第2四半期のオンライン求人数、4四半期連続増加=統計局

【ペタリンジャヤ】 統計局の発表によると、今年第2四半期のオンライン求人情報数は4四半期連続で増加の9万502件となり、第1四半期の9万218件からは0.3%(284件)増加した。
国内で最も求人数が多いのは広告・マーケティング分野で、現在7,000件以上の求人がある。その他の職種では、▽事務系専門職(5,653件)▽取締役・最高経営責任者(4,112件)▽会計士・監査役(3,675件)▽ソフトウェア開発者(3,296件)ーーなどの求人が多くなっている。専門職の求人が50.8%で、次いで技術者および準専門職(19.2%)、管理職(18.4%)。求人の多い業種は、▽科学技術▽製造業▽卸売・小売業▽自動車・オートバイ修理業▽金融・保険▽宿泊・飲食サービス業ーーなど。州・地域で見ると、クアラルンプールがトップで4万2,163件、これに▽セランゴール州(1万7,696件)▽ジョホール州(6,403件)▽ペナン州(5,598件)▽ペラ州(1,237件)ーーが続いた。
求人の63%が技術職業教育訓練(TVET)関連の職種で、次いで科学技術・工学・数学(STEM)関連が27%。STEMカテゴリーでは、ソフトウェアエンジニアの求人が850件でトップとなり、▽プロジェクトマネージャー(754件)▽グラフィックデザイナー(725件)▽技術者(723件)▽エンジニア(490件)ーーと続いた。
今年8月の失業率は、7月に比べて0.2ポイント減少の4.6%。失業者数も前月比で3.8%減少し、6月と7月に増加した後初めての減少となった。統計局は、国内経済が回復するにつれ、労働市場も回復傾向にあると指摘。感染状況の見通しの不透明さが今後数ヶ月間の労働市場にも影響を与える可能性があるが、国家復興計画(NRP)により経済を安全に再開したことで経済も徐々に回復していくと予想した。
(ザ・スター、10月26日)

輸出競争力強化の5カ年計画を発表、モノの輸出で地位回復へ

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は25日、輸出競争力を強化するための5カ年計画「国家貿易青写真(2021ー2025年)」(NTBp)を発表した。マレーシアは2000年代初頭には輸出額で世界20位以内にランクされていたが、10年以降は競争力を弱め輸出シェアが縮小し、タイ、ベトナムに抜かれている。
青写真はマレーシア貿易開発公社(MATRADE)がまとめた。8つの戦略、40の実行可能な行動計画で構成している。官民が協力して貿易分野の多角的な構造改革に取り組み、モノの輸出で上位20位以内の地位回復を目指す。
推進には官民の専門家で構成する作業グループが当たり、輸出にかかわる省庁の担当者で構成する委員会が監督する。
マレーシアは世界経済フォーラムの国際競争力指数でも2018年の25位から2019年は27位に順位を落としており、技術、金融面の立ち遅れをNTBpは指摘した。ベトナム、タイ、インドネシアが外国直接投資(FDI)を増やすなか、マレーシアは減少していることも競争力の低下を示しているという
(マレー・メイル、ベルナマ通信、10月25日)

緊急令の廃止、下院議会で正式可決

【クアラルンプール】 下院議会は25日、非常事態宣言下で発令されていた7つの緊急令の廃止について全会一致で可決した。感染対策に関する緊急令の廃止に伴い、違反した際の罰則や罰金も引き下げられる。
 廃止の対象となるのは、▽2021年緊急令(基本権限)▽2021年改正緊急令(感染症の予防と制御)▽2021年改正緊急令(従業員の住宅、宿泊施設、アメニティの最低基準)▽2021年緊急令(基本権限)第2号▽2021年改正緊急令(基本権限)▽2021年改正緊急令(犯罪者の強制出頭)▽2021年改正緊急令(国家信託基金)ーー。
 審議では、多くの議員が非常事態は失敗だったとし、緊急令の失効についても、非常事態宣言終了後ではなくもっと早い段階で議論すべきだったとの見解を示した。
非常事態宣言は8月で終了したが、緊急令については先ごろワン・ジュナイディ首相府相(法律・国会担当)が「来年2月まで引き続き適用される」と述べていた。
緊急令については、7月に当時首相だったムヒディン・ヤシン氏が、アブドラ国王の承認なしに無効にすると発表したことで大きな非難を浴び、政権維持のための過半数議席が確保できなくなり、その結果首相を辞任するに至った。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、10月25日)

ランカウイの外国人観光客への開放、全ての国が対象

【クアラルンプール】 11月15日からランカウイが外国人観光客にも開放されることになったが、ナンシー・シュクリ観光芸術文化相は、一部の国だけでなく全ての国を対象とすると明らかにした。
先の発表では対象国を一部の国に限定するとなっており、外務省、保健省、および入国管理局が対象国を決定するとなっていた。ナンシー大臣は新型コロナウイルス「Covid-19」蔓延を抑制するための厳格な手続きが実施されることから制限を設けない方針が採用されたと説明した。
外国人観光客はすべて観光省に認定されたツアーオペレーターを通すことが求められ、感染が発覚するなどの問題が生じた際はツアーオペレーターが責任を負う。
ランカウイの外国人観光客への開放は3カ月間の試験運用で、▽ワクチン接種を完了したこと▽18歳未満の未接種者は接種を完了した保護者の同伴が必要▽最低3日間の滞在▽情報・追跡アプリ「MySejahtera」ダウンロード▽渡航72時間前のRT-PCR感染検査の陰性証明▽8万米ドル以上の海外旅行保険加入——などが許可条件となっている。
(ベルナマ通信、マレー・メイル、10月25日)

新型コロナの感染者数は5726人、再び5千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,726人だったと発表した。累計感染者数は244万2,224人となった。

25日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,390万6,468人で、接種率は73.2%。成人の接種者数は2,216万6,633人で、接種率は94.7%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.89に上昇した。

25日には7,414人が回復し、累計治癒者は累計で233万4,783人。死者数は92人増え、累計で2万8,492人となった。アクティブ感染者は、前日から2,724人減少し、7万3,223人。アクティブ感染者数のうち、77.3%が自宅、13.3%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.5%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。

また新たに6カ所のクラスターを確認。職場で3カ所、教育機関で2カ所、コミュニティで1カ所となった。州・地域別ではジョホールとケダでそれぞれ2カ所、セランゴールとクランタンでそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

消費者信頼感指数は大幅上昇、経済V字回復へ=MIER

【クアラルンプール】 独立系シンクタンクのマレーシア経済研究所(MIER)の調査によると、2021年第3四半期の消費者信頼感指数(CSI)は101.7ポイントと大幅上昇した。CSIが100以上となったのは、2018年第3四半期以来。
MIERは、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種完了者を対象に移動制限が緩和されたことにより、消費者に安心感がもたらされ購入意欲が高まっているとし、今後数カ月間、耐久消費財への支出も促進されると分析した。
2021年の実質国内総生産(GDP)成長率も4.0%と予想。パンデミック前の平均の4.9%は下回るが、経済が順調にV字回復しているとした。内需拡大、輸出の継続的な成長、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)の外貨準備高増加、外国投資の増加などの兆候が見られるという。経済が再開し、輸入も増加していることから、民間消費・民間投資は今後数四半期にわたり継続的に好調を維持すると予想。一方、遅行指標である不良債権の増加、就職率の低下、不動産の供給過剰、金融市場状況など、成長を鈍化させる要素についても今後注視していく必要があるとした。
経済全体の改善が見込まれる反面、政府の財政赤字は拡大すると予想。6月末時点での債務残高は9,584億リンギとGDPの61.1%に上っているため、今後、物品・サービス税(GST)の再導入が考えられるとした。
(エッジ、ベルナマ通信、10月22日)

ランカウイで外国人観光客受け入れ、3カ月試験実施

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国内旅客向けに「トラベルバブル」第一号となったランカウイについて、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は11月15日から一部の国の外国人観光客にも開放すると発表した。試験的に向こう3カ月間実施する。
▽新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を完了したこと▽18歳未満の未接種者は接種を完了した保護者の同伴が必要▽最低3日間の滞在▽情報・追跡アプリ「MySejahtera」ダウンロード▽渡航72時間前のRT-PCR感染検査の陰性証明——が許可条件。対象国は外務省、保健省、および入国管理局によって決定される。
また8万米ドル以上の海外旅行保険に加入し、正規のツアーオペレーターを通すことが求められる。また約定書(LoU)の提出が求められる。
マレーシア到着後の隔離はないが、RT-PCR検査を、クアラルンプール新国際空港(KLIA)を経由する場合は到着後に、直接ランカウイに飛ぶ場合は2日目に受けなければならない。またランカウイを離れる3日前にRT-PCR検査を受ける必要があり、3日間滞在の場合はそのまま出国できるが、5日以上滞在する場合は5日目にRT-PCR検査を受けなければならない。検査費用はすべて観光客が負担する。
陽性と判定された場合、旅行者のカテゴリーに応じて、隔離センター、検疫施設、または私立病院に収容する。

州議選控えたマラッカ州、感染予防のため選挙集会を禁止

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マラッカ州議会の選挙戦が始まることを受け、カイリー・ジャマルディン保健相は選挙絡みの集会や説教(Ceramah)社交行事を10月25日から11月27日まで禁止すると発表した
新型コロナウイルス「Covid-19」の感染再拡大を防ぐためで、「2021年感染症防止コントロール規則」を適用し、選挙絡みの宗教、スポーツ、娯楽、社会、文化など目的を問わず、集会を開催することが禁じられる。マラッカ州議会選挙の公示は11月8日、投開票は11月20日に行なわれる。
集会の禁止が発表されたことを受け、同州与党連合の国民戦線(BN)、野党連合の希望同盟(PH)の幹部や人権団体などからは批判の声が上がっている。
BN構成党の統一マレー国民組織(UMNO)幹部は、対面での選挙活動を禁止することは民主主義を損なうものだと批判。PH構成党の民主行動党(DAP)幹部は、選挙活動が制限されることは織り込み済みだったとし、代わりにオンラインによる選挙活動に力を入れていくと述べた。
一方、民主的な選挙を求める非政府組織、「Bersih2.0」は、選挙委員会がテレビ討論会など選挙活動の代替案を各党に提示すべきだと指摘した。

シンガポール、マレーシア人の入国制限を緩和

【ペタリンジャヤ】 シンガポール保健省は27日付けで、マレーシアからシンガポールへ入国規制を緩和すると発表した。
シンガポールは、各国のワクチン接種率に応じて1ー4のカテゴリーに分類し、隔離措置を定めている。マレーシアはこれまでカテゴリー4だったが、27日付けでカテゴリー3に変更となった。それに伴い、隔離は事前申告した滞在先(宿泊施設や個人宅など)において10日間となり、隔離終了時にPCR検査を受検する。これまで必要だった到着時のチャンギ国際空港でのPCR検査および隔離3日目・7日目の抗原迅速検査は不要となったが、隔離施設が用意されなくなるため、万が一滞在先が隔離に不適切な場合には自身でホテルなどを確保する必要がある。隔離措置はワクチン接種の有無、家族構成、渡航歴などを問わず適用されるが、シンガポール労働省発行の長期滞在パス保持者(LTPH)は別途追加条件が必要となる。隔離期間中は電子監視装置の装着が義務付けられ、違反者や虚偽申告者は罰せられる。
マレーシア以外に27日付けでカテゴリー3となるのは▽カンボジア▽エジプト▽ハンガリー▽インドネシア▽イスラエル▽モンゴル▽カタール▽ルワンダ▽サモア▽セイシェル▽南アフリカ▽トンガ▽アラブ首長国連邦▽ベトナムーー。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、10月23日)

新型コロナの感染者数は4782人、4カ月ぶり4千人台に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は25日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は4,782人だったと発表した。6月22日(4,743人)以来、およそ4カ月ぶりの4,000人台となった。累計感染者数は243万6,498人となった。
24日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,376万6,414人で、接種率は72.8%。成人の接種者数は2,214万3,545人で、接種率は94.6%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.88となった。
24日の新規感染者は5,666人。6,978人が回復し、累計治癒者は累計で232万7,369人。死者数は46人増え、累計で2万8,400人となった。アクティブ感染者は、前日から1,358人減少し、7万5,947人。アクティブ感染者数のうち、77.9%が自宅、13.5%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.8%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに3カ所のクラスターを確認。州・地域別ではジョホールで2カ所(職場と重症化リスクの高いグループ)のクラスターを確認。セランゴールではコミュニティで1カ所のクラスターが発生した。