ペナンやペラなど5州、国家復興計画第4フェーズに

【クアラルンプール】 ヒシャムディン・フセイン上級相(兼国防相)は、8日付けでペルリス州、ケダ州、ペナン州、ペラ州、サバ州が国家復興計画(NRP)の第3フェーズから第4フェーズに移行すると発表した。第3フェーズはサラワク州とクランタン州のみとなった。
ヒシャムディン大臣によると、保険省と国家安全保障委員会(MKN)がリスク評価を実施し、第4フェーズに移行することを決定した。最新の標準的運用手順(SOP)については、ウェブサイト(www.mkn.gov.my)で公開している。
またヒシャムディン大臣は、8日付でワクチン接種完了者に対して、スタジアムやスポーツ施設でのスポーツ観戦を認めると発表。しかし施設内での飲食については引き続き禁止すると述べた。
一方で国外からの旅行者の隔離や検疫所については、これまでホテルが運営していたが、私営の隔離・検疫所が5日付で承認されたと言明。7日後からマレーシア国家災害管理庁(NADMA)が定めたガイドラインの下で、運営を開始すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月6日、エッジ、11月5日)

 

配車サービス「エアアジアライド」、ペナン島で運行開始

【ジョージタウン=マレーシアBIZナビ】 格安航空会社エアアジアは10月30日、配車サービス「エアアジア・ライド」の運行をペナン島で開始した。
エアアジア・ライドはこれまで、首都圏とケダ州ランカウイ島でサービスを展開していた。アプリの「ライド」アイコンもしくはウェブサイトから配車予約ができる。
ペナン州のチョー・コンヨー州首相は、エアアジアが展開するアプリは配車サービスおよびEコマース産業に貢献をもたらすと言明。「エアアジア・ライド」の提供開始によりドライバーの雇用創出や、観光客に手頃な価格の移動方法をもたらすとした。また州内の小規模事業者やレストランなどに対しても、食事デリバリーの「エアアジア・フード」を活用することを呼びかけ、事業をデジタル化することで市場を拡大することができるとした。
エアアジア・ライド・マレーシアのリム・チュウシャン最高経営責任者(CEO)は、「エアアジア・ライド」の利用者は従来よりも10ー15%ほど安く移動でき、ドライバーは利用者が支払った料金の85%を報酬として受け取ることができると説明、フライト予約時に配車サービスも予約可能で、ドライバーも事前予約があることで仕事を確保し時間を節約できるとし、利用者とドライバー双方に恩恵をもたらす仕組みになっているとした。

ファストフードの比「ジョリビー」、サンウェイにオープンへ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フィリピンのファストフード・チェーン「ジョリビー」は、セランゴール州ペタリンジャヤのショッピングモール「サンウェイ・プラミッド」にマレーシア2号店をオープンする。
「サンウェイ・ピラミッド」は、フェイスブックに開店準備のために改装中であるとし、写真を投稿した。店舗がオープンするのは地下2階の飲食店街で、韓国式焼肉レストラン「ソウル・ガーデン」の隣となる。しかしオープン日については明記しなかった。
「ジョリビー」のマレーシア1号店は、サバ州コタキナバルに2018年にオープン。2019年にはマレーシア・イスラム開発局(JAKIM)よりハラル認証を取得した。フライドチキンやスパゲッティ、フライドチキンサンドイッチ、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドポテト、ソフトドリンクなどを提供している。
ジョリビー・フーズ・コーポレーションズ(JFC)は7月29日、フィリピン証券取引所に提出した声明において、JFCの完全子会社であるゴールデン・プレート(GPPL)とビーワークス・インベストメント(BIPL)が合弁企業(JV)を立ち上げて、西マレーシアにおいて「ジョリビー」を所有・運営すると発表。西マレーシアにおいて、2022年から10年間をかけて120店舗を開設するとしていたものの、出店先については明らかにしていなかった。

閣僚公用車にトヨタ「ヴェルファイア」、4月から既に変更

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 前・希望同盟(PH)政権時代に更新が凍結されていたマレーシア連邦政府閣僚の公用車が、今年4月より国民車メーカー、プロトン・ホールディングス「ぺルダナ2.4L」からトヨタ「ヴェルファイア2.5L」に変更されていたことが分かった。
テンク・ザフルル財務相が国会質疑で明らかにした。「ヴェルファイア」1台当たりの月間リース料は5,759.35リンギで、メンテナンス料907.74リンギを含んでいる。9月までに合計142万リンギを請負会社のスパンコ社に支払った。その他の政府公用車は、プロトン「X70」に切り替えられており、これもスパンコ社が関与している。
公用車変更は、希望同盟(PH)政権下で当時のリム・グアンエン財務相が財政逼迫を理由に凍結しており、質問を行ったシム・ツェツィン議員(人民正義党=PKR)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大で国民が苦しんでいる中、多額の費用をかけて高級車に切り替える必要があったのかと疑問を呈している。
スパンコ社は前・国民戦線(BN)政権時代の1994年から公用車の長期供給契約を受注していたが、契約額が高すぎると再三指摘されていた。希望同盟(PH)政権になって、政府が契約をナザ・ベルジャヤ連合に切り替えると報じられたが、PH政権が倒れBN中心の与党連合・国民同盟(PN)政権となったことでスパンコ社に戻った。

サラワク州議会が解散、非常事態宣言の解除うけ

【クチン=マレーシアBIZナビ】 サラワク州のアバン・ジョハリ首相は、同州に敷かれていた非常事態宣言がアブドラ国王の同意を受けて3日付けで解除されたことを受け、同州議会が解散したと発表した。連邦憲法の規定で60日以内に州議会選挙が開催されることになるが、早ければ12月上旬にも実施されるとみられている。
サラワク州議会は6月6日に任期満了を迎えたが、今年1月に発令された非常事態宣言の適用を受けて州議会の任期が延長された。全国規模の非常事態宣言が9月1日で解除されたが、州議会選挙が行なわれると新型コロナウイルス「Covid-19」の新たな感染拡大を引き起こすことが懸念されたことから、サラワク州のみ来年2月2日まで延長されていた。ただその後は全国的に感染が終息に向かっており、マラッカ州でも州議会選挙実施が決まったことから、サラワク州だけ選挙を延期する大義名分がなくなっていた。
州議会選挙日程は後日、州議会議長から解散通知を受けた選挙委員会(EC)が決定することになるが、連邦憲法の規定で遅くとも来年1月上旬までに実施されることになる。ただ年明けには憲法改正に基づく選挙権年齢の18歳への引き下げ(Undi18)が施行されるため、新たな有権者の票読みが難しくなることを嫌う同州与党・サラワク政党連合(GPS)は年内実施を望んでいるとされる。前政権では82議席中67議席をGPSが掌握していた。

新型コロナの感染者数は4922人、4日ぶりに5千人以下

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は5日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は4,922人だったと発表した。累計感染者数は249万7,265人となった。
4日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,462万5,458人で、接種率は75.4%。成人の接種者数は2,241万7,059人で、接種率は95.8%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.94だった。
4日の新規感染者数は5,713人だった。5,865人が回復し、累計治癒者は239万6,244人。死者数は64人増え、累計で2万9,155人となった。アクティブ感染者は、216人減の6万6,944人。アクティブ感染者数のうち、77.6%が自宅、13.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.4%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに5カ所(職場で4カ所、コミュニティで1カ所)のクラスターを確認。州・地域別では、KL、セランゴール、パハン、ジョホール、ネグリ・センビランで1カ所クラスターが発生した。

ウエストポーツの滞貨、荷役会社の生産性・利益に影響

【クアラルンプール】 クラン港の貨物ターミナル、ウエストポーツのコンテナヤード(海上コンテナの一時保管施設)でコンテナ渋滞が続いており、運営会社ウエストポーツ・ホールディングスの生産性が落ちている。
中国・マレーシア合弁証券CGS-CIMBのアナリスト、レイモンド・ヤップによると、第4四半期(10ー12月)の純利益は低迷した前期並みの1億7,900万リンギ、通期利益は7%増の7億2,200万リンギが予想されるという。
渋滞の主因はベトナム、バングラデシュ向けコンテナが両国におけるロックダウンのため保管を余儀なくされているためだ。ヤードの利用率は95%。コンテナは最大限の高さまで積み上げられているため、下の方にあるコンテナを取り出すためには大変な手間がかかり、燃料消費も増えているという。
CGSーCIMBは通期のコンテナ取扱量を1.7%増の1,069万TEU(20フィートコンテナ換算)と予想している。
(マレーシアン・リザーブ、11月2日)

カールスバーグ、15日からビールなどの価格を改定へ

【クアラルンプール】 カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアは、11月15日からビールなど一部の飲料の小売店向け価格を改定すると明らかにした。
値上げに関する非公開情報がワッツアップで流出していたことについて、カールスバーグは、エッジの取材に対し、流出したのはカールスバーグから取引先への正式な連絡内容だったと認める一方で、今回の価格改定は取引先小売店に対するものであり、消費者向け小売価格をカールスバーグが決定するものではないとし本来機密性を持って取り扱われる内容が流出したことに対し遺憾の意を表した。
カールスバーグの第2四半期(4 6月)決算では、売上高は前年同期の2億8,727万リンギから21.6%増の3億4,921万リンギ、純利益は前年同期の1,065万リンギに対して3倍の3,714万リンギとなった。前年はロックダウンによる売上低迷や営業経費増などが要因で低水準となっていたため大幅な増収増益となった。
今年上半期の売上高は前期の8億7,715万リンギに対して8億8,120万リンギとほぼ横ばいだった一方、純利益は前期の8,360万リンギから23.9%増の1億359万リンギとなった。
(エッジ、11月2日)

国内観光の完全回復は2025年に、旅行業界が予想

【クアラルンプール】 マレーシア旅行代理店協会(MATTA)は、ワクチン接種率が成人人口の95%以上となり、新規感染者数も減少していることから、国内観光は予想よりも早く回復するが、パンデミック前の水準にまで完全に戻るのには2025年までかかると発表した。
ナイジェル・ウォン名誉事務局長は、世界観光機関(UNWTO)をはじめとする多くの専門家が、「国内観光の完全回復は2025年となる」と予想しているとし、多くの国でワクチン接種率が向上していることから、海外からの観光客の受け入れについても世界中が協調して取り組んでいると説明した。業界はより早い完全回復を望んでいるが、現時点では観光客の受け入れ国が限られており、国際便のフライト数も減少したままであることから早期回復は難しいという見通しを示した。
一方、州間移動が再開されてからは、トラベルフェアの開催を望む声が多く寄せられているとし、国内観光が大きく動き出すことが期待できるとした。ランカウイの「トラベルバブル」が好調なことからも、国内旅行への需要が累積していることが証明されたという。
MATTAは、11月20ー21日にマレーシア最大のトラベルフェアであるMATTAフェア(http://www.mattafair.org.my/index.php/en/)をワールド・トレード・センター・クアラルンプール(WTCKL)で2年ぶりに開催する。観光業界に深刻な影響を及ぼしたロックダウン後の復興状況を示す重要な機会であるとし、▽韓国▽台湾▽フィリピン▽日本▽トルコ▽ウガンダーーなどの観光団体も参加、国内各州の観光局からも強い支持を得ているとした。
2022年度予算案では、1,000リンギまでの国内旅行費用に対する所得税の特別控除を来年まで延長することが発表されている。
(エッジ、ベルナマ通信、11月2日)

中銀バンクネガラ、政策金利を1.75%で据え置き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは3日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を1.75%で維持することを決定した。中銀は昨年7月に0.25ポイント引き下げた後は、1.75%で維持している。

中銀は声明の中で、マレーシアにおいて、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を防ぐために全国的なロックダウンが実施されたことで経済成長の勢いが弱まっていたものの、規制緩和に伴い、最新の統計では回復傾向にあることが示されていると説明した。来年は世界的な需要の回復、民間支出の増加、政策などに支えられて成長の勢いは加速すると予測。しかし世界の経済成長の回復が予想よりも遅くなること、サプライチェーンの混乱の悪化、新型コロナの変異株の出現などが依然ダウンサイドリスクとなっているとした。

今年のヘッドライン・インフレ率については、年初から平均で2.3%程度となっているとして、通年では2.0ー3.0%になると予想。コア・インフレ率は、経済の余力が引き続きあることや労働市場が低迷していることから、1.0%以下に引き続き抑制されるとの見解を示した。その上で、OPRを維持した理由については、現在の政策が適切かつ緩和的であるとして、経済活動をサポートし続けることができると説明。今後も最新の統計やインフレ率、経済成長の全体的な見通しなどを考慮して政策を決定し、持続的な経済回復のための環境を整備するとした。

一方で世界経済について中銀は、製造業およびサービス業の活動に牽引されて回復を続けていると指摘。ワクチン接種率上昇、規制緩和や財政・金融政策が導入が成長を下支えするとした。しかし新型コロナの変異種の出現、サプライチェーンの混乱、主要国の金融政策の変更に伴う金融市場のボラティリティ上昇がマイナスリスクとなっているとした。