マレーシアを電気電子産業の域内ハブへ=ムスタパ首相府相

【ペタリンジャヤ】 マレーシアは電気・電子(E&E)産業の域内ハブとなることを目指している。ムスタパ・モハメド首相府相(経済担当)が14日、E&E分野の展望に関するウェビナーで明らかにした。
ムスタパ氏は、「E&E部門はマレーシアの産業発展に重要な役割を果たしており、半導体製造の後工程では世界の13%を占めている」と述べた。また、E&E製品は輸出の40%を占め、貿易総額も今年の年初8カ月間で4,770億リンギに達しているとし、2025年までにE&E部門がGDPのうち1,200億リンギを占めることになると予測した。
一方、E&E業界は課題に直面しているという。ムスタパ氏によると、今後さらなる成長を続け、国際競争力を維持するためには、熟練人材の不足や国内での研究開発が不十分といった問題について取り組む必要がある。そのことから政府はE&E業界の成長のためにより良い環境を整えることを約束していると強調した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月14日)

貯蓄できない人が増加、長引くパンデミックで=調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 金融比較サービスのリンギプラスが実施した「マレーシア人の金融行動に関する調査」によると、「まったく貯蓄ができない」と回答した人は、昨年の19%から今年は21%に増加し、31%は月に500リンギ以下の貯蓄しかできていないことがわかった。
毎月の貯金額について、「500ー1,000リンギ」との回答率は25%、「1,001ー1,500リンギ」が8%、「1,500リンギ以上」が15%。また51%が「失業したら3カ月以上生活できない」、28%が「失業しても半年は生活できる」と回答した。
ミレニアル世代(18歳ー35歳)は、より深刻な状況にあり、「失業したら1カ月以上生活できない」(全世代平均20%)との回答が24%に及び、57%が「失業したら3カ月以上生活できない」と回答。また、45%が「収入金額もしくはそれ以上の支出をしている」、55%が「退職後の生活設計をしていない」(全世代平均44%)と答えた。 貯金の目的は、63%が「緊急用資金」(昨年調査では27%)。45%が「退職後の生活のため」、41%が「旅行」、39%が「新規不動産購入」が挙がった。長引くパンデミックにより緊急資金の重要性に気づく人が増えたという。
また、クレジットカードの所有率は昨年比10ポイント以上減少し、非保有が45%となった。カード保有者の中でも複数枚持ちしている人は減少した。
退職後の生活設計については、30%が「従業員積立基金(EPF)の積立額は退職後の生活に十分ではない」と回答(昨年は15%)。所得が減少した国民の生活支援のため、EPFの一部取り崩しが許可されたことからEPFに対する意識が高まったと見られる。
「マレーシア人の金融行動に関する調査」は2018年より開始された調査で、2021年版は全国の3,033人を対象にオンラインで実施。そのうち1,518人分を人口比に沿った層別抽出により集計した。

低所得者層向けローン返済支援プログラム、11月15日から

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 連邦政府は、「財務管理・耐久プログラム(URUS)」と称する低所得者向けローン返済支援プログラムを実施すると発表した。11月15日から申請受付を開始し、2022年1月31日が締め切りとなっている。
政府がこれまで行ってきた新型コロナウイルス「Covid-19」により影響を受けたグループに対する支援策を補完するもので、世帯収入が下から50%を占める5,880リンギ以下の低所得者層(B50)を対象としたローン返済支援プログラム。3カ月の金利免除、利率引き下げを含む24か月の低額分割払いなどが受けられる。また無担保ローン/ファイナンスや個人のクレジットカード所有者も、金利引き下げの恩恵を受けることができる。
銀行セクターとクレジット・カウンセリング債務管理機関(AKPK)が共同で行うもので、銀行セクターは同プログラム実施のために合計10憶リンギを割り当てている。

マレーシアは転換期、年内に経済は完全再開=財務相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル財務相は、現在マレーシアが新型コロナウイルス「Covid-19」のダメージから回復に向かう転換期にあると指摘。感染拡大防止のために制限を受けてきた経済が年内には完全再開するとの見通しを示した。
バーチャル形式で行われた「インベスト・マレーシア2021」で行った講演の中でザフルル氏は、▽第2四半期の国内総生産(GDP)の力強い回復▽8月の失業率が4.6%に改善▽8月の製造売上高が前年比6.8%増▽8月の輸出額が同23%増▽8、9月の外国人投資家による株式市場投資額が20億リンギの純流入▽上半期の外国直接投資(FDI)が前期比70%増 ーーなどを例示。国家回復計画(NRP)の成果で広範囲で経済に回復の芽吹きが感じられると述べた。
その上で、2022年のマレーシアGDP成長予想を世界銀行と国際通貨基金(IMF)がそれぞれ5.8%、6.0%と予想していることを挙げて、来年の経済成長がパンデミック前に戻るのに先だって年内には経済が完全に以前の状態に戻るとの見通しを示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、ザ・スター、10月14日)

新型コロナの感染者数は7420人、再び7千人台に減少

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は15日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は7,420人だったと発表した。累計感染者数は237万7,033人となった。
14日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,190万7,522人で、接種率は67.1%。成人の接種者数は2,135万5,550人で、接種率は91.2%となった。基本再生産数(R0/RT)は0.88だった。
14日には1万2,456人が回復し、累計治癒者は累計で224万345人となり、死者数は88人で、累計で2万7,681人となった。アクティブ感染者は、前日から4,460人減少し、10万1,587人となった。アクティブ感染者数のうち、77.2%が自宅、14.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.4%が医療機関、0.7%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
同日は新たに17カ所のクラスターを確認。うち職場で9カ所、コミュニティで4カ所、残りは福祉施設と教育機関でクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールで6カ所、ペナンで4カ所、セランゴールで2カ所、ネグリ・センビラン、マラッカ、クランタン、パハン、ペラでそれぞれ1カ所のクラスターを確認した。

証券委員会、虚偽情報記載などで中国汽車零件を叱責

【クアラルンプール】 マレーシア証券委員会(SC)は、上場目論見書の虚偽情報記載など数々の違反行為があったとして、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)メイン市場上場企業、チャイナ・オートモビル・パーツ(CAP=中国汽車零件控股)の経営陣を叱責した。
証券委員会によると、CAPは2013年1月11日に発表した新規株式公開(IPO)目論見書において子会社の泉州芬森汽車零部件の銀行残高を誇張するなど、投資家の誤解を招く財務諸表が示されていた。
また2013年から2018年にかけて泉州芬森の虚偽の銀行残高を証券取引所に報告し続けた。泉州芬森は銀行融資返済不履行に関連する訴訟を抱えていたが、これを開示せず、財務諸表においても泉州芬森の銀行負債額を開示しなかったという。叱責を受けた現職の取締役及び前最高財務責任者(CFO)らからは期限までに回答は無かった。
CAPは2013年1月30日に上場。現在、CAP株の取引は停止されている。
(エッジ、東方日報、南洋商報、10月13日)

労働安全衛生マスタープラン発表、健康的な労働文化形成目指す

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は13日、「労働安全衛生マスタープラン2021ー2025(OSHMP25)」を発表した。健康的な労働文化の形成を促進させ、「マレーシア幸福指数(MyWI)」の向上を図る。
イスマイル首相は、職場での事故や死亡、病気の感染率を下げると説明。職場のみならず、在宅ワークなども考慮して策定したと述べた。OSHMP25は、▽公共部門における労働安全衛生(OSH)の向上▽職場での自主規制の慣行強化▽OSHの教育および研究▽労働衛生の強化▽中小企業におけるOSH順守の向上▽技術を取り入れたOSH強化▽交通安全やインフォーマルセクター(非公式経済)などにおけるOSHの改善ーーを柱としていると言明。OSH順守を怠ると国内総生産の年間売り上げは4%減少すると述べた。
またイスマイル首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症にも触れ、感染拡大は公衆衛生のみならず、経済的、社会的にも大きな影響を与えたと指摘。現状を乗り切るために、在宅勤務を実施したり職場での働き方を変える必要があるとした。
「労働安全衛生マスタープラン2020」では、労働者1,000人当たりの事故発生率は2.18%低下した。死亡率も45%ダウンした。また2020年の1万人当たりの死亡率は2.09%で、前年の3.83%を下回った。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、10月13日)

 

サバ州、11月から州外からの旅行者を受入れ

【コタキナバル】 サバ州のハジジ・ノール首相は、11月1日から新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種完了を条件に州外からの旅行者を受け入れると発表した。
サバ州では成人のワクチン接種率は10月11日時点で70%にとどまっているが、先ごろ連邦政府が州を跨いだ移動を11日付けで認めると発表したことを受け、同州政府が対応を検討していた。サバ州はまた、州内の地区間移動についても10月14日付けで認める。
規制緩和の対象となるのは、ワクチン接種を完了した成人、少なくとも1回の接種を受けた12ー18歳、ワクチン接種を完了した成人が付き添っている12歳未満のこども。ワクチン接種証明書と3日間有効なRT-PCRまたはRTK抗原検査の陰性結果の提示が求められる。
連邦政府のイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、全国の成人のワクチン接種率が90%の基準値に達したことで州間移動を認めると発表したが、「1963年マレーシア協定」の下で独自の入境規制を行う権限が認められているサバ州は州間移動に対して慎重な姿勢をみせていた。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、10月13日)

コロナワクチン追加接種を開始、サラワク州から先行実施

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カイリー・ジャマルディン保健相は、60歳以上の高齢者及び医療従事者など最前線で働く人を対象に新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの追加接種(ブースター接種)を開始すると発表。対象となる人には案内通知が送られてくるので注意するよう呼びかけた。
接種対象は接種を終えてから6カ月以上経った人で、有資格者にはコロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」、ショートメッセージ(SMS)、またはワクチン接種センター(PPV)からの電話によって通知される。追加接種はあくまで任意で、ワクチン接種プログラム(NIP)の下では無料で受けられる。
当面は、マレーシア薬物管理局(DCA)から追加接種の認可を受けたファイザー/ビオンテック製ワクチンを、同じファイザー製ワクチン接種を2回受けた人に対してを追加接種する。最初に接種を受けたものと異なるワクチンを追加接種する「異種混合接種」については、今後の研究結果を待って実施を判断する。
サラワク州は、13日から全国に先駆けてファイザー製ワクチンによる追加接種を開始すると発表した。60歳以上の8万300人と医療従事者3万340人が当面の接種目標。追加接種の先行実施について、同州は先ごろカイリー保健相より同意を得ていた。同州では異種混合接種の実証を11月に実施する予定だ。

 

新型コロナの感染者数は8084人、再び8千人台に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は8,084人だったと発表した。3日連続で前日を上回り、再び8千人台となった。累計感染者数は236万9,613人となった。
13日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,174万4,866人で、接種率は66.6%。成人の接種者数は2,129万960人で、接種率は90.9%となった。基本再生産数(R0/RT)は0.88で前日と変わらなかった。
13日には1万832人が回復し、累計治癒者は累計で222万7,889人となり、死者数は68人で、累計で2万7,593人となった。アクティブ感染者は、前日から2,950人減少し、10万6,047人となった。アクティブ染者数のうち、77.9%が自宅、14.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.0%が医療機関、0.7%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
同日は新たに13カ所のクラスターを確認。うち職場で6カ所、コミュニティで3カ所、教育機関で2カ所、地区事務所と拘置所でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴールが5カ所、サラワクが3カ所、ケダで2カ所、マラッカ、パハン、ネグリ・センビランでそれぞれ1カ所のクラスターを確認した。