本シリーズは、在マレーシア日系企業の駐在員の皆様むけに、万が一の際に従業員を守る対策・リスク管理の方法について、危機管理サービスをワンストップで提供するTASKAL RESOURCES SDN.BHDのご協力のもと、実際に起こりうる場面を想定してお伝え致します。

目次

ご相談事例:出張先でクーデターに巻き込まれた

ミャンマーへ出張中にクーデターに巻き込まれた。
* 軍の情報統制により、国際電話回線、海外情報に繋がるインターネット回線は断続的に遮断されおり、マレーシアの総務担当者や日本本社と連絡を取ることが出来ない。
* 国内の電話回線、インターネット回線はかろうじて繋がっている。
このような状況に陥った場合のアドバイスを頂けないか?

弊社では、このようなお問合せを受けた際に、電話回線、メール以外の社内コミニケーションツールと危機管理ツール(海外旅行傷害保険等)を紐づけた簡易な緊急体制構築を日常から準備しておくようにアドバイスをしております。ただし、企業が管理できない無料コミニケーションツール(情報漏洩対策が出来ていない)の業務利用を黙認している場合には注意が必要となり、以下のようなリスクが想定されます。

想定されるリスク

弊社では、海外現地との緊急時連絡体制について常時複数の連絡手段を持つようにお勧めしています。
電話回線の場合、遮断や利用制限によって繋がらなくなると、繋がるまで掛け直す必要があります。
インターネット利用のメールやアプリ通信においても、インターネットが遮断された場合、海外現地と繋がらなくなる状況は同じですが、インターネット上で発信された安否確認は、ネットが繋がり次第、現地側で受信出来ますので電話連絡より遥かに効率的で確認スピードも速くなります。
なお、e-mailでは状況により確認に時間がかかることがありますので、スマホで簡単に連絡が取れる通信アプリのチャット利用も考えておくとよいと思います。ただし、LineやWhatsApp等の無料アプリでは、情報セキュリティ上の問題がありますので、日常の業務利用も含めて業務用通信アプリの導入をお勧め致します。

通信手段を失った孤立状態となれば、次の行動を決定する為の情報収集をする事が不可能です。自社現地法人に身を寄せるにも、そもそもその場所が安全なのか?仮にそこが安全だとしてもそこまで無事にたどり着くのか?とにかく情報がない状態となってしまいます。

→独自の判断で動くことでより危険な状態に陥る事がある。

→判断出来ずに迷っている事で、安全を確保する機会を逸する場合がある。

→現地法人スタッフ(ましてや取引先)も同様の事態にあり、出張者へのサポートや配慮は極めて限定的になる。

→不幸にも具体的な被害に巻き込まれた場合、残されたご家族から会社が訴えられる可能性がある。

それでは、このようなリスクにどのように備えることが出来るでしょうか?

以下4つの確認が必要です。

すぐに出来るリスク対策

企業は、業務命令で出張させる社員に対して「安全配慮義務」を負うことになります。海外出張者は、緊急事態発生時に現地在住者と比べて大きなハンデを負っています。

それは「言葉」、「土地勘」、「現地での協力者」です。
まず、言葉が分からないと状況把握が困難です。英語に堪能な方でもCNN等のニュースでは、センセーショナルな映像が流れクーデターが発生している事は分かっても、いつ、市内のどの場所で、何が発生しているか、具体的な情報は得られません。
また、場所名が分かっても土地勘が無いと、それが具体的にどこなのか、そこを迂回するにはどこを通ればよいの分かりません。
現地在住者であれば、現地語での情報も取れ、土地勘もあり、親族・友人知人からの情報やアドバイスも得られますが、企業の出張者はこの全てにおいてハンデを負っている事になります。企業としては、このハンデを補完して安全を確保出来るようにする義務があります。

ミャンマーでは、反政府抗議デモを阻止するため、計画的に電話やインターネット回線が遮断されました。抗議者側は、これを回避するため、ネットが繋がったタイミングでSNSによるデモの場所、時間等を発信しゲリラデモを実施しています。即ち、外出時にデモとの遭遇を回避するには、常時ミャンマー語でSNS発信されるデモ情報を入手し、デモとの遭遇を避ける行動を取る必要があります。皆さんは、このような事態に対応する体制が出来ていますか?

もし、出張者が現地のデモに巻き込まれ死傷することがあれば、企業としての安全配慮義務を問われる事になりかねません。このような事態になれば、企業としての社会的信用を含めた損失は計り知れません。

会社が公認出来る類の音声通信·チャットアプリを携帯させる

会社公認の音声通信·チャットアプリと自社導入済み危機管理ツール(海外旅行傷害保険やその他危機管理サポート)を日常から連携させておく

自社や取引先以外での現地サポート体制を準備しておく

上記①~③の連携が機能しているか、1年に1度は訓練を行う

クーデターに関わる被害については残念ながら海外旅行傷害保険のサポート対象外となります。また暴動の拠点は流動的であり、情報も錯綜しますので、孤立した出張者が正しく情報収集する事は不可能です。
このように最悪の事態に陥る前の日常的な準備が肝要です。特に①については企業独自でも安価・簡易に対応出来ますので身近な危機管理として準備しておく事が重要です。

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また、企業で加入している医療保険・海外旅行保険等でどのようなサービスを受けられるのかを事前に確認しておく事で、緊急時でもスムーズな対応が可能です。
危機管理対策を外注化する事で、実際に情報収集にかかる時間を短縮し、万が一の際にも従業員を守る対策が可能となります。

TASKAL RESOURCESを通してのマレーシアでの情報提供手配事例
【対応所要時間】
・現地情報収集:SOSコール入電後約1.5時間程度
・手配対応:SOSコール入電から約2時間程度
詳細はこちらからご覧いただけます。

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24時間対応サポート体験

弊社では、ビジネスニュースご購読者様、および「マレーシア労務ナビ」会員様に向けに、 TASKAL RESOURCES SDN.BHDのご協力のもと、駐在員の皆様の疑問にお答えする電話・メールでの24時間サポート体制を確立しました。貴社での情報収集・リスク対策についてのご相談にも対応しております。

質問対応例

  • 従業員がコロナにかかった場合、まずどこに連絡すべきか?
  • コロナ感染で生じる被害に備える保険はマレーシアにあるか?
  • 業務中にコロナ感染した場合に企業がすべきことは?

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