スーパーマックス製品も米国で禁輸措置、強制労働で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 米国税関国境警備局(CBP)は20日、強制労働を行っている合理的な情報があるとしてマレーシアのスーパーマックス・コーポレーション製ゴム手袋の輸入を禁止すると発表した。
違反商品保留命令(WRO)の対象となったのは、スーパーマックスの完全所有子会社であるマクスター・グローブ・マニュファクチャリング、マクスウェル・グローブ・マニュファクチャリング、スーパーマックス・グローブ・マニュファクチャリングが製造したゴム手袋。
CBPによると、調査の過程で11項目の強制労働指標のうち10項目で違反が確認された。スーパーマックス及び子会社が米国の貿易法に違反し、強制労働を通じて手袋を製造していると結論付ける「十分な証拠」を持っているという。
マヨルカス米国土安全保障長官は声明の中で、「今回のWROを通じて、バイデン政権は強制労働によって製造された製品を米国に持ち込ませない方針を引き続き明確にしている」と述べた。
マレーシアのゴム手袋メーカーでは、世界最大手のトップグローブが2020年7月に同様の輸入禁止措置に遭い、WRPアジアパシフィックも2019年9月に禁輸措置を受けた。

海上輸送運賃が7倍に、輸出品の競争力が低下=荷主協会

【クアラルンプール】 マレーシア全国荷主協会(MNSC)が実施した調査によると、海上輸送運賃が新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前と比較して最大で7倍上昇しており、過去最高の水準となっている。
アンディー・ソー会長によると、サプライチェーン(供給網)の混乱が起きた上、船舶やコンテナ不足が起きたことで、海上運賃が上昇した。そのため荷主の間では上昇したコストを吸収したり、消費者への転嫁を余儀なくされたという。その結果、マレーシアからの輸出品の価格が高騰し、世界的な競争力が低下しているという。この状況がいつ正常化するか見通しが立っていないため、荷主は複数の輸送業者に依頼したり、他の荷主とコンテナや船舶スペースを共有したり、海上輸送ではなく、空路や陸路、鉄道などを使用した輸送の検討を行うなど対策を講じている。
MNSCは、国内の物流大手との間で海上輸送以外の代替案について協議した。また運輸省や物流業界関係者との間で連携して正当な料金に戻せるよう取り組んでおり、海外当局に対しても輸送量を拡大するよう働きかけを実施。また政府に対して、マレーシア対外貿易開発公社が運営する市場開発基金(MDF)が給付する運輸費用の補助金が年末で打ち切られることから、延長を求めている。
(マレーシアン・リザーブ、10月20日)

製造業などで7.7万人分の人手が不足=全国商工会議所

クアラルンプール】 マレーシア全国商工会議所(NCCIM)は、新型コロナウイルス「Covid-19」から経済が回復する中、製造業や建設業など特定のセクターが労働力不足に直面しており、会員企業835社で合計7万7,721人分の人手が足りていないと明らかにした。
NCCIMの緊急調査によると、不足が指摘されている7万7,721人分の労働力の77.1%を製造業が占めており、建設業が11.2%、その他サービス業が8.9%を占めた。
NCCIMのロウ・キエンチュエン会長は、2年近く続いた再三の操業規制と緩和によるオンオフ状態の中で外国人労働者の雇用期間切れや他のセクターからの労働者の横取りなどで労働者不足が起きていると指摘。こうした問題を迅速に解決するよう政府に要請した。
このほか複数の業界団体から得られたデータによると、農園が7万人の外国人労働者を必要としているほか、ゴム手袋産業が2万5,000人、家具製造が3万人、建設が20万人、製造業が2万5,000人、サービス業が4万5,000人、プラスチック産業が6,293人を必要としているという。
外国人労働者の数は現在110万人で、2018年の190万人から比べて80万人減少している。国内の失業者25万人で埋めたとしても、残り50万人以上の人員が不足するという。
(ザ・スター、10月21日)

新型コロナの感染者数は6210人、4日ぶりに6千人台に増加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は6,210人だったと発表した。累計感染者数は241万3,592人となった。
20日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,326万5,448人で、接種率は71.2%。成人の接種者数は2,204万7,448人で、接種率は94.2%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す20日の基本再生産数(R0/RT)は0.86に下がった。
20日には9,401人が回復し、累計治癒者は累計で229万7,289人となり、死者数は76人で、累計で2万8,138人となった。アクティブ感染者は、前日から3,961人減少し、8万3,223人となった。アクティブ感染者数のうち、77.1%が自宅、14.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.8%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。

また新たに4カ所のクラスターを確認。職場で3カ所、教育機関で1カ所となった。州・地域別ではペセランゴールで2カ所と最も多く、2カ所共に職場に関連したクラスターだった。その他、ペナンとKLでそれぞれ1カ所のクラスターを確認した。

日系企業の景況感が悪化もコロナ前の水準維持=JACTIM

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は21日、JACTIM会員企業を対象に実施した2021年下期の景気動向調査を発表。「良好」から「悪化」を引いたDI値がマイナス20.4となり、大きく持ち直した前期から8.6ポイント悪化したものの、新型コロナウイルス「Covid-19」以前の同等水準は維持した。  同調査は半年に1度行なっているもので、72回目となる今回は2021年9月1日から9月30日にかけて会員企業552社を対象に実施し、191社(製造業120社、非製造業71社)から回答を得た。長期間の行動規制による経済低迷や操業率低下を要因とする声が多かった。来期についてはプラス3.1への改善が予測されている。  従業員数DIはマイナス15.2と、3期ぶりに不足に転じた前回よりさらに13.4ポイント悪化。不足傾向が強まっており、来期予測値もマイナス20.4とさらに悪化する見込みとなった。  業界の需給判断DIはプラス15.7と、需要超過が鮮明化。来期は1.1ポイントの小幅増予測と上昇の一服が見込まれるも、需要超過状態が継続される見込み。  業績に影響を与える要因については、回答企業のうち86.9%が新型コロナによる影響を挙げたほか、66.5%が規制変動を挙げた。一方、米国、欧州、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中国の経済動向や米中貿易摩擦等他国の経済動向による影響との回答は減少を示した。