【クアラルンプール】 人材サービスのランスタッド・マレーシアが実施した「2022年市場展望および給与スナップショットレポート」によると、2022年には生活費の高騰やロックダウンの反動で多くの労働者が転職を考え、転職市場が活発化するが、人材不足のため売り手市場が続き、優秀な人材を獲得するための企業間競争が激化しそうだ。
IT業界では、電子商取引、フィンテック(金融技術)、クラウド、サイバーセキュリティの4分野の成長が見込まれており、ビッグデータの活用を目指す中堅・大企業ではソフトウェア開発者だけではなく、データエンジニア・サイエンティストの需要も高くなるという。データエンジニアの月額給与基本額(手当などを除く)は、7,000から1万4,000リンギ(3から8年の経験者)。セキュリティ・エンジニアは4,000から1万2,000リンギ(1から5年の経験者)、プロジェクト・マネージャーは1万から2万リンギ(5から10年の経験者)。
製造業の品質管理者の場合、8,000から1万5,000リンギ(10から15年の経験者)。日用消費財(FMCG)では、ブランド・マネージャーの場合、7,000から1万2,000リンギ(5から8年の経験者)、地域販売担当マネージャー(RSM)の場合、1万3,000から1万7,000リンギ(8から10年の経験者)となっている。
ランスタッド・マレーシアの責任者であるファハド・ナイーム氏は、外国人労働者の雇用制限が強化されていることからも国内での人材確保が課題となっており、リモートワークの選択肢を与えるなど、柔軟な働き方を提供することが鍵となるとし、変化を好まずパンデミック以前のやり方に固執する企業は、今後離職率が大幅に上昇するという予想を示した。
(ザ・スター、12月4日)