して懸念を示し、再開を求めている。
マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、工場の操業は許可された一方、オフィスに対してはいまだに閉鎖された状態であるため、オペレーションの効率が悪くなっていると指摘。重要な決定は生産現場ではなく経営レベルで行われているため、意思決定者がオフィスで仕事をすることが必要とし、政府に対してワクチン接種を完了した従業員のオフィスへの出社を認めるよう提案した。
一方、マレーシア・ビジネスイベント委員会(BECM)のビンセント・リム会長代理は、映画館やギャラリー、美術展などの娯楽産業は再開したのに、展示会や会議などのビジネスイベントは禁止されたままであることに疑問を呈し、標準的運用手順(SOP)を遵守した上で、直ちに再開を検討するよう求めた。ビジネスイベント業界は、常に規制を遵守し、あらゆる展示会の秩序を維持してきた経験があると強調。ビジネスイベントには最低3ヶ月の計画が必要であり、かつ全国的に新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種率が80%に近づいている中、これ以上黙っていることはできないと述べた。その背景には、世界的なビジネスイベント開催を狙っているシンガポールやタイ、インドネシアなどのライバル都市に負けてしまうという恐れがあるという。
ビジネスイベント部門の国内市場規模は、2019年時点で2,750万リンギ。イベントを開催することにより、宿泊施設や交通機関など、他の関連産業にも雇用や収益をもたらしている。

MM2H厳格化、サバ・サラワク州にも同一歩調求める方針

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムについて、ハムザ・ザイヌディン内務相はサバ・サラワク州では半島部とは別の条件で行なうことが法的に可能だが、同一歩調をとるよう求めていくと述べた。
14日の下院議会質疑に出席したハムザ氏は、10月からMM2Hプログラムへの参加条件を大幅に厳格化する意図について、プログラム参加者の高い質と国の経済に貢献する能力を確保することだと強調。プログラムの参加基準は全国標準化する必要があるため、サバ・サラワク州と話し合いを行なっていくと述べた。
「1959/63年移民法」第64、65条には、マレーシア連邦に後から合流した両州に外国人の入国及び滞在などの移民問題に関する管轄権を付与するという特別規定があり、これに基づいて両州がプログラム参加条件を独自に変更することができることになっている。
サラワク州はこれに基づき独自の条件を科した「S-MM2H」を実施しているが、連邦政府がMM2H厳格化を発表した後も「S-MM2H」の条件を維持していく考えを示しており、MM2Hの新条件を満たせなくなった参加希望者がS-MM2Hに注目している。
連邦政府が発表した新たな「MM2H」取得条件は、海外収入証明が4倍の月1万リンギ、銀行預金額も大幅に引き上げられ、年間90日間のマレーシア滞在義務などが新たに課されている。このため申請者が激減するとビザ代行業者や不動産業界が不満を募らせている。
(エッジ、ザ・スター、9月14日)

ローン返済猶予を受けた下位所得層、利払い3カ月間免除

【クアラルンプール】 財務省は14日、ローン返済猶予を受けている者に対し、10月から12月までの3カ月間の利払いを免除するよう、銀行に通達した。所得が下位50%の層が適用を受ける。
ローン返済猶予を導入したのはムヒディン・ヤシン前政権で、6月発表の政策で所得を問わず、すべての国民と零細企業に6カ月間の返済猶予を認めた。この際テンク・ザフルル財務相は、返済猶予期間中も金利は発生すると語っていた。
財務省通達は10日の閣議決定を受けたもの。閣議では財政暫定措置法の改正案を議会に提出することも了承された。
改正案にはコロナウイルスCovid-19基金の650億リンギから1,100億リンギへの増額、対国内総生産(GDP)比での政府債務上限の60%から65%への引き上げが含まれる。
ザフルル氏は14日の声明で、政府と野党連合が政治の安定で合意したことは経済にプラスと歓迎の意を表明した。
(エッジ、ポールタン、9月14日)

SOPを10項目程度に簡素化へ、エンデミック段階を見据え

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 連邦政府は、全部で181項目にもわたっている標準的運用手順(SOP)を10項目程度に簡素化する方針だ。向こう2、3週間後の完了をメドに取り纏め作業に入った。ヒシャムディン・フセイン上級相(兼国防相)が明らかにした。
近いうちに新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大が収まってエンデミック(風土病)段階に移行することを見据えて、複雑・多岐にわたっているSOPを簡素化し、国民が理解しやすく遵守しやすくすることを目指す。現在、国家復興計画(NRP)は州・地域ごとに第1—4フェーズに分類されており、それぞれ設定されているSOPの項目は合計181項目にも上っている。
ヒシャムディン氏は発表に先立って、SOP改定に向けた会合を、カイリー・ジャマルディン保健相、テンク・ザフルル財務相、アヌアル・ムサ通信マルチメディア相と行った。SOPの改定にあたっては、保健省からの科学データだけでなく、専門家や業界の利害関係者の意見も考慮に入れるという。
ヒシャムディン氏はまた、16日からランカウイを対象に試験的に開始する「トラベル・バブル」に言及し、当面はランカウイでの実施状況を見てから他の地域で実施するかどうか判断する考えを表明。それまでは他の地域での旅行再開を認めないと述べた。現在、ペラ州パンコール島などが「トラベル・バブル」指定を目指す考えを示している。