新型コロナの感染者数は1万9495人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は15日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万9,454人だったと発表した。累計感染者数は203万935人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く4,705人だった。それに▽セランゴール(2,710人)▽サバ(2,015人)▽ジョホール(1,860)▽ペナン(1,757人)▽クランタン(1,434人)▽ケダ(1,178人)▽ペラ(1,174人)▽トレンガヌ(993人)▽パハン(766人)▽クアラルンプール(KL、363人)▽ネグリ・センビラン(222人)▽マラッカ(190人)▽ペルリス(108人)▽プトラジャヤ(16人)ーーが続いた。ラブアンのみゼロだった。また1万8,760人が回復し、累計治癒者は178万3,339人となった。
14日午後11時59分時点のアクティブ感染者は、前日から2,847人減少し、22万5,277人となった。82.6%が自宅療養、11.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.6%が医療機関、残り0.5%が集中治療室(ICU)で療養中。死者数は463人で、累計で2万1,587人となった。
また同日は新たに29カ所のクラスターを確認。職場で14カ所、コミュニティで12カ所、残りは感染すると重症化するリスクが高いグループでクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンが10カ所で最も多く、うち9カ所がコミュニティで起きたクラスターだった。

トップグローブが米国への輸出を再開、禁輸措置解除受け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 米税関・国境警備局(CBP)はゴム手袋世界最大手、トップ・グローブは、米国への輸出再開が認められたと明らかにした。
米税関・国境警備局(CBP)は2020年7月、トップ・グローブで強制労働が行われていると認定、同社製ゴム手袋の輸入を禁止した。調査を実施したところ、強制労働はもう行われておらず、1930年関税法第307条に違反していないとし、禁輸措置が解除された。
トップグローブは発表した声明で、10日付で米国の全ての港湾で同社の製品が受け入れられるようになったと明らかにした。輸出再開に協力してくれたCBPやマレーシア政府、関係者に謝意を表明。今後も引き続き人々の健康や安全、幸福の向上に取り組み、業界トップの維持を目指すとした。
CBPは昨年、強制労働が行われている疑いがあるとして、トップグローブのみならず、アブラヤシ農園大手、FGVホールディングスと、サイム・ダービー・プランテーションからの輸出も禁止している。

議会解散は来年8月以降の見込み、与野党協力うけ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ政権と野党連合・希望同盟(PH)が13日に協力覚書を締結したことで、少なくとも2022年7月31日までは議会解散されない見通しとなった。憲法では議会解散後60日以内に総選挙を行なうとされているため、次期総選挙が開催されるのは早くても来年10月となる。

議会解散を先延ばしにすることで合意したと明らかにしたのは、PHの院内幹事を務める民主行動党(DAP)のアンソニー・ローク議員。ただPHのリーダーを務める人民正義党(PKR)のアンワル•イブラヒム党首(元副首相)は、当初政府が約束していたイスマイル内閣の信任投票についてPH側が中止に同意したわけではないと述べ、無条件に政権を支持し続けるわけではないことを改めて示唆した。

覚書に明記された共同で実施する6つの項目に盛り込まれた運営委員会の設立については、メンバーは双方から5人ずつを出すことになるもよう。ただPHはあくまで野党という立場にとどまり、閣外から政府のチェック機能を司ることになる。

与野党協力により進められる制度改革の一環として、議員の政党間のくら替え禁止法制定や「1963年議会サービス法(PSA)」復活が見込まれている。このほか政府も同意を示している、首相任期の10年制限の立法化や選挙権年齢の18歳への引き下げ実施が期待されている。

PHに所属していない野党各党との連携については、与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)書記長を務めるアヌアル・ムサ通信マルチメディア相は、PHと同様の協力覚書を締結する用意があると言明した。サバ遺産党(ワリサン)や祖国戦士党(ペジュアン)、マレーシア統一民主同盟(MUDA)を念頭に置いた発言とみられる。

GSCとTGVの映画館が再開、接種完了者対象に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 大手シネコンのGSCとTGVシネマズは、それぞれ映画館の再開を発表した。
国家復興計画(NRP)第2フェーズの州・地域にある映画館は、先ごろ発表された規制緩和により9日から営業が認められたが、映画館向け標準作業手順(SOP)発表待ちや上映準備のため再開に時間がかかっていたという。
GSCは、16日のマレーシア・デーに首都圏クランバレー、北部・南部地域のGSCおよびアウルムの映画館合計17カ所を再開。23日には、さらに多くの映画館を再開する。上映ラインナップの詳細は近日中にGSCのFacebookやウェブサイト上で発表される予定。TGVシネマズも、23日より全国37拠点の映画館を再開する。上映ラインナップやチケット販売についてはウェブサイトでまもなく発表される。
映画館向けSOPでは、営業時間は午前8時から午後10時まで、座席数は定員の50%まで。マスクの着用が義務付けられており、社会的距離を確保するために、顧客間に最低1メートルの間隔を確保する。映画館の全従業員は、ワクチン接種を完了し、新型コロナウイルス「Covid-19」検査で陰性の結果を得る必要がある。ワクチン接種を完了した成人のみが映画館に入場でき、入場時にコロナ情報アプリ「MySejahtera」でワクチン接種証明を提示する必要がある。18歳未満やMySejahteraで「ハイリスク」ステータスが表示されている場合には入場が不可となる。

日本大使館のテロ注意喚起、上級相は「根拠なし」と否定

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 在マレーシア日本大使館が在留邦人に対してテロに関する注意喚起を行なったことについて、ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相兼任)は「我が国にはそうした危険はない」と否定した。

ヒシャムディン氏は「注意喚起が出ていることは知っている。軍の情報機関からブリーフィングを受けているが差し迫ったテロの脅威はない」と言明。こうした根拠のない注意喚起を行なった理由について日本大使館に質問する考えを示した。

注意喚起についてはアクリル・サニ警察長官も、マレーシアへのテロ攻撃の兆候は確認されていないとし、国民に対しパニックに陥ったり誤った情報を広めないよう呼び掛けている。

日本大使館は9月13日付けでウェブサイト上に掲載した「領事・渡航情報」の中で、「当国(マレーシア)において、礼拝場等の人が多く集まる場所への自爆攻撃が発生する可能性が高まっているとの情報があります」とした上で、最新の関連情報の入手に努めることや当局の指示に従う、標的になりやすい場所を訪れる際には注意を払い滞在時間を短くするなどの対応を呼び掛けた。

マレーシア以外でもフィリピンやシンガポール、タイの日本大使館でも12日付けで同様の内容で在留邦人向けに注意喚起がウェブサイト上に掲載されている。

新型コロナの感染者数は1万5669人、累計で200万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万5,669人だったと発表した。累計感染者数は200万1,440人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,632人だった。それに▽サラワク(1,983人)▽ジョホール(1,974人)▽サバ(1,784人)▽ペナン(1,651人)▽クランタン(1,406人)▽ケダ(1,207人)▽ペラ(856人)▽パハン(763人)▽トレンガヌ(483人)▽クアラルンプール(KL、411人)▽マラッカ(329人)▽ネグリ・センビラン(143人)▽ペルリス(30人)▽プトラジャヤ(14人)▽ラブアン(3人)ーーが続いた。また1万8,053人が回復し、累計治癒者は176万4,579人となった。
13日午後11時59分時点のアクティブ感染者は、前日から9,153人減少し、22万8,124人となった。82.7%が自宅療養、11.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.7%が医療機関、残り0.6%が集中治療室(ICU)で療養中。死者数は413人で、累計で2万1,124人となった。
また同日は新たに32カ所のクラスターを確認。職場で16カ所、コミュニティで14カ所、残りは福祉施設、教育機関でクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールが9カ所で最も多かった。

ENEOSとペトロナス、CO2フリー水素事業で協業検討

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ENEOS(本社・東京都千代田区)は10日、マレーシア国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の完全子会社であるペトロナス・ガス&ニュー・エネルギー(PGNESB)とCO2フリー水素のサプライチェーン構築に向けた協業検討について覚書を締結したと発表した。
ENEOSは国内外でCO2フリー水素サプライチェーン構築に取り組んでおり、海外においてはアライアンスを活かし、安価な水素の大量供給実現に向けた検証を行っている。今回の協業検討は、その一環であり、マレーシアで生産された水素を効率的な貯蔵・輸送形態の一つである有機ハイドライド・メチルシクロヘキサン(MCH)に変換し、製油所へ輸送するといったサプライチェーン全体について両社で検討するもの。両社は、マレーシア国内での水素の製造、MCH製造および出荷について検討を行う。ENEOSは製油所でのMCHを利用した水素の製造・利用、更には近隣の火力発電所や製鉄所などへの水素供給に関する検討を行う。またペトロナスの石油化学工場における未利用の副生水素を利用することを予定しており、再生可能エネルギー由来のグリーン水素や、化石燃料から水素を製造する際に排出されるCO2をCCSなどにより回収・貯留することで、CO2排出量を実質ゼロとするブルー水素の製造可能性のほか、同協業の一環として、両社はマレーシア国外での水素製造プロジェクトの可能性についても検討する。
今回の検討にあたっては、日本政府のグリーンイノベーション基金など、政府による支援を活用し、CO2フリー水素サプライチェーンの社会実装を早期に実現することを目指す。
ペトロナスも同日、声明を発表。同社は2050年、ENEOSは2040年までの二酸化炭素排出量正味ゼロ(ゼロカーボン)を目指しており、同協業検討は両社の更なる提携機会にもつながると期待しているとした。

10月から学校を段階的に再開=教育相

【クアラルンプール】 モハマド・ラジ上級相(兼教育相)は、10月3日から国家復興計画(NRP)の段階に応じて学校が段階的に再開されると発表した。
新型コロナウイルス「Covid-19」感染リスクを低減するため、生徒は週ごとに交代で登校し、教室定員の50%で授業を行なう。NRP第1フェーズの州・地域の学校では再開を行なわず、自宅学習を継続。第2フェーズでは小学校は自宅学習のままだが、▽特別支援学級▽高等中学3年生(フォーム6)▽スポーツスクール▽国際試験対象者ーーといった一部の学校を再開。第3フェーズ以降の州・地域ではすべての学校が定員の50%で段階的に再開される。
週ごとの交代登校については、▽特別支援学級▽高等中学3年生(フォーム6)▽全寮制学校▽国際試験受験学年▽プリスクール・私立幼稚園▽入学者数の少ない学校ーーなどは対象外となり、全員が登校可能となる。また、NRPのフェーズが移行された場合には、移行発表の2週間後に新フェーズの規定に沿って学校の再開が行なわれる。
(ザ・スター、9月13日、マレー・メイル、エッジ、9月12日)

ランカウイのトラベルバブル、マレーシア航空とエアアジアが割引

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ランカウイ島を実験的に観光客に開放する「トラベルバブル」が16日に開始されることを受け、フラッグ・キャリアのマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)と格安航空会社のエアアジアは割引キャンペーンを実施するとそれぞれ発表した。
MAGは10日に発表した声明で、9月30日まで割引運賃キャンペーンを実施すると明らかにした。傘下のマレーシア航空はエコノミー席を89リンギから販売する。7キログラム(kg)までの手荷物を無料とする他、無料の軽食やドリンクなどのフルサービスが付く。格安航空部門のファイアフライは、ペナンーランカウイ線を19リンギ、スバンーランカウイ線を69リンギから販売。旅行部門のMHホリデーズは、「ダタイ・ランカウイ」、「ベルジャヤ・ランカウイ・リゾート」などの5つ星ホテルに宿泊できる旅行パッケージを最大50%割り引く。詳細の確認と予約はそれぞれのウェブサイトおよびアプリで行うことができる。MASのウェブサイトは、https://www.malaysiaairlines.com/my/en.html、ファイアフライは、https://www.fireflyz.com.my、MHホリデーズは、https://holidays.malaysiaairlines.com
一方でエアアジアは9日、クアラルンプール、ペナン、ジョホールバル、イポー、コタバルからランカウイに向かう便を19日まで、片道12リンギで販売すると発表した。16日から来年3月26日の便が対象。また4ー5つ星に滞在できる2泊3日のツアーパッケージを99リンギから販売する。
エアアジアは旅行を予定している渡航者に対して、ワクチン接種証明書など渡航に必要な書類などを用意する他、チェックインから手荷物を受け取るまで常に三層マスクを着用するよう求めた。また接触を避けるためセルフチェックインの利用を義務付けるとしチェックインカウンターでは子供や障害者のみ受け付けると説明。チェックインに関する詳細はウェブサイト(https://support.airasia.com/s/article/What-is-Self-Check-In-en?language=en_GB)で確認できるとし、スムーズな渡航のためにフライト予定の4時間前までには空港に到着することを推奨するとした。

与野党が歴史的な協力覚書締結、党派を超えて危機に対処

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ内閣誕生後の初の国会が13日に開幕。新政権が新型コロナウイルス「Covid-19」対策強化と経済復興に注力できるようにするため、国民同盟(PN)率いる政権与党と野党連合・希望同盟(PH)が党派を超えた歴史的な協力覚書を締結した。

コロナ危機への対処に向けて、権力基盤が不安定なイスマイル政権に野党が協力していくことと引き換えに、野党がこれまで主張してきた政府・議会の改革案に取り組んでいくことを与党政府が受け入れた。

締結式に出席したイスマイル首相は、「Keluarga Malaysia(マレーシア家族)」精神に則った超党派による歴史的協力だと宣言。政治的信条の違いをいったん脇に置くことにより、国家の回復に向けた取り組みが包括的に実行されることを確実にすることができるようになると述べた。

PHからは構成党・人民正義党(PKR)のアンワル・イブラヒム党首(元副首相)、民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長、国民信任党(Amanah)のモハマド・サブ党首、キナバル進歩統一組織(UPKO)のウィルフレッド・マディウス・タンガウ党首が出席した。

今回締結された「政治安定と改革に関する覚書」に盛り込まれたのは▽新型コロナ対策の強化▽行政改革▽議会改革▽司法の独立▽「1963年マレーシア協定」(MA63)▽運営委員会の設立——の6つの項目。イスマイル首相は、熟議によって意思決定を行なう「熟議民主主義」を目指していくとしている。

改革の具体的内容は明らかにされていないが、イスマイル首相は10日、▽選挙権18歳の引き下げ実施▽政党くら替え禁止法▽首相任期の10年制限——など7項目からなる改革案を提示する考えを明らかにしていた。