首都圏が第2フェーズに移行、地域間移動が可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、首都圏クランバレーに位置するセランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤについて、10日付けで国家復興計画(NRP)の第2フェーズに移行すると発表した。
8日に開催された新型コロナウイルス「Covid-19」管理に関する特別委員会で決定した。これからは首都圏のこれら3地域は一つのエリアとみなされることとなり、第1フェーズでは禁じられていた地域間の移動が認められる。各地域を結ぶ重点道路に設置されていた警察の検問も撤去される。第2フェーズへの移行にともない、ワクチン接種完了者を対象に宿泊を含む州内の観光旅行、また単身赴任者が家族に会うための州を跨いだ移動が認められる。
イスマイル首相はまた、いまだ第1フェーズにとどまっている州に関する規制緩和も発表。花屋や保育園、アウトドア用品店、不動産ギャラリーの営業も10日付で再開が認められると述べた。
イスマイル首相の発表に先駆け、シャヒダン・カシム連邦直轄地相はKLとプトラジャヤが10日付けでNRP第2フェーズに移行する見通しだと発表していた。ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の最新の統計によると、首都圏クランバレーの成人人口の97.8%がワクチン接種を完了した。

ペナン州で予約なし接種開始、成人国民を対象に

【ジョージタウン】 ペナン州政府は、18歳以上のマレーシア国民を対象に、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの予約なし接種を8日午前10時より開始すると発表した
チョウ・コンヨウ首相によると、州内にあるワクチン接種センター(PPV)10カ所で行なう。まだ予約がとれない人や情報・追跡アプリ「MySejahtera」によるワクチン登録を行なっていない人が対象となる。
接種希望者はマレーシア国民であることを証明する身分証カードを持参すること、「MySejahtera」に登録し、症状がないこと、感染者と濃厚接触していないこと、隔離されていないことが必要。先着順となる。
チョウ氏はまた、コロナ感染者及び濃厚接触者からの相談に対応するアセスメントセンター(CAC)においてコールセンターの改善を同州特別安全委員会が約束したことを明らかにした。ホットラインは04-3827143または04-3827142で、毎日午前8時から午後10時まで受け付けている。
ペナン州の新規感染者数は5日には1,961人、6日には1,558人、7日には1,776人と高止まりしている。
(マレー・メイル、9月7日)

恒例の国際ハラルショーケース、9日にバーチャル開幕

【クアラルンプール】 今年で17回目となるハラル(イスラムの戒律に則った)製品の国際展示会、マレーシア国際ハラル・ショーケース(MIHAS2021)が9日、バーチャル方式で開幕した。
新型コロナウイルス「Covid-19」のためにバーチャル開催となった今年は、バーチャル展示会、企業間(B2B)ビジネスマッチング(eBizMatch)、ナレッジハブ——の3つの主要コンポーネントで構成されている。
メキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチンなどの国からの新規参入もあり、43カ国から549社がバーチャル出展する。バーチャル商談の会期は12月31日までとなっている。
MIHASによると、日本からは▽有馬芳香堂(豆類・菓子)▽ADEKAグループ(製パン用油脂)▽オタフクソース▽ひかり味噌▽桃太郎食品▽グルメ杵屋▽ナルラジャパン▽ナカニシ・マニュファクチャリング▽三菱商事クアラルンプール(KL)支店▽日本タルク▽ハラールメディアジャパン▽ハラル・ジャパン協会——が出展している。
ナレッジハブでは、9月9日—11日にわたりイスラム金融、イノベーションとビジネスの持続可能性、デジタルテクノロジー、女性の役割、ハラル経済における若い起業家の視点などをテーマにしたハラル産業関連カンファレンスがバーチャル開催される。
(ベルナマ通信、9月6日)

映画館や劇場が9日より再開へ、ワクチン接種完了が条件

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、クリエイティブ産業における標準的運用手順(SOP)緩和にともない、映画館や劇場、コンサートなどの営業再開を9日より全国的に認めると発表した。
入場できるのは新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を完了した人のみで、入場定員は映画館は通常の収容能力の50%、演劇や演奏会などのライブパフォーマンスは30%を上限とする。美術館、展示ホールについても予約入場制で同じく30%を上限に認める。
イスマイル首相は、クリエイティブ産業が2019年には国内総生産(GDP)の2%に相当する290億リンギを稼ぎ出したと指摘。SOP緩和によって100万人以上のアーティスト、1万9,000社以上の関連会社に利益をもたらすと強調した。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、9月7日)

 

KLとプトラジャヤ、10日付で第2フェーズに移行へ

【クアラルンプール】 シャヒダン・カシム連邦直轄地相は8日、国家復興計画(NRP)第1フェーズに指定されているクアラルンプール(KL)とプトラジャヤについて、10日付けで第2フェーズに移行する見通しだと発表した。最終決定は国家安全委員会(NSC)が行なう。

国内取引消費者行政省によると、第2フェーズに移行すれば、標準的運用手順(SOP)の遵守や新型コロナウイルス「Covid-19」・マネジメント・システム(CIMS3.0)を通じた申請を条件に、すべての流通・販売セクターで営業再開が認められる。製造業についてはすでに、従業員のワクチン接種完了を条件に非必需品関連も稼働制限内での操業再開が認められている。

またシャヒダン氏は、同じ連邦直轄地で現在第4フェーズに移行しているラブアンについては、16日から試験的にトラベルバブルが実施されるランカウイと同様のトラベルバブルが近日実施され、観光客に開放されると明らかにした。

ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の最新の統計によると、首都圏クランバレーの成人人口の97.8%がワクチン接種を完了した。

(フリー・マレーシア・トゥデー、星州日報、9月8日)

新型コロナの感染者数は1万9733人、累計で190万人を超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万9,733人となったと発表した。アクティブ感染者数は24万8,673人で、累計感染者数は190万467人となった。

州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く3,100人だった。それに▽セランゴール(2,989人)▽ペナン(2,474人)▽サバ(2,067人)▽ジョホール(1,867人)▽ケダ(1,564人)▽クランタン(1,471人)▽ペラ(1,319人)▽トレンガヌ(904人)▽パハン(700人)▽クアラルンプール(KL、537人)▽マラッカ(375人)▽ネグリ・センビラン(256人)▽ペルリス(74人)▽プトラジャヤ(29人)▽ラブアン(7人)ーーが続いた。2万2,701人が新たに回復し、累計治癒者は163万2,631人、死者数は361人で、累計で1万9,163人となった。

7日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)の軽症者が98.3%を占めた。
また同日は新たに39カ所のクラスターを確認した。職場で23カ所、コミュニティで13カ所、残りは福祉施設、拘置所、教育機関でクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールが9カ所で最も多かった。

国際金融サービスのエアーウォレックス、送金・両替免許を取得

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フィンテック企業のエアーウォレックス(空中雲匯)は2日、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)から国際送金・両替免許を取得したと発表した。フィンテック・ファイナンスなどが報じた。
営業開始は来年初頭で、マレーシアに拠点を持つ企業に多様な通貨での、国境を越えた送金サービスを提供する。
エアーウォレックスはシンガポールにも拠点があり、マレーシア業務と合わせ、東南アジア業務を強化する。
15年に豪州で創業し、現在は本社を香港に移転している。両地のほか、英国、米国、欧州連合でも免許を取得している。評価額26億ドルの新進企業。
ジャック・チャン最高経営責任者(CEO)は声明で「多くの企業にとり国境を越えた業務は経費、時間が掛かる。この点に着目し創業した。マレーシアに拠点を置く企業は域内参入の意欲があり、わが社のサービスを利用することで本業に専心できる」と述べた。

第1四半期の住宅物件成約件数は44.7%減少=プロパティグル

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 オンライン不動産仲介業者、プロパティグルのデータ分析部門のプロパティグル・データセンスによると、2021年第1四半期の住宅物件成約件数は44.7%減少した。新型コロナウイルス「Covid-19」再流行への不安や経済成長率が予想よりも低かったことが、景況感を悪化させた。
住宅物件成約件数の61.2%は初めて物件を購入した「ファーストバイヤー」(FHB)だった。政府が推進する持ち家キャンペーン(HOC)などが奏功した。
地域別では首都圏、ジョホール州、ペナン州においてそれぞれ成約件数が、56.5%、42.7%、53.8%減少。しかしFHBの成約件数は首都圏、ジョホール州、ペナン州でそれぞれ13.2%、65.2%、0.08%増加した。
物件別ではテラスハウスが54%となり、最も成約件数が多かった。それにコンドミニアム・アパートが18%と続いた。

ランカウイでトラベルバブル、マリンドエアが16日より増便へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ランカウイ島を実験的に観光客に開放する「トラベルバブル」16日に開始されることを受け、マリンドエアとマレーシア航空が、今後拡大が見込まれる旅行需要に応えると支援を表明した。
マリンドエアは、16日よりランカウイ線をスバン空港(LTSAAS、正式名スルタン・アブドル・アジズ・シャー空港)から1日5便、クアラルンプール国際空港(KLIA)から1便運航すると発表した。現在はスバン—ランカウイ間を1日2便だけ運航している。
ムスハフィズ・ムスタファ・バクリ最高経営責任者(CEO)によると、トラベルバブルの開始と16日の「マレーシアデー」を祝うため同日搭乗する全ての顧客を対象に15キログラムの手荷物許容量を無料とすると言明。トラベルバブルが新型コロナウイルス「Covid-19」により最も打撃を受けた航空・観光業などの回復に繋がることを願っていると述べた。その上で従業員のワクチン接種など顧客と従業員双方にとり安全な環境を作ると強調。そのために清掃や消毒など安全対策を強化していると述べた。
またマレーシア航空グループ(MAG)のイザム・イスマイルCEOは、現在ランカウイ空港で1日4便を運航しているが、顧客の需要に応じて増便を行うと表明。また16日の「マレーシアデー」に合わせてキャンペーンを実施するとし、航空券を89リンギから販売する他、旅行部門のMHホリデーズが旅行パッケージを最大50%引きで販売すると明らかにした。また同社のパイロットと客室乗務員のワクチン接種率は100%に達していると強調。そのほかにも新型コロナの対策を実施し安全対策に努めているとした。

エンデミックに備えた規制緩和策、4省トップで検討

【クアラルンプール】 ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相兼任)は、新型コロナウイルス「Covid-19」がエンデミック(風土病)の段階に入るのを見越して、新たな標準的運用手順(SOP)策定と緩和策について4省のトップで近く検討を行なうと明らかにした。
ヒシャムディン氏によると、カイリー・ジャマルディン保健相、テンク・ザフルル財務相、アヌアル・ムサ通信マルチメディア相と近く会合を行い、SOPの調整を行なう方針。話し合う内容には、州・地区を跨いだ移動の自由化やより多くの分野での活動再開を認めることなどが含まれる見通しだ。
ヒシャムディン氏はまた、関係省庁の合意の上で決まったSOPの変更や規制緩和策について、より理解しやすく更新するよう国家安全委員会(NSC)に求めたことを明らかにした。
全国的にワクチン接種が進んでいることから、カイリー保健相は先ごろ、10月末までにはエンデミック(風土病)の段階に入るとの見通しを示し、標準的運用手順(SOP)も簡素化の方向に向かうだろうと述べていた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、9月6日)