【ペタリンジャヤ】 第5世代移動通信(5G)ネットワーク計画について、携帯電話会社は民業圧迫や設定価格の懸念からいまだ同意していない。業界関係者が明らかにした。
10日付けで第5世代移動通信(5G)ネットワークの国内展開を開始するとの発表が行なわれたが、デジタル・ナショナル(DNB)の関係者はロイター通信の取材に対し、当初の交渉スケジュールが楽観的すぎたとし、実際は通信事業者との間でいまだ合意に達していないと述べた。DNBは5G基盤整備のために国が設立した特別目的事業体(SPV)で、各通信業者に5Gネットワーク回線を卸販売する立場。
DNBは来年初頭に通信事業者との間で長期契約を締結することを目指し協議を続けていく予定だ。年内に通信事業者数社の参加により500拠点間の5Gネットワークを構築することを第一の目標とするという。
ロイター通信はまた、情報筋の話として、5Gの普及を目指しインフラ更新に投資してきた通信事業者が、5Gネットワークが国有化されることを懸念しており、万が一そうなった場合、事業に大きな打撃を受けるおそれがあると報じている。携帯電話会社の市場価値が最大で450億リンギ損なわれるという試算もあり、また、DNBにより提案されている料金体系では、通信事業者は独自でサービス展開する場合よりも高いコストを負担することになるという。
通信事業者は、DNBの価格案では割に合わないとして大幅な修正を求めている。同時にDNBに対し「回線卸売のみを行ない、5G容量の自社確保や小売については行なわない」という確証を求めているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、11月9日)