奇瑞汽車、来年にもマレーシア市場に再参入か

【クアラルンプール】 奇瑞汽車(チェリー自動車)は、2022年にもマレーシア市場に再参入する模様だ。
自動車関連ニュースポータルの「ポールタン」によると、チェリー自動車は取材に対して、マレーシアにおける現地組立生産(CKD)に向けて合弁相手候補と協議を進めており、来年にも契約を交わすことができる見通しだと明らかにした。「瑞虎(ティゴ) 4プロ」、「ティゴ7プロ」、「ティゴ8プロ」などスポーツ車(SUV)をメインにマレーシア市場に投入する予定だ。またマレーシア政府は、電気自動車(EV)の普及に向け免除政策を来年度予算案に盛り込んだことから、小型電気自動車「eQ1」の輸入完成車(CBU)の投入も計画しているという。
チェリー自動車は、インドネシアにも進出し、投資を行っていく方針を明らかにしており、マレーシアとインドネシアでどのように生産体制を構築していくのかについて、ポールタンは不明だとしている。
(ポールタン、12月8日)

ネスレマレーシア、再生可能エネルギー電力に完全移行

【クアラルンプール】 食品・飲料のネスレ・マレーシアは、来年1月より国内全事業所に関わる全ての電力を再生可能エネルギーに完全移行すると発表した。
完全移行により年間7万5,000トンの二酸化炭素排出量削減に繋がり、同社の掲げる「2025年までに電力の100%を再生可能エネルギーでまかなう」という目標を前倒しで達成することになる。
今回の完全移行は、エネルギー天然資源省と電力会社テナガ・ナショナルの子会社であるTNBXが今年11月末に開始した「グリーン電力料金」(GET)制度により実現した。ネスレ・マレーシアは、GETの導入を約束した9社のうちの1社で、承認プロセスを早期完了したことで、来年完全移行できる見通しだ。
ネスレ・マレーシアのフアン・アラノルス最高経営責任者(CEO)は、TNBXが供給する太陽光発電や水力発電から必要電力をまかなえるとし、マレーシア再生可能エネルギー証書(mRECs)を受けることで、再生可能エネルギー利用者であることを主張できるようになると言明。「2030年までに温室効果ガスの排出量を半減させ、2050年までにネット・ゼロを達成する」という目標にも貢献できると語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、12月9日)

総理大臣任期を最大10年に、来年7月メドに法案化へ

【クアラルンプール】 ワン・ジュナイディ首相府相(法務担当)は、総理大臣の任期を最大10年に制限する方向で、すでに首相府法務部(BHEUU)と司法長官会議が法改正に向けた検討に入っていることを明らかにした。
立法化に当たって国民、政府機関、市民社会組織(CSO)、非政府組織(NGO)の見解を考慮するため、すでに11月23日から12月8日までBHEUUのウェブサイト上で意見を募った。9月の与野党合意に基づき設置された閣外協力協定(CSA)運営委員会の下に立法化に向けた技術委員会が設置され検討が始まっており、2022年7月をメドに修正案を取りまとめる。
首相任期の制限は野党側が強く求めていたもので、9月に樹立したイスマイル・サブリ・ヤアコブ内閣が政権安定のために野党連合・希望同盟(PH)と与野党協力を締結した際、政治改革案の一つとして政府側から提示されていた。
このほかワン・ジュナイディ氏は、議会と司法長官会議が議会の独立性を保証するための「2022年議会サービス法案」の策定及び修正、「2022年議会(特権と権限)(修正)法案」の起草に着手していることを公表。2022年3月の審議入りを予定していることを明らかにした。また9月17日の閣議で議員の政党鞍替えを禁じる法律の策定について閣議決定したことを公表。11月23日から12月7日までBHEUUのウェブサイト上で一般から意見を募ったことを明らかにした。
(エッジ、ベルナマ通信、12月7日)

小売業の売上高、第3四半期は27.8%減少=RGM

【クアラルンプール】 小売業調査会社リテール・グループ・マレーシア(RGM)によると、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大防止策として施行された行動制限令(MCO)の影響を受けて、第3四半期の小売業売上高は、前年同期に比べて27.8%減少した。
RGMが発表した「2021年11月マレーシア小売業界リポート」によると、マレーシア小売業協会(MRA)およびマレーシア小売チェーン協会(MRCA)の予想(マイナス15.1%)を下回った。MCOによりほとんどの小売業者は店舗を一時休業しなくてはならなず、百貨店やハイパーマーケットの売り上げは41.9%、43.6%と大幅に減少した。また映画館や劇場など娯楽施設の売り上げも減少した。一方でミニマーケット・コンビニエンスストアの売り上げは2.6%増加し、セクター別で最も増加率が高かった。
8月21日付で政府が車両の乗車人数制限や行動制限を緩和したことで、主要なショッピング施設の客足は回復してきており、第3四半期に売り上げがマイナス0.8%となった飲食店だが、飲料や食品を扱うキオスクや屋台などの売り上げは第4四半期に20.5%増加することが見込まれている。またファッション・装飾品については、第4四半期に50.4%と大幅増加が期待できるという。
RGMは第4四半期について、年末に向けて売り上げの回復が見込めるとし、9月にプラス12.7%としていた小売業の売り上げ予想を18.3%に上方修正したと公表。しかし今年通年については、第3四半期が芳しくなかったことから、プラス0.8%からプラス0.5%に下方修正した。来年は6%増加を予想しているという。
(マレーシアン・リザーブ、12月8日、エッジ、12月7日)

新型コロナの感染者数は5446人、2日連続で5千人台に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,446人だったと発表した。累計感染者数は267万8,465人となった。
8日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,547万6,738人で、接種率は78.0%。18歳以上の成人接種者数は2,274万6,838人で、接種率は97.2%となった。
8日には4,525人が回復し、累計治癒者は258万1,395人。死者数は28人増え、累計で3万746人となった。アクティブ感染者は、前日から467人増の6万878人。うち81.5%が自宅、9.8%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、7.9%が医療機関、0.7%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに13カ所のクラスターを確認した。クランタン州で3カ所、セランゴール州とパハン州でそれぞれ2カ所、サバ州、ジョホール州、パハン州、ネグリ・センビラン州、ペルリス州、ケダ州とペナン州を跨いだクラスターがそれぞれ1カ所発生した。これまでに確認されたクラスターは6,005カ所で、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は245カ所に増えた。