MM2H参加の新条件、既存参加者向けに大幅譲歩

【クアラルンプール】 連邦政府は、10月から厳格化されることになっていた外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラム参加条件について、既存のビザ取得者に追加されるのは年間ビザ費用増額と滞在義務の2項目のみと発表した。
既存のビザ取得者を対象とした譲歩は、ハムザ・ザイヌディン内務相が第12次マレーシア計画(12MP)関連の国会質疑で明らかにした。新たな条件は改正も含めて10項目あるが、既存のビザ取得者は既存の条件以外に、▽年間ビザ費用の90リンギから500リンギへの引き上げ▽年間90日間のマレーシア滞在義務化 ーーの2項目のみが求められる。
8月に発表された新条件では、ビザ有効期間の10年から5年への短縮、年間ビザ費用増額、滞在義務などが盛り込まれたが、特に問題視されていたのが資産証明に関する条件の厳格化。これまで月1万リンギだった海外所得が4倍の4万リンギに、これまで35万—50万リンギだった銀行への定期預金額が100万リンギに大幅に引き上げられた。
これを受けて既存のビザ取得者からは「延長ができなくなる」、ビザ斡旋業者や不動産業者といった関連業界からは「申請者が近隣諸国に逃げる」といった懸念の声があがっていた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、10月5日)

インターネット普及率、来年末までに96.9%へ=MCMC

【クアラルンプール】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は、2022年末までに全国でのインターネット普及率を96.9%にすることを目標としている。
MCMCのファドルラ・スハイミ委員長は、パハン州で4日に開催された通信サービス問題に関する対話セッションに参加した後の会見で、9月末時点でのインターネット普及率は94.1%、回線速度は30メガビット/秒(Mbps)となっていると説明。来年の回線速度目標は35Mbps。光ファイバーについては、年間で施設110万カ所での導入を目標としているが、現状の導入ペースでは50万カ所程度となってしまうため、導入を急ぐとした。通信インフラ設備は、人口の多い地域から順に整備を進める。
同セッションには、パハン州公共事業・交通・保健委員会のノロラザリ・スライマン委員長も参加。ノロラザリ氏は、MCMCの尽力により、今後パハン州ベラ地区の住民10万人以上がより良い通信サービスを受けられるようになると強調。今年から来年にかけ5,000万リンギ相当の通信タワー16基がベラ地区に新設されるなど、段階的にインターネット設備が拡充しているとした。
(ベルナマ通信、10月4日)

ホテル55軒が廃業、休業は86軒に=観光芸術文化省

【クアラルンプール】  新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大の影響で、昨年3月から現在までの間に全国で廃業したホテルは55軒に、休業したホテルは86軒に及んでいる。
観光芸術文化省(MOTAC)のサンタラ・クマール副大臣が下院答弁で明らかにしたところによると、同期間中に推定8,000人以上のホテル従業員が解雇された。打撃を受けた観光業への支援策として、「人民保護と経済回復パッケージ」(PEMULIH)や「国民と経済を強化するための戦略的プログラム(PEMERKASA)」に加え、▽一時金支給▽電気料金割引の年末までの延長▽観光・サービス税の免除▽税金分割払いの延長▽賃金補助制度ーーなどを提供。観光施設・インフラの整備には3,000万リンギを割り当て、現在までに全国で89のプロジェクトを実施した。
2021年度予算では、トレンガヌ、マラッカ、サラワク、ネグリ・センビランの文化村のインフラ整備に2,000万リンギを計上したという。
同氏は、MOTACが州政府と緊密に連携し、観光振興を続けてきたのは、観光地をより魅力的にして、国内経済の成長に貢献するためだと強調。最適な状態で観光インフラを利用できるようにするため、主要な人気エリアでメンテナンスや改修を実施しているとした。
(ベルナマ通信、10月4日)

ランカウイ「トラベルバブル」で陽性者149人

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、9月16日にランカウイを対象に「トラベル・バブル」の試験運用が開始されて以来、ランカウイ訪問者の中から新型コロナウイルス「Covid-19」陽性者149人が確認されたと明らかにした。
ランカウイに向かう旅行者、合計4万458人を対象にスクリーニング検査が2週間実施され、186人が濃厚接触者と認定された。国内空港7カ所で検査を受けたのは3万4,038人、クアラペルリス及びクアラケダのフェリーターミナルで検査を受けたのが6,420人で、残りは事前に自分でRT-PCR検査を受けた。
9月26日に「トラベル・バブル」初の感染者と認定された3歳児はクアラルンプール新国際空港第2ターミナル(KLIA2)から両親とともに空路でランカウイに向かっていたもので、両親はワクチン接種済みの陰性で、3歳児は無症状だった。
一方、10月1日にランカウイの人気リゾートホテルで発生したクラスターでは、ワクチン接種済みの従業員59人から陽性反応が出たためホテルは一時閉鎖された。ケダ州のオスマン・ワリジョ保健局長によると、旅行者経由ではなく地元コミュニティ経由で感染したとみられる。いずれも無症状もしくは症状が軽いという。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月4日)

新型コロナの感染者数は8817人、サラワクが最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は5日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は8,817人だったと発表した。累計感染者数は229万4,457人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く1,361人だった。それに▽セランゴール(1,348人)▽クランタン(1,063人)▽ジョホール(886人)▽サバ(805人)▽パハン(696人)▽ペナン(595人)▽ケダ(576人)▽ペラ(473人)▽トレンガヌ(356人)▽マラッカ(246人)▽クアラルンプール(KL、217人)▽ネグリ・センビラン(122人)▽ペルリス(47人)▽プトラジャヤ(23人)▽ラブアン(3人)ーーが続いた。
4日には、1万5,456人が回復し、累計治癒者は累計で211万6,021人となり、死者数は76人で、累計で2万6,759人となった。アクティブ感染者は、前日から7,457人減少し、14万2,860人となった。アクティブ染者数のうち、81.7%が自宅、11.8%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.9%が医療機関、0.6%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また同日は新たに15カ所のクラスターを確認。職場で7カ所、コミュニティで6カ所、残りは福祉施設、教育機関でクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンで7カ所と最も多かった。

新型コロナワクチン、3回目接種は異種混合に

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン保健相は4日、「ブースター接種」と呼ばれる新型コロナウイルス・ワクチンの3回目接種(追加接種)について、異なる種類のワクチンを打つ交差接種(異種混合接種)を行うことを決定したと明らかにした。
カイリー大臣は、先ごろ開催された新型コロナワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)会合で、交差接種について協議したと言明。臨床研究所のカライアラス・ペアリアサミー所長が、安全性に関する研究結果を提出したと明らかにした。研究により安全性が証明されたことから、会合で交差接種を実施することを決定したと説明。しかし、接種するワクチンを選択できるかなど詳細に関しては言及しなかった。
サラワク州では、今月から高齢者など感染すると重症化するリスクが高い層を対象としたブースター接種を開始している。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月4日)

多国籍企業9社が国内事業を停止、パンデミックの影響で

【ペタリンジャヤ】  昨年3月から今年5月までの間に国内事業を停止した多国籍企業は9社に上る。アズミン・アリ上級相(兼通産相)が下院答弁で明らかにした。
具体的な社名として、▽香港系繊維企業エスクエル・マレーシア(ペナン)▽同(クランタン)▽香港系繊維企業ペン・アパレル▽ベルギー系鋼線企業ベカート・イポー▽米系金属加工・供給企業ハウコ・メタル・マネージメント・マレーシア▽独系機械製造企業トランスノーム・システム▽仏系建材企業テリアル・マレーシア▽スイス系化学企業シーカ・キミア▽日系家電製造企業ソニーEMCS (マレーシア) ーーを挙げた。
同相によると、パンデミックによる世界経済の低迷や海外需要の減少が事業停止の主要因。その他、運営コストの上昇、同業他社との競争激化、製品需要の不足、企業再編なども要因だという。
一方、同相は、マレーシアは依然として東南アジアでトップレベルの投資先であり続けていると強調。1月から6月までに承認された投資額は1,075億リンギで、前年同期の633億リンギに比べて69.8%増加。そのうち625億リンギは海外からの直接投資で、前年同期比214.9%の大幅増加。その内訳は、▽シンガポール(435億リンギ)▽韓国(63億リンギ)▽オランダ(51億リンギ)▽英領バージン諸島(30億リンギ)▽日本(6億リンギ)ーーだったという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月1日)

12月の海外旅行解禁目指す、接種率90%超で=首相

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は3日、観光目的での海外旅行について、12月までの解禁を目指すと発表した。成人の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種率が早期に90%を越えた場合、さらに解禁が早まる可能性も示した。
外国人のマレーシア入国も可能にする。海外旅行解禁後には、出入国許可申請プログラム「マイトラベルパス」での申請も不要となる。また、シンガポールとの間で相互グリーンレーン(RGL)を停止している件については、ジョホール州の労働者がシンガポールに通勤できるよう、シンガポールと協議中であるとした。
首相は、また、州間移動解禁を切望する国民の気持ちを理解しているとし、行動制限令(MCO)により打撃を受けた観光業を復興させるためにも州間移動は必要だと強調。ワクチン接種率が86%を越えたことから、州間移動が解禁される日も近いと述べた。解禁のための基準を以前の80%から90%に変更したことについては、州・地域により接種率に違いが生じているため、全国で90%にすることで各州・地域の平均値も80%以上になるとした。州間移動を解禁する際には、どの州・地域も取りこぼさず全国的に実施する方針だ。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、10月3日)

 

店内飲食や施設利用はワクチン接種完了者のみ

【ペタリンジャヤ】 ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相)は1日、国家復興計画(NRP)のすべてのフェーズにおいて、新型コロナウイルス(Covid-19)ワクチン接種完了者のみが店内飲食や施設利用を許可されると発表した。
同相によると、従来の標準的運用手順(SOP)では、NRP第3フェーズにおいては「ワクチン接種の状況にかかわらず店内飲食ができる」としていたが、ワクチン接種が店内飲食・施設利用の条件として追加されたという。
カイリー・ジャマルディン保健相も同日声明を発表。健康と経済の両面を考慮した上で、ワクチン接種完了者にのみ店内飲食・施設利用を認めるとした。その理由として、現状、感染性の強いデルタ変異株が国内感染例の95%を占めているためとし、健康上の理由でワクチン接種ができない場合は、それを証明する書類を提出する必要があると述べた。
10月1日付けで首都圏クランバレーとマラッカ州がNRP第3フェーズに移行している。
(ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、10月1日)

マスク着用義務、今後も継続の見通し=イスマイル首相

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、ワクチン接種が進んで新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックがエンデミック(風土病)の段階に近づいているものの、公的場所におけるフェイスマスク着用の義務を撤廃する可能性は低いと述べた。
イスマイル首相は、新型コロナ感染症がデング熱や他の病気のように居座り続けると考えられることから、「今後、マスク着用が標準となり文化になると思う」と言明。日本、韓国、中国と同じように、マスク着用を規範化させるだろうと述べた。
その上でマレーシアでは一般的に法律がよく遵守されていることから、マスク着用を文化とすることは難しいとは思わないと言明。実際、マスクを着用していない人をみかけるとそれを積極的に指摘するなど、国民の法の遵守意識や公衆衛生への意識は高いと述べた。
昨年8月1日以降、マレーシア政府は公の場でマスクを着用を義務付けており、感染症予防および管理法に基づき、違反者には最高1,000リンギの罰金が科されることになっている。
(ザ・スター、10月3日)