CPTPP、2022年半ばまでに批准予定=アズミン上級相

【クアラルンプール】 包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)について、マレーシア政府は、2022年半ばまでに批准する予定だ。アズミン・アリ上級相(兼通産相)が明らかにした。通産省は当初、今年末または来年第1四半期までに内閣に批准に関する委任を求める計画だった。
アズミン上級相は、新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックの影響によりCPTPP批准に向けた諸手続きのプロセスが混乱したためと説明。CPTPP批准に向けて費用便益分析(CBA)を実施したが、パンデミックの影響を受け再度分析しなおす必要があったとした。
新たなCBAは年内に完了する見通しで、内閣に提出して改めて委任を受ける。批准に向けたすべての手続き完了は来年半ばになる見通し。
CPTPPにはマレーシア、日本、シンがポール、オーストラリアなど11カ国が参加し、2018年3月に署名、同年12月30日に発効したが、マレーシアの批准手続きは遅れていた。CPTPPには今年に入ってから英国、中国、台湾が加入を申請している。
(マレーシアン・リザーブ、ボルネオ・ポスト、11月10日)

三菱自動車(M)、コタダマンサラに新3Sセンター開設

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、セランゴール州コタ・ダマンサラに新しい3S(販売、サービス、部品交換)センターを開設すると発表した。これによりMMMの首都圏クランバレーにおける販売店は、全部で15カ所になる。
新3Sセンターは三菱のディーラー、ミレニアム・オートハウス社が運営するもので、新クランバレー高速道路(NKVE)からのアクセスもよい立地となっている。
床面積は1万2,370平方フィート。最新の三菱自動車ブランドアイデンティティに基づき、WiFiと5つのサービスベイを備えたカスタマーラウンジをもつ。ショールームには3台展示できるスペースを有する。
新たに就任した池田真也・最高経営責任者(CEO)は、「全国的に事業が回復する中、販売店の増設や施設のアップグレードなどのネットワーク開発の強化と、プラットフォームのデジタル化に重点を置いている」と述べた。
MMMの10月の販売台数は2,041台と過去最高を記録した。 売上・サービス税(SST)減免期間が2022年6月まで延長されたことから今後も好況が続くとみている。
(ポールタン、11月8日)

マレーシア、ワクチン接種率で世界10位に

【ペタリンジャヤ】 ニューヨーク・タイムズ紙の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種トラッカーによると、8日時点でマレーシアは全人口の77%がワクチン接種を完了しており、ワクチン接種率では世界第10位にランクインしている。
ワクチン接種率世界第1位はアラブ首長国連邦で、人口の89%が接種済。次いで、▽ポルトガル(87%)▽マルタ(85%)▽シンガポール(82%)▽チリ(81%)▽カンボジア(80%)▽スペイン(79%)▽カタール(78%)▽アイスランド(77%)ーーが続いている。他の主要国の順位は▽韓国(12位)▽日本(18位)▽イギリス(26位)▽オーストラリア(28位)▽米国(55位)ーー。
マレーシアでは、2月24日に全国ワクチン接種プログラムを開始、医療従事者や最前線で働く治安維持関係者から接種が始まった。
(ザ・スター、ザ・サン電子版、11月8日)

ファーマニアガ、ドローンによる遠隔地への医薬品配達を検討

【クアラルンプール】 製薬会社ファーマニアガは8日、遠隔地など医療サービスが行き届きにくい地域において、無人航空機もしくはドローンを利用した医薬品の配達を検討していると明らかにした。
発表した声明の中で、ファーマニアガはドローンを利用した配達は従来の配達方法よりも5倍ほど効率的と評価されていると説明。ドローンを利用することで、配達時間とコストの削減、サプライチェーンの効率を高めることを目的としているとした。
同社は、実証実験の第1弾として「プロジェクト・イーグル」をペラ州のパンコール島で実施。保健省や科学技術革新省、マレーシア民間航空局(CAAM)などの協力のもとで行った。マンジュンの桟橋から4.2キロメートル離れたパンコール島内のクリニックへ3キログラムの医薬品を配達するという、国内初の長距離かつ海を超えてのドローンを利用した配達となった。操縦は女性が行い、天候や視界も悪かったが、通常は30分かかるところ3.5分で配達でき、成功裏に終わったという。
ファーマニアガは、サバ、サラワク州を含む他の地域においても段階的に実証実験を行う計画だ。
(ザ・スター、11月9日、ベルナマ通信、11月8日)

新型コロナの感染者数は5403人、5日ぶりに5千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,403人だったと発表した。累計感染者数は251万6,255人となった。
8日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,460万4,953人で、接種率は75.3%。成人の接種者数は2,221万4,024人で、接種率は94.9%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.94に上がった。
8日には7,348人が回復し、累計治癒者は241万9,743人。死者数は58人増え、累計で2万9,349人となった。アクティブ感染者は、2,863人減の6万1,760人。アクティブ感染者数のうち、77.8%が自宅、12.5%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.9%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに6カ所(職場で3カ所、教育機関で2カ所、拘留所で1カ所)のクラスターを確認。州・地域別では、クランタン、ジョホール、ケダ、KL、セランゴール、プトラジャヤそれぞれ1カ所発生した。

マレーシアとシンガポール、隔離なしで両国間移動が可能に

【ペタリンジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相とシンガポールのリー・シェンロン首相は8日、両国間の入国規制を緩和し、29日付けで入国時の隔離を免除するという共同声明を発表した。ワクチン接種を完了したマレーシア人、シンガポール人が対象。
29日よりクアラルンプール国際空港(KLIA)とシンガポール・チャンギ国際空港に「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」を設置し、新型コロナウイルス「Covid-19」検査を受けるだけで往来を可能にする。陸路についても別途VTLの導入を検討しているという。
マレーシアではランカウイの「トラベルバブル」で海外観光客の受け入れを再開しているが、VTLはランカウイ以外の地域に海外観光客を受け入れる、パンデミック後初の試みとなる。また、シンガポールは10月27日付けでマレーシア人の入国について隔離期間を10日間に短縮するなど、入国規制緩和を段階的に進めている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、11月8日)

日系テクスケム、来年は事業拡張を計画

【クアラルンプール】 日系テクスケム・リソーシズは、2020ー2021年は予算を抑制して運営してきたが、2022年は事業拡大を計画している。
テクスケム・グループの創業者で会長の小西史彦氏が英字紙「ザ・スター」に対して明らかにしたところによると、中核事業を拡大するために、来年は大規模な予算を設備投資に割り当てることを計画している。特に高分子材料科学部門と産業部門にフォーカスする予定だ。両部門は今年のテクスケム全体の売り上げの70%を占めると予想されており、その傾向が来年も続くことが見込まれている。
高分子材料科学部門では、ハードディスク・ドライブ(HDD)の包装材と部品を製造している。在宅勤務が増えコンピュータの需要が増えることで、今後もHDDの世界需要は拡大を続ける見通しだ。また同社は他の部門においても新製品を製造して商品化を行う。産業部門においては、ゴム手袋製造の材料となる化学物質についても、国内外から強い需要があるという。
一方でレストラン部門については、2020年には回転寿しレストラン「すし金」を21店舗閉鎖し、全国の店舗数は117カ所となっているが、テクスケムは750万リンギを投資して国内に10店鋪開設する計画だ。材料の高騰により厳しい状態にはあるが、8月より段階的な規制緩和により店内飲食が許可されたことで、見通しは明るくなったという。今後もブランドの刷新や、コスト管理、配送、キオスクなどでの販売などの戦略を継続する計画だ。
2021年9月30日締めの第3四半期決算の売り上げは、前年同期の7億4,700万リンギから7億6,360万リンギに回復。前年同期は1,200万リンギの損失を計上していたが、820万リンギの黒字を計上した。
(ザ・スター、11月8日)

イベルメクチンは重症化防げず、予防効果の確認試験へ

【クアラルンプール】 保健省(MOH)は5日、寄生虫駆除薬のイベルメクチンは新型コロナウイルス「Covid-19」の重症化を防げず、コロナ治療には使用できないと発表した。
臨床研究所(ICR)がカテゴリー2(軽症)、3(肺炎発症)の患者500人を対象に臨床試験を行ない、基礎疾患を持つ50歳以上の患者が発病後1週間以内にイベルメクチンの投与を受けることで、重症化を防げるかどうかを調べた。無作為に「標準治療のみを受けるグループ」「標準治療に加え5日間のイベルメクチン投与を受けるグループ」の2つに分けた結果、両グループの重症化には差がなく、ICU使用率、呼吸補助装置の使用率、回復率、血液パラメーター、胸部CT画像などの点でも有意な差は認められなかった。イベルメクチン投与者には下痢を中心とする副作用があったという
保健省のノール・ヒシャム事務次官は、イベルメクチンはコロナ重症化のリスクを低減しないため、現行の治療ガイドラインに含めることは推奨できないとし、さらに裏付けとなる証拠が得られるまではイベルメクチンを推奨しないよう医療従事者に対して注意を喚起した。
一方、MOHとICRは、イベルメクチンの濃厚接触者に対する感染予防効果について調べるため、早ければ来月にも臨床試験を開始する予定だと発表した。ケダ州、ペラ州、ペナン州、ペルリス州の医療施設10カ所で、18歳以上の濃厚接触者300人を対象に行なう。隔離開始後1日目と2日目にイベルメクチンを投与、隔離前・隔離開始後8日目にRT-PCR検査を実施し感染状況を調べる。現在、試験実施について国家医薬品規則庁(NPRA)の承認待ちの段階となっている。
イベルメクチン支持者は「イベルメクチンにコロナ感染予防効果がある」という主張を行なっており、本臨床試験にはその主張を確かめる意図があると見られる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、11月7日、ザ・スター、11月5日)

 

党が望めば再出馬の可能性も=マハティール氏

【クアラルンプール】 野党・祖国戦士党(ペジュアン)を率いるマハティール・モハマド元首相は、自身としては来年にも実施される次期総選挙への出馬を望んでいないが、党内から強く望まれれば出馬する可能性があると言明した。マハティール氏は現在96歳であり、当選して任期を全うすると100歳を超える計算になる。
マハティール氏は「VICEニュース」とのインタビューの中で、不出馬の意向にも関わらず多くの支持者らから次期総選挙への出馬を望まれているとした上で、自身の出馬によって党が躍進するとの期待が党内で高まった場合にはこれを拒否することはできないと言明。そうなれば最後の手段として出馬することもありうると述べた。
マハティール氏は1964年の初当選を皮切りに通算10回の当選を果たした。統一プリブミ党(PPBM)を率いて臨んだ2018年総選挙では、選挙区をランカウイに変えて出馬して当選していた。
マハティール氏はこのほか、マレーシアで認められていないLGBTの権利問題に関しては「マレーシアの社会は西洋と異なっているという事実に同意する必要がある」と慎重な見方を示した上で、環境や気候変動問題では若者世代と理念を共有できると述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月5日)

新型コロナの感染者数は4543人、累計で250万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は4,543人だったと発表した。累計感染者数は251万852人となった。
7日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,455万2,038人で、接種率は75.2%。成人の接種者数は2,219万4,116人で、接種率は94.8%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.92だった。
7日の新規感染者数は4,343人だった。5,190人が回復し、累計治癒者は241万2,395人。死者数は35人増え、累計で2万9,291人となった。アクティブ感染者は、882人減の6万4,623人。アクティブ感染者数のうち、78.8%が自宅、12.6%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.7%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに7カ所(職場で3カ所、コミュニティで3カ所、教育機関で1カ所)のクラスターを確認。州・地域別では、ジョホールとマラッカでそれぞれ2カ所、クランタン、サバ、ペナンで1カ所クラスターが発生した。