駐在員パス取得費用を大幅引き上げ=タレントコープ

【クアラルンプール】 人的資源省傘下の人材公社、タレント・コープが先ごろ、外国人駐在員パスの取得費用を大幅に引き上げると発表。マレーシア経営者連盟(MEF)は企業の負担を増す誤った政策であり、景気回復を危うくしかねないと懸念を示している。
タレント・コープの発表によると、11月15日より雇用パス(EP)は480リンギから800リンギに、プロフェッショナル訪問パス(PVP)は100リンギから800リンギに、扶養家族パス(DP)は83リンギから450リンギにそれぞれ大幅に引き上げることになっている。
MEFのサイド・フセイン会長は、「景気回復に向けてより多くの投資を呼び込み、既存の投資家を維持できるようにするために非常に重要な段階にある」と強調した上で、駐在員向けパス取得費用の大幅増額は企業に混乱を引き起こし、パス更新を困難にさせ事業継続を難しくする懸念があると指摘。企業があらゆる支援を必要としている中にあって、企業のコスト負担を増すのではなく、むしろ投資を呼び込むためにより良い条件を提示すべきだとした。
(ヴァイブス、ザ・サン、10月7日、ベルナマ通信、10月6日)

ジョホール州がNRP第3段階へ、パハン州も第4段階に

【ペタリンジャヤ】 ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相)は、8日付けでジョホール州が国家復興計画(NRP)の第2フェーズから第3フェーズに移行すると発表した。パハン州も同日第3フェーズから第4フェーズに移行する。
ワクチン接種完了と標準的運用手順(SOP)厳守を条件とした規制緩和も行われる。具体的には、9日付けで、▽卸売市場の営業時間延長(地方自治体の免許に基づく時間帯での営業を許可)▽寺院・協会での結納・挙式▽質店の公開オークション(認定競売業者54社のみ、毎月1日と7日の30分間限定、第2フェーズでは従業員の定員60%まで、入札者定員50%まで、第3フェーズでは従業員・入札者とも定員80%まで、第4フェーズでは定員100%)▽たばこ部門の営業再開(第2フェーズ以降)ーーが可能となる。SOP詳細は、ウェブサイト(www.mkn.gov.my)から入手できる。
同相は、SNSでのハッシュタグ「#ReopeningSafely」(安全に再開する)についても取り上げ、現状に満足するのではなく、今後も新型コロナウイルス「Covid-19」と共存しつつ生活していくことを認識すべきだと強調。規制緩和が行われても、引き続きSOPを厳守し、自分自身を守るよう国民に呼びかけた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、10月5日)

海外でのワクチン接種、アプリでデジタル証明書申請可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)は、海外でワクチンを接種した人もデジタル接種証明書を申請することができるようになったと発表した。
JKJAVのツイッターへの投稿によると、新型コロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」に、海外でのワクチン接種者の証明書取得機能が追加された。希望者はアプリの「ヘルプデスク」からオプション「N(I have received vaccination overseas and would like to obtain my digital certificate in MySejahtera)」を選択。その後、個人情報や接種回数などを入力し、証明書の写真をアップロードする。承認後、アプリに「接種済み」と表示され、それを証明書として使用することができるという。
マレーシア政府による新型コロナ関連情報提供ウェブサイト「コビドナウ(Covidnow)」によると、6日午後11時59分時点で、ワクチン接種を終えたのは2,091万5,720人。全人口のワクチン接種率は64.0%となった。74.1%となる2,420万366人が1回目のワクチンを終えている。

新型コロナの新規感染者数は9890人、サラワクが最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は9,890人だったと発表した。累計感染者数は231万3,727人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く1,413人だった。それに▽セランゴール(1,402人)▽クランタン(1,032人)▽ジョホール(993人)▽サバ(820人)▽ペラ(794人)▽ペナン(721人)▽トレンガヌ(699人)▽パハン(564人)▽ケダ(503人)▽マラッカ(260人)▽クアラルンプール(KL、250人)▽ペルリス(200人)▽ネグリ・センビラン(180人)▽プトラジャヤ(59人)ーーが続いた。ラブアンはゼロだった。
6日には、1万3,045人が回復し、累計治癒者は累計で214万4,681人となり、死者数は105人で、累計で2万6,981人となった。アクティブ感染者は、前日から3,770人減少し、13万2,175人となった。アクティブ染者数のうち、80.9%が自宅、12.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、6.1%が医療機関、0.6%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また同日は新たに11カ所のクラスターを確認。うち職場で5カ所、コミュニティで5カ所、福祉施設で1カ所のクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンが6カ所で、最も多かった。そのほかジョホールで3カ所、セランゴールとネグリ・センビランでそれぞれ1カ所発生した。

数日中に州跨ぎの移動が解禁に=ノール保健事務次官

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の成人ワクチン接種率が州を跨いだ移動が自由化される目安である90%に近づいており、保健省のノール・ヒシャム事務次官は「数日中に解禁になるだろう」と言明。ただし解禁後もマスク着用、社会的距離の維持などの標準的運用手順(SOP)を順守し、定期的にRTK抗原検査を受けるよう呼びかけた。
ワクチン接種率は6日時点で88.8%。前日から0.4ポイントアップしており、このペースだと一両日中にも90%に到達する。6日だけで20万9,907回分の接種が行われた。成人人口の94.6%が少なくとも1回の接種を行っており、12 17歳の未成年も4.1%が接種を終えている。
産業界では期待の声が上がっている。マレーシア旅行代理店協会(MATTA)のタン・コクリャン会長は、州間移動の許可が観光産業の回復を助けるだけでなく、現時点でランカウイだけに利益をもたらしている「トラベル・バブル」とは異なり、全国の中小企業にも利益になる相乗効果をもたらすだろうと述べた
マレーシア小売チェーン協会(MRCA)も、州間移動の再開が国内観光を回復させ、観光客の高い支出傾向により小売業界にも利益をもたらすと指摘した。
サンウェイ大学のイア・キムレン教授は、より広範囲での経済的・社会的活動が可能になり、それが消費支出を押し上げるだろうとした上で、イスラエルやシンガポールなどのワクチン接種完了国における新たな発症件数の増加は消費者心理を慎重にさせる可能性が高いと指摘した。