【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ジェーシービー (JCB、本社・東京都港区) は、マレーシアのフィンテック企業、ソフト・スペース(本社・クアラルンプール)と資本業務提携し、ソフト・スペースに対して約500万米ドルを出資するとともにマレーシアでのJCBカード発行および加盟店獲得業務に関するライセンスを付与したと発表した。
JCBは、2021年にシンガポールの現地法人傘下に既存のカード決済事業の枠組みを超えたサービスの開発、新たなビジネスの創出を目指すASEAN事業創造部を設立するなど、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を戦略強化マーケットと位置づけ、さらなる事業の拡大に注力している。
今回の提携は、JCBのグローバルネットワークを活用して事業を拡大したいソフト・スペースと、同社の先進的なテクノロジーや事業ノウハウを活用してASEAN地域の事業を強化したいJCBの戦略が一致し、実現した。同提携により、ソフト・スペースの提供する非接触端末利用技術「タップ・オン・モバイル」端末を活用したマレーシアでのJCB加盟店ネットワーク拡大やモバイルでのカード発行が実現するだけでなく、同社の端末を活用したASEAN域内の金融機関に対する新たなマーケティングソリューションの提供等、カードビジネスを超えた幅広い領域での事業提携を実現することができる。
今後もJCBはASEAN域内のみならず、全世界のJCBブランド会員および提携先への新たな価値提供に向け、様々な分野の企業と戦略的提携を模索していく方針だ。
2012年に設立されたソフト・スペースが開発した金融業界の複雑な構造を簡素化する非接触決済ソリューションは、10カ国で30以上の金融機関で導入されている。JCBとソフトスペースは2020年に、「タップ・オン・モバイル」に関する概念実証を開始していた。