【マラッカ=マレーシアBIZナビ】 事実上3つの政党連合による争いとなったマラッカ州議会(定員28)選挙の投開票が20日に行われ、同州与党の国民戦線(BN)が21議席を獲得し政権を維持した。投票率が65.85%と2018年総選挙の84.52%から19ポイント近く下がった事が無党派層に強い野党連合・希望同盟(PH)に不利に働いた。
新型コロナウイルス「Covid-19」対策で選挙活動に制限が設けられる異例の状況下、BNは構成第一党の統一マレー国民組織(UMNO)が18議席を獲得するなど、組織力を生かした戦いぶりで大勝。これに勢いづいた党内において次期総選挙の前倒し実施論が強まることが予想される。
国政でBNと共闘関係にあるものの選挙協力協議で決裂した国民同盟(PN)は、BNと同じく全選挙区に候補者を擁立したもののわずか2議席の獲得にとどまる惨敗を喫した。ケダ州政権奪取で勢いづいているPN構成党の汎マレーシア・イスラム党(PAS)は8戦全敗に終わった。
BNとPNがそれぞれ別々の候補者を擁立することになったことで戦前の予想で有利が囁かれていた野党連合PHだが、同じく28人を擁立したものの5議席にとどまった。PHを率いるアンワル・イブラヒム元副首相が党首を務める人民正義党(PKR)は11戦全敗。州議会解散の発端となった与党からの鞍替え議員を受け入れる意向を示したことが有権者の反感を買った。
永年BNの独壇場だったマラッカ州議会は、2018年総選挙でPHが政権奪取に成功したが、2020年2月の政変でPH構成党だった統一プリブミ党(PPBM)が離脱。PH構成党内からも鞍替えが相次いだため第一党に返り咲いたBNが政権を奪回した。しかし今年10月、与党系議員4人がスレイマン・モハマド・アリ州首相への不満により政権から離脱。過半数を割ったことから同州元首であるモハマド・アリ・ルスタム知事が議会解散を宣言していた。