【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 12月17日から18日にかけてマレーシア半島中部を襲った大雨による大規模な洪水で、首都圏クランバレーを中心に製造業や流通業など多くの産業が被害を被った模様だ。

スーパーマーケット・チェーンの「マイディン」は、洪水被害を受けたセランゴール州シャアラムの店舗に武装強盗が押し入って時計などが強奪される二次被害に遭っており、被害額は20万―30万リンギを超えるとみている。被害が甚大だったシャアラムでは、マイディン以外でもセブンイレブン、KKスーパーマートなども火事場泥棒の被害に遭っているという。

同じくスーパーマーケット・チェーンの「ジャイアント」はシャアラム・セクション13店が浸水したことを受け、18日午後7時より首都圏のハイパーマーケット全店を閉店としたが、翌19日には3店舗を除いて営業を再開した。

マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティエンライ会長は、被災地の製造業に数百万リンギの上る被害を及ぼしている可能性があると述べた上で、各企業が被害額の算定を行っている段階だとした。また道路が寸断されたことで物流や倉庫業にも影響が出ているとし、述べた。

洪水被害が出ているのは▽セランゴール▽パハン▽クランタン▽マラッカ▽ネグリ・センビラン▽トレンガヌ▽クアラルンプール(KL)▽ペラ――で、21日午前1時時点で避難民は約6万7千人に上っている。セランゴール州が3万2,044人で最も多く、クラン地区が1万8,858人を占めている。死者は午後5時時点でセランゴール州で17人、パハン州で6人となっている。