スリアKLCCでマスク不着用の白人女性、保健省が捜索へ

【クアラルンプール】 保健省は、クアラルンプールのショッピングモール「スリアKLCC」内の小売店入店時に外国人女性がマスクの着用を拒否した件について、さらなる情報を求めていると発表した。
ツイッターで27日、マスクを着用していない白人女性がスリアKLCCにあるディオールの店舗に入店しようとし、スタッフに止められている映像が大きな話題となった。女性は「ここは自由の国であり、オーナーでもないスタッフが私の入店を止めることはできない」と主張し、「マスクの使用を義務付けているマレーシアは共産主義の国だ」と激しく非難した。映像は広く拡散され、「KLCC」がマレーシアでのトレンド・ワードとなった。
それに対し、カイリー・ジャマルディン保健相は、「郷に入れば郷に従え。マレーシアではマスクをしてください、他国のルールには関係なく」とツイートし、保健省は本件についてのさらなる情報を求めていると述べた。
昨年8月よりマレーシアでは公共の場でのマスク着用が義務化されており、違反者には1988年感染症予防管理法に基づき1,000リンギの罰金が科せられる。
(マレー・メイル、10月27日)

労働安全衛生法の罰則強化、下院議会で可決

【クアラルンプール】「1994年労働安全衛生法」の改正版である「2020年改正労働安全衛生法」が27日、下院議会で可決された。罰金が10万ー50万リンギ、懲役年数も1 ー3年となるなど、罰則が強化された。
新設された第26条では、職場に差し迫った危険があると思われる場合、従業員が雇用主に危険性を通知した後、職場から退去できる権利が与えられた。また、第52条の改正により、取締役は本法が規定する犯罪に対して共同責任を負うことになる。
M.サラヴァナン人的資源相によると、在宅勤務に関しては雇用法の改正により対応する。12月14ー16日の第2読会で扱われる「2021年改正雇用法案」に含まれるという。
同相はまた、労働安全衛生委員会が1ー8月に18万件の職場調査を行った結果、138件が裁判にかけられ、総額156万リンギの罰金が科せられたとし、新法における罰則の強化により、労働者の健康や安全がより守られることになると述べた。
(ザ・スター、10月28日)

第24回日ASEAN首脳会議開催、ワクチンなどについて協議

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 第24回日ASEAN首脳会議が27日、テレビ会議形式で開催された。
岸田文雄首相から冒頭発言を行い、ASEANと連携して「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取り組みを力強く推進する意向を述べた上で、特に日ASEAN友好協力50周年となる2023年に、ASEAN各国首脳を日本に迎え、特別首脳会議を開催し、日ASEAN関係を新たなステージに引き上げる意向を表明。新型コロナ対策については、ASEAN地域に1,600万回分以上のワクチンを供与するとともに、コールド・チェーン整備等のための「ラスト・ワン・マイル支援」を含む累計約320億円の無償資金協力を実施したことを紹介した。また、日本はASEAN包括的復興枠組を支援しており、各国の経済回復に寄与すべく、累計約1,950億円の無利子に近い財政支援円借款を実施していることも紹介。「ASEAN感染症対策センター」については、ASEAN各国の公衆衛生担当者向けの研修開始に触れつつ、日本はセンターが地域の感染症対策の中核となるよう、全面的に支援していく意向を表明した。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、域内のワクチン生産に向けて「ASEAN感染症対策センター」に各国の専門家を派遣して協力することを提案。ワクチン不足や新興感染症に備えることができるとした。日本の支援は非常に大切なものであるとし、これまでの協力や支援に対して謝意を表明。その上で、地域の将来をより良いものにするために、学際的な協力を許可すべきとの見解を示した。一方でサイバーセキュリティに触れ、日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センターにおける協力も強化したいと表明。また厳しい環境の中、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が成功裏のに終わったことに祝意を述べると共に、来年日本で特別首脳会議を開催することにも支持を表明した。

新型コロナの感染者数は6377人、2日連続で6千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は28日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は6,377人だったと発表した。累計感染者数は245万4,749人となった。

27日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,416万5,940人で、接種率は74.0%。成人の接種者数は2,221万4,490人で、接種率は94.9%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.94に上昇した。

27日には7,595人が回復し、累計治癒者は累計で234万7,985人。死者数は98人増え、累計で2万8,674人となった。アクティブ感染者は、1,545人減の7万1,713人。アクティブ感染者数のうち、77.2%が自宅、13.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.6%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。

また新たに9カ所のクラスターを確認。職場で6カ所、教育機関とコミュニティ、医療センターでそれぞれ1カ所となった。州・地域別ではKLで4カ所、セランゴールで2カ所、クランタン、ケダ、ペラでそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

来年度予算案に「驚く要素」盛り込む=イスマイル首相

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、29日に発表される2022年度予算案について、「Keluarga Malaysia(マレーシア家族)」精神に則ってすべての国民に恩恵をもたらす「驚く要素」が盛り込まれると言明した。
イスマイル首相は、予算案が「国民から、国民による、国民のため」の予算案になると言明。新型コロナウイルス「Covid-19」によってもたらされた国難から誰も取り残されないように配慮したものなるとした上で、B40、M40グループや零細業者への支援、中小企業が資金を利用できるようにするための支援策が盛り込まれると言明。失業対策として多くの雇用を創出し、新常態への転換と共に国と経済をパンデミック前のレベルに戻すものになると強調した。
イスマイル首相は、予算案策定にあたって包括的で透明性のあるものとするために政府のネットを通じて募った5万を超える一般国民からの提案を考慮したと言明。パンデミックによって悪影響を受けた企業を回復させ、労働者に恩恵をもたらす税制上の優遇措置を求める産業界の声にも配慮したと述べた。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、10月27日)

ベルジャヤ、ペルリス初の「スターバックス」を年内オープン

【クアラルンプール】 ベルジャヤ・フードは、年内にペルリス州に初のコーヒーチェーン店「スターバックス」の新店舗をオープンする。これにより全州に出店することになる。
ベルジャヤ・フードが26日、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に提出した年次報告書によると、2022年度(2022年6月30日締)には通常店38店舗に加え、高級ライン「スターバックス・リザーブ」のドライブスルー対応店1店舗の新規出店を計画している。今後は、地元の人々が親しみを感じられるようなマレーシア独自の要素を織り込んだ店舗デザインに注力し、顧客の好みに応じた革新的な食品・飲料の提供を続ける。同時にポイントプログラム「スターバックス リワード」を推進し、顧客管理システムの改善などIT強化にも取り組む。また、地域活性化への取り組みの一環として、地元からの食品の原材料調達を続けるという。
ベルジャヤ・フードの完全子会社であるベルジャヤ・スターバックス・コーヒーが国内のスターバックスを運営。第1号店は1998年12月17日、クアラルンプール中心部にある「ファーレンハイト88」(旧KLプラザ)内にオープン。今年3月には国内最大規模のスターバックス・リザーブ店舗である「トロピカーナ・ガーデンズ・リザーブ」、5月にはスターバックス・リザーブのドライブスルー対応店「エコ・マジェスティック」を開店した。今年6月30日時点でペルリス州を除く州・地域で合計327店舗を展開。今年新規オープンした6店舗を含め、ドライブスルー対応店は合計58店舗に及んでいる。
(エッジ、10月26日、ベルジャヤ・フード発表資料)

タイとの現地通貨決済枠組みを拡大、相手国居住者にも適用

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアとタイの中央銀行は26日、互いの現地通貨による決済の枠組みを拡大することで合意した。12月1日付で施行する。貿易、直接投資の決済に米ドルなど主要通貨ではなく、リンギ、バーツの利用を推進する。
同枠組みでは、マレーシアの事業体、個人はマレーシアでバーツ建て金融サービスを利用でき、外為リスクを軽減できる。
新たな枠組みでは、マレーシアに居住するタイの個人、タイに居住するマレーシアの個人も適用対象にする。当局は文書の簡素化など外為手続きもさらに柔軟にする。
合意書の署名に当たったタイ中銀のマテー・スパポンセ副総裁は「枠組み拡大は東南アジア諸国連合(ASEAN)の金融統合にも貢献する」と述べた。
今回、HSBC、スタンダード・チャータード銀行のマレーシア、タイ法人が取り扱い行に認定された。マレーシアで既に認定されている銀行には日系のMUFG(マレーシア)が含まれる。
マレーシア、タイはインドネシアとも同様の協定を交わしている。

第3四半期の求人数、前年比2.5倍に=JACリクルートメント

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ジェイエイシー(JAC)リクルートメントは26日、2021年7ー9月の「アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向」を発表した。マレーシアの求人数は前年同期に比べ2.5倍となったが、前期比では5%減少した。
段階的な規制緩和とともに、各社の採用意欲も少しずつ回復している状況がうかがえた。特に外資系の求人数に関しては、前期比、前年同期比、コロナ禍前の2019年の同期比で見ても増加しており、各社の積極な姿勢が見られた。一方で日系企業の求人は、2019年同期比で8割弱程度と新型コロナ発生前の状態までには至らないものの、一部新規採用を凍結していた企業も交代要員の採用を中心に、採用意欲が回復。特にフェーズ3に入った9月半ばから、日系企業の中でも特に電気・電子部品メーカー、商社、建築業を中心に採用活動が活発化している。
業界全体を俯瞰し2019年第1ー3四半期と今年の同時期の求人数を比較した場合、ヘルスケア・製薬(355%増)、ペイメントソリューションを含む金融(227%増)、ICT(54%増)が伸展著しい業界となっている。また、日系・非日系を問わず、マレーシアへの新規参入・新規投資(セミコンダクター・メディカルが中心)と共に、政府の積極誘致政策もあり、スタートアップ企業からの求人需要も増えており、コロナ禍以前との大きな違いが出ている。
求職者の動向としては、日本での緊急事態宣言解除と共に、転職活動を再開する求職者が増えている。一方、就労ビザ発給については、今までの未処理案件の累積により依然として遅延傾向が続いているものの、新フェーズ移行にともない徐々に解消されつつありる。
マレーシア人の求職者は、まだ慎重姿勢を崩していないが、キャリアパス、安定性、基本給の15ー20%増が見込める求人に対しては積極的に応募をしている。IT人材については引き続き需給が逼迫しており30%、時には50%増の給与レベルを提示する企業も出ている。またリモートワークが長期化し浸透する中で、柔軟な勤務形態を求める求職者が増えているのも最近の傾向となっているという。

新型コロナの感染者数は6148人、再び6千人上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は27日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は6,148人だったと発表した。累計感染者数は244万8,372人となった。
26日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,404万2,758人で、接種率は73.6%。成人の接種者数は2,219万1,734人で、接種率は94.8%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.91に上昇した。
26日には5,607人が回復し、累計治癒者は累計で234万390人。死者数は84人増え、累計で2万8,576人となった。アクティブ感染者は、35人増の7万3,258人。アクティブ感染者数のうち、77.1%が自宅、13.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、9.0%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに7カ所のクラスターを確認。職場で5カ所、教育機関とコミュニティでそれぞれ1カ所となった。州・地域別ではジョホールで2カ所、ケダ、サバ、ネグリ・センビラン、マラッカ、ペラでそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

コロナで保険意識高まるも加入率は38%=チューリッヒ調査

【クアラルンプール】 保険大手のチューリッヒ・マレーシアが実施した調査で、新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックが国民の保険に対する意識を高めることになったものの、保険料負担がネックとなって加入率が38%にとどまっていることが分かった。
新型コロナが国民の保険に対する意識に与えた影響に関する調査は9月下旬に実施したもので、1,201人から回答を得た。84%が新型コロナによって保険加入の必要性に対する認識が高まったと回答。72%は余裕があれば最大200リンギを保険に充てたいと答えた。
一方で62%は新型コロナが保険商品の購買力に影響を及ぼしたと回答。38%がいまだ個人向け生命保険に加入しておらず、そのうち60%が金銭的理由を挙げた。加入する余裕がないと答えた率は全体の23%に上った。
ただ非加入の理由については、保険に関する情報が乏しいとの回答も29%あり、不要と思うとの回答も23%、保険業に対するネガティブ感情を理由に挙げた率も10%あった。また雇用者が加入している保険があるから不要との回答も12%あった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ボルネオ・ポスト、エッジ、10月26日)