新型コロナの感染者数は5413人、4日連続で5千人台

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は16日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,413人だったと発表した。累計感染者数は255万6,865人となった。
15日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,484万9,925人で、接種率は76.1%。成人の接種者数は2,231万8,132人で、接種率は95.3%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.05で横ばいだった。
15日には4,551人が回復し、累計治癒者は245万5,767人。死者数は53人増え、累計で2万9,729人となった。アクティブ感染者は、539人増の6万5,965人。アクティブ感染者数のうち、78.3%が自宅、12.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.8%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに3カ所のクラスターを確認。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は250カ所となった。

コロナによる回復速度は予想以上に遅い=アナリストら

【クアラルンプール】 マレーシアの第3四半期の国内総生産(GDP)成長率が大方の予想を下回るマイナス4.5%だったとことをうけ、アナリストらの間で新型コロナウイルス「Covid-19」で打撃を受けた経済の回復のスピードが予想より遅いとの見方が広がっている。
MIDFリサーチは、第4四半期には経済が再び上向く見通しだが、実体経済の回復がより緩やかとなっているようだとして通年の成長予想をプラス4.6%から3.7%に下方修正した。
第3四半期の大方の予想はマイナス1.3%で、MIDFはマイナス3.0%とやや悲観的な予想を示していたがそれも下回った。MIDFは3度目の行動制限令(MCO3.0)が長引いた影響が予想より大きかったと指摘。非必需産業の閉鎖、人の移動の制限を受けて個人消費と事業活動が冷え込んだことが響いたと分析した。
OCBCバンクは、第3四半期の大幅マイナス成長を受けてプラス3.6%としていた当初の通年経済成長予想を3.2%に下方修正。ただ経済・社会活動が開放に向かいワクチン接種率が全人口の76%に達していることから経済は回復傾向にあるとし、来年についてはベース効果も含めてプラス4.3%としていた従来予想を5%に引き上げた。
バンク・イスラムは、第3四半期のGDPが4.5%マイナスとなったことについて国内経済が行動制限などの手段による人間の移動の制限に対して非常に脆弱であることを示唆していると指摘。ただ第4四半期はプラス2 3%成長が予想されることから、政府が掲げている通年目標の3 4%は達成できるとの見方を示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、11月15日、ボルネオ・ポスト、11月14日)

基本再生産数、8月31日ぶりに1を上回る=保健省

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)が11日、8月31日ぶりに1.00に超えた。その後上昇を続け、14日午後11時59分時点で1.05となった。
州・地域別でもっとも高いのはプトラジャヤで1.20。クアラルンプールで1.05、セランゴールで1.04、ネグリ・センビランとパハンで1.02、クランタンで1.01となった。それ以外のサバ、ペナン、ジョホール、マラッカ、ケダ、ペラ、トレンガヌ、サラワクは1.00を下回っている。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は、新規感染者数は横ばいの状態が続いているが、R0は上昇しているとして、標準的運用手順(SOP)順守とワクチンの追加接種を受けるように呼びかけた。またカイリー・ジャマルディン保健相も追加接種を呼びかける共に、高齢者に対しては混雑した場所を避けるよう注意を喚起した。
マレーシア医師会(MMA)は新型コロナウイルス「Covid-19」感染症がエンデミック(風土病)段階に移行するとの報道に安堵しないよう注意を喚起。引き続き感染対策を実施するよう呼びかけた。

ケダ州、宝くじ店舗の営業を禁止

【アロースター】 ケダ州は、4桁の数字を当てる「4D宝くじ」の販売店について、今後営業許可の更新を行なわないと発表した。
ケダ州のムハンマド・サヌシ州首相は、ケダ州からギャンブルをなくす取り組みの一環だとし、ギャンブルは借金問題を引き起こすだけでなく、家族、ひいては文明さえも破壊するものだと強調。「宝くじを買いたいならペナンに行けばいい」と述べ、ギャンブル関連店舗の経営者は利益を得ているかもしれないが、ギャンブルの悪影響は非イスラム教徒にまで及んでいるとした。
サヌシ氏はまた、農村部での酒類販売制限についても計画しているが、非イスラム教徒が影響を受けないようにすると述べた。酒類販売が許可されているランカウイ島の免税店や無認可で酒類販売を行なっている店舗について州政府内で議論を行なった結果、これ以上公然とした酒類販売は望まないという結論に至ったという
(マレー・メイル、11月14日)

新型コロナの感染者数は5143人、ワクチン接種率は76%に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は15日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,143人だったと発表した。累計感染者数は255万1,452人となった。
14日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,480万9,677人で、接種率は76.0%。成人の接種者数は2,229万7,446人で、接種率は95.2%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.05となった。
14日の新規感染者数は5,162人だった。5,019人が回復し、累計治癒者は245万1,216人。死者数は45人増え、累計で2万9,676人となった。アクティブ感染者は、98人増の6万5,417人。アクティブ感染者数のうち、78.0%が自宅、12.3%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.9%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。

セランゴール州でコレラ患者発生、全病院に注意喚起

【クアラルンプール】 セランゴール州保健局は、10月21日にコレラ感染者1人が報告され、州内の全病院および診療所に注意喚起を行なったことを明らかにした。
同州保健局によると、患者はセランゴール州ペタリン地区に住む56歳のマレーシア人女性で、重度の下痢などの症状が出たため民間医療施設で治療を受けた。検査でO1小川型のコレラ菌が検出されたため、飲食店を含めて女性の立ち回り先を調査したが、感染源は見つかっておらず他の感染者も見つかっていないという。
同州保健局は、コレラ感染拡大を防ぐため、全診療所で急性胃腸炎に対する監視を強化し、コレラの疑いのある患者の便を採取し検査を行なうことを指示。医療従事者は、検査によりコレラと判明した患者、あるいはその疑いのある患者が発生した場合には、24時間以内に電話・電子システムにより最寄り保健局に直ちに報告する必要があり、万が一報告を怠った場合には、「1988年感染症予防及び管理法」に基づく措置がなされる。
コレラ感染予防策としては、▽殺菌済みあるいは沸騰させた水だけを飲む▽衛生的な生活を心がけ、手をよく洗う▽疑わしい症状が出た場合、直ちに治療を受ける▽生の食品や調理が不十分な食品を食べないーーが挙げられており、医療従事者は一般市民にこれらを助言することが推奨されている。
コレラはビブリオ・コレラ菌によって引き起こされる腸管疾患。水を介して経口感染する。初期症状は、痛みのない水様便と嘔吐で、放置すると脱水症状や循環不全などを引き起こし、最悪死に至る可能性もある。
(バイブズ、11月15日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月14日)

ブミプトラ6万人以上がフードデリバリー配達員に、パンデミックで

【クアラルンプール】 ブミプトラ・アジェンダ振興局(TERAJU)の調査によると、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大により6万5,660人以上のブミプトラ(マレー人と先住民の総称)がフードデリバリーサービスの配達員となった。

TERAJUは、4月26日―5月21日に「Covidー19パンデミック下におけるブミプトラのフードデリバリーサービス就業調査」を実施。フードデリバリーサービス就業者7万人のうち、▽若年層▽独身・イスラム教徒のマレー人▽サバ・サラワク州のブミプトラ▽先住少数民族オラン・アスリーーが93.8%を占めるという結果となった。また、首都圏の503人を対象にした質問では、就業時期について「初回の行動制限令(MCO1.0)時」が51.7%、「MCO2.0時」が20.5%、「MCO3.0時」が18.5%だった。

配達による収入について、「副収入」との回答が77%、「主要収入源」が23%となった。主要収入源と回答した大部分が自営業者、学生、民間企業の従業員だった。就業動機として最も多かったのは「時間があったため」であり、それに「収入を得るため」、「生存のため」、「経済的な理由」、「運転免許があるため」が続いた。就業者の学歴は、72%が高校卒、27%が大学卒、1%が大学院卒だった。

70%以上が「事故に巻き込まれ負傷した経験がある」と回答したが、そのうち保険加入者は半数に満たず、86.4%が「事故や怪我の場合でも会社からは何の援助も受けられない」と回答。従業員積立基金(EPF)や社会保障機構(SOCSO)への拠出金、医療保険、病気休暇、死亡手当などを会社が提供することを強く求めると回答した。

(ベルナマ通信、11月11日)

EVの需要増に伴う電力需要に対応、国家政策を策定=通産相

【クアラルンプール】 アズミン・アリ通産相(兼上級相)は、電気自動車(EV)需要の高まりに伴い必要となってくる電力需要に対応するための政策を策定していると国会質疑で明らかにした。
アズミン大臣は、エネルギー効率の高い自動車の需要が高まっており、その中でもEVの導入については慎重にならなくてはならないと説明。首相府経済企画局(EPU)が国家エネルギー政策を策定中であると明らかにした。
またアズミン大臣はEVの開発を成功させるためには政府による政策だけではなく、インフラ開発を進めるために民間部門の協力も必要だと発言。マレーシア・グリーン技術・気候変動センターが民間企業と協力して充電設備を含むインフラ整備の開発に向けて調査を実施していると述べた。
10月29日に発表された2022年度(2022年1月1日ー12月31日)予算案には、2021年12月31日まで延長されている現地組立車(CKD)で100%、輸入完成車(CBU)で50%のSST減免措置を2022年6月30日まで半年延長すること、EVの普及に向け、関税、物品税、売上税を免除することが盛り込まれた。
(ポールタン、11月11日)

7-9月の経済成長率、マイナス4.5%に転落=中銀

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は12日、2021年第3四半期(7ー9月)の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比マイナス4.5%に落ち込んだと発表した。新型コロナウイルス「Covid-19」抑え込みのために6月に再導入されたロックダウンが首都圏クランバレーなどで長引いたことから、前期のプラス16.1%から一転して大幅なマイナス成長となった。
製造、サービス、建設、鉱業、農業の全てのセクターでマイナス成長となった。経済の牽引役である製造は前期のプラス26.6%からマイナス0.8%に、サービスはプラス13.5%からマイナス4.9%にそれぞれ落ち込んだ。製造は必需品以外の製造活動に対する制限が影響、サービスは消費活動の低迷が影響した。
前期にプラス13.9%だった鉱業は、マイナス3.6%となった。施設メンテナンス閉鎖による原油減産と天然ガスの生産量の減少が響いた。また前期に40.3%の大幅成長となった建設は、建設工事にかかわる稼働制限により、一転して20.6%の大幅マイナスに転落した。前期でマイナス1.5%だった農業も労働力不足による生産減少が響いてマイナス1.9%にさらに落ち込んだ
国内需要はプラス12.4%だった前期から一転してマイナス4.1%となった。GDP全体の61.0%に貢献する民間消費も前期のプラス11.7%からマイナス4.2%に大幅ダウンとなった。前期はプラス17.4%だった民間投資もマイナス4.8%に落ち込んだ。
公共支出は前期のプラス9.0%からプラス8.1%に下降。プラス12.0%だった公共投資はマイナス28.9%に落ち込んだ。モノとサービスの輸出は、プラス37.4%だった前期からプラス5.1%に、プラス37.6%だった輸入もプラス11.7%にダウンした。
中銀のノル・シャムシア総裁は、新型コロナの封じ込め策の緩和による経済活動の正常化に伴い、第4四半期には経済成長の改善が見込まれると指摘。ワクチン接種完了者に対する州を跨いだ移動の許可といった制限緩和措置が観光セクターの改善や世界的に堅調な需要が輸出を下支えするとして今年通年のGDPはプラス3.0ー4.0%の軌道に乗っているとした。
また2022年については、高いワクチン接種率、経済活動の再開、労働市場のさらなる改善、継続的な政策支援、外需拡大を考慮するとマレーシアの成長軌道は改善するという予想に基づき、経済成長が加速するとの見通しを表明。そのためにワクチン接種の進捗とその効果、標準的運用手順(SOP)の遵守、新たな変異株(VOC)の拡大を効果的に封じ込める能力が回復の鍵となると指摘した。

来年度予算案、86.48%が不満=華字紙調査

【クアラルンプール】 華字紙「東方日報」が実施した2022年度予算案に関する世論調査で、回答者の86.48%が不満を感じていることが分かった。
同調査は回答者が318人と少なく、民族別の比率も明らかにされていないが、華字紙の調査であることからみて、一般華人の意見が反映されたものとみられる。
来年度予算案に「満足」と答えたのは4.4%にとどまり、「分からない」が9.12%となった。また最も恩恵を被るグループについては「B40」(低所得者の下から40%)が36.48%と最も多かったが、これに「公務員」が32.39%と迫った。政府が強調していた「全国民」との回答は1.57%、「障害者」はわずか0.63%だった。また来年度予算案が経済発展に寄与するかどうか聞いたところ、76.10%が「いいえ」と回答。「はい」は6.29%にとどまった。
新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミック後の国民生活に対する圧力の軽減に予算が役立つかとの質問に対しては、52.2%が「助けにならない」と回答。逆に「負担が増加する」との答えも26.10%に上った。
また課税収入が1億リンギを超える企業に1回限りで9%の繁栄税(Cukai Makmur)を所得税に上乗せして課すという政府の発表に関しては、50.63%が「投資家の投資意欲に影響を与えるため不合理」と回答。37.42%は「メリットとデメリットがある」と答え、「財源が増えるため合理的」との答えは11.95%にとどまった。
このほか好意的な意見が多かった政策は、「電子タバコへの物品税課税」、「自費で3回目のワクチン接種を受ける人への税控除」、「1,000リンギを上限とした国内旅行支出の税控除の延長」で、「従業員積立基金(EPF)拠出率の引き下げ措置延長」は否定的意見が多く、「来年9月から女性役員を1人以上置くことを義務付け」については意見が分かれた。
(東方日報、11月11日)