【クアラルンプール】 セランゴール州シャアラムで「iシティー」の開発を行うアイは26日、子会社であるiシティー・プロパティーズを通じ、チャイナ・モバイル・インターナショナル(マレーシア)(中国移動国際有限公司、CMIM)と提携し、国内初のスマートグリーンビルの建設を行うと発表した。
iシティーのモニカ・オン取締役によると、提携契約に基づき「コーポレートタワー」を建設し、ビル内に第5世代(5G)インターネット対応のカメラやセンサーを設置、環境、エネルギー消費、人の動線を監視し、データを収集する。人工知能(AI)技術をビル構造に組み込むことで、照明や空調などの電気機器で使用するエネルギーを天候やビル内の人数に応じて自動的に調整でき、セキュリティや清掃スタッフの配置もより効果的に管理できるようになる。十分なデータを収集すれば、ピークの時間帯に必要な人員数を前もって特定し、ビル管理者に通知することが可能。今年は5Gの導入が予定されており、iシティー内でのAIの機能強化に取り組むという。
総額100億リンギをかけて開発されているiシティーは、5Gに対応したデータ転送速度400Gの高速ネットワークを国内で唯一備えており、マレーシア版シリコンバレー「MSC(マルチメディア・スーパー・コリドー)マレーシア」ステータスを取得している。昨年、「ダブルツリー・バイ・ヒルトン」はiシティ内に移転した。ゲストのロビー到着時に客室を約25度に予冷するシステム、バイオメトリクスを利用した照明やカーテンの制御、スマートドアロックシステムなどのインフラが整備されていることから移転を決めたという。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月27日)