モデルナ、マレーシアなどアジア4カ国地域に子会社設立

【クアラルンプール】 医薬品メーカーの米モデルナは、▽マレーシア▽シンガポール▽台湾▽香港ーーのアジア4カ国・地域に現地子会社を設立すると発表した。同社のメッセンジャーRNA(mRNA)をベースとした新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンや治療薬の販売ネットワークをアジア全域に拡大させることを目指す。
市販ワクチン担当のパトリック・ベルクステット副社長は、マレーシア国内の学術センター、大学、病院と協力する可能性に言及し、マレーシアのパートナーとのワクチン開発や製造における協力を通じてモデルナのmRNAプラットフォーム技術を世界中に供給したいと表明。マレーシアにおいてmRNAサイエンスを共同開発する可能性もあると述べた。
ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は、「2021年はモデルナにとって大きな意味のある年だったが、2022年も引き続きアジアでのプレゼンス拡大を通じて継続的な成長を遂げることができると期待している」と述べた。
モデルナはアジア太平洋地域ではすでに日本、韓国、豪州に子会社を設立しており、日本や欧州連合(EU)、英国、イスラエル、カナダなど70カ国以上で新型コロナワクチンの承認を受けている。2021年には8億700万回分のワクチンが出荷され、うち25%が低所得国に輸出された。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月17日、エッジ、2月16日)

マレーシア航空、加熱式食品・飲料の持ち込みを禁止

【クアラルンプール】 マレーシア航空は、発熱剤が付いたいかなる形態の加熱式食品についても、安全上の懸念から預け手荷物及び機内持ち込み手荷物の両方で持ち込みを禁じると発表した。
マレーシア航空によると、これらの加熱式食品の発熱剤には、マグネシウムや鉄の粉末、固体炭素、酸化カルシウムなどが入っており、水と接触すると可燃性ガスを放出する。具体的には加熱剤付きの鍋料理やご飯、飲料が禁止対象となる。加熱式でないインスタント食品や飲料は規制外。
マレーシア航空は声明の中で、「安全上の懸念から、乗客・乗務員ともに預け手荷物及び機内持ち込み手荷物のいずれについても許可しない」とした上で、「乗客と乗務員の安全と快適さは、マレーシア航空にとって最重要項目である」としている。
(エッジ、ザ・スター、2月15日)

DHLがモバイルサービスポイント開設、スマートロッカーも導入

【クアラルンプール】 国際配送の独系DHLエクスプレス(マレーシア)は16日、移動式の「モバイル・サービスポイント」の開設と、宅配ロッカー「スマート・ロッカー」の導入を発表した。
DHLが発表した声明によると、「モバイル・サービスポイント」と「スマート・ロッカー」の導入は、パーセル365社の協業の下で行われた。「モバイル・サービスポイント」はトラックを改造したもので、車体屋根には太陽光発電装置が取り付けられている。「モバイル・サービスポイント」の開設により、国内のサービスポイントは146カ所となった。「モバイル・サービスポイント」は現在、クアラルンプール(KL)のモントキアラで1カ所のみ営業しているが、今年3月末までに首都圏で3カ所新たに開設する計画だ。
一方で「スマート・ロッカー」の導入により、ロッカーを利用して非接触で荷物を受け取るだけではなく、荷物の発送手続きと集荷が可能となった。現在は、KL、セランゴール州、ペナン州、ジョホール州、サバ州に74カ所のロッカーがあるが、今年上半期内に300カ所に増設するという。
(ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、2月16日)

ホームセンターのミスターDIY、今年は180店舗を開設

【クアラルンプール】 ホームセンターのミスターDIYは今年、180店舗を新たに開設し、総店舗数を約1,100店舗とする目標だ。
エイドリアン・オン最高経営責任者(CEO)は、「ミスターDIY」、「ミスターDIYエクスプレス」、玩具の「ミスター・トイ」、均一価格販売の「ミスター・ダラー」4店舗を展開していると明らかにした。2020年に新型コロナウイルス「Covid-19」の影響を受けた以外は、2005年より順調に店舗を増設しており、2021年12月31日時点の店舗数は900店舗となったと説明。その上で、1年間に180店舗を開設するのは、同社にとり年間の最多開設数となるとした。
また海外進出に関して、オンCEOはマレーシアおよびブルネイ市場に注力しているため、海外への店舗拡大にはフォーカスしていないと述べた。
ミスターDIYは16日、2021年通年決算を発表。売り上げは前年比32%増の33億7,341万リンギ、純利益は同比28%増の4億3,183万リンギとなり、増収増益となった。2019年のホームセンター市場でのシェアは29.1%だったが、2020年には34.6%に拡大した。
(ザ・スター、ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月17日)

新型コロナの基本再生産数、1.32に下降も全地域で1を上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は16日時点で、1.32となり、前日から下降したと発表した。全ての州・地域で1.00を上回った。最も高いのは、ラブアンで1.96だった。

カイリー・ジャマルディン保健相は、これまで毎日発表していた新規感染者数を、翌日午前10時に公表することに決めたと発表。陽性者数の数に一喜一憂するのではなく、病床使用数や入院者数、重症度なども一緒に公表することで、実際の状況を明確に把握して欲しいと説明した。

保健省ポータル「コビドナウ(Covidnow)」によると、16日には7,912人が回復し、累計治癒者は287万6,450人。死者数は21人増え、累計で3万2,201人となった。アクティブ感染者は、前日から1万9,898人増え20万2,863人。うち93.8%が自宅、2.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.4%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は67.5%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,573万7,748人で、接種率は78.8%だった。ブースター接種完了者は1,360万7,475人で、接種率は41.7%となった。
また新たに28カ所のクラスターが発生。うち21カ所が教育機関、4カ所が職場、残りは拘置所と医療機関など感染すると重症化するリスクが高い集団などで起きたクラスターだった。これまでに確認されたクラスターは6,657カ所となり、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は467カ所に増えた。

ブルネイと隔離なしで往来を実施へ、航空便の増便も計画

【バンダル・セリ・ブガワン】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、ハサナル・ボルキア国王兼首相兼国防相兼蔵相と会談を行い、新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種を完了した者を対象に隔離なしで出入国を認める「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」の実施で合意した。
14ー15日の日程でブルネイを訪問していたイスマイル・サブリ首相は15日、メディア向けに会見を開催。ボルキア国王との会談では、VTLの他、クアラルンプールとバンダル・セリ・ブガワンを結ぶ週2回の航空便を4回に増便することも協議したと明らかにした。VTLの実施に向け関連省庁が標準的運用手順(SOP)を見直すことになるとした上で、早急に実施できるように関連省庁に要請したと説明。また両国のコロナ情報・追跡アプリも相互承認し、それぞれの国で利用できるようになると述べた。会談では、ワクチンの研究・開発に向けた協力で一致したという。
一方で、国境の再開の時期について問われたイスマイル・サブリ首相は、再開する計画はあるが、「3月1日は時期尚早かもしれない」と答え、時期に関しては明言を避けた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、2月15日)

マレーシアとフィリピン、ワクチン接種証明書を相互承認

【クアラルンプール】 マレーシアとフィリピンは14日付けで、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンのデジタル接種証明書を相互に承認することで合意した。
マレーシアからフィリピンに渡航する場合は、コロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」上のワクチン接種証明書、フィリピンからマレーシアに渡航する場合は、デジタル証明書「フィリピンワクチン証明書(VaxCertPH)」をそれぞれ提示しての入国が可能となった。
13日にフィリピンに入国しようとしたマレーシア人7人が、ニノイ・アキノ国際空港で、「MySejahtera」上のワクチン接種証明書が認められず入国できなかった問題が発生したことを受けたもの。
マレーシア華人観光協会のポール・ポー会長は、中東、英国、欧州諸国に入国する際には「MySejahtera」の提示で問題がなかったと説明。渡航者は飛行機搭乗前にワクチン接種状況を確認されることから今回の件は不思議だとし、渡航の際はあらゆる事態に備えるべきだという教訓になったと述べた。
マレーシア・インド旅行協会(MITTA)のアルルダス・アルランドゥ副会長も、東南アジア諸国連合(ASEAN)でこのような問題が発生したことは不安であるとし、国民の90%がワクチン接種を完了してもその証明書が認められないのでは意味がなく、自身のマニラ行きの予定も延期したと述べた。またミトラ・トラベルのツアー・マネジャーであるアダム・ミカイル氏は、ワクチン接種証明書については電子版と書面の両方を用意するよう顧客にアドバイスしたという。
英字紙「ザ・スター」によると、フィリピン側は9月からVaxCertPHの使用承認をマレーシアに求めていたが、マレーシア側の対応が遅れていたという。
(ザ・スター、2月16日、マレーシアン・リザーブ、2月15日)

ホンダ、新型「シティハッチバック」ハイブリッドの価格を発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ホンダ・マレーシアは15日、新型Bセグメント・ハッチバック車「シティ・ハッチバック」のハイブリッドモデル「RS e:HEV」の価格を10万7,783.09リンギと発表した。
「シティ・ハッチバック RS e:HEV」は、ハッチバックタイプのボディに、駆動用と発電用の2つのモーターを有する2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」技術を搭載したモデル。状況に合わせて走行モードを切り替え、燃費を向上させることができる。ホンダのe:HEV技術を搭載したハッチバックはマレーシア初投入となる。
若年層を対象としたスポーティーでエネルギッシュなデザインや走行性を追求しながらも安全運転支援システム「ホンダ・センシング」、コネクテッド技術「Honda CONNECT(ホンダ・コネクト)」などの先進技術を装備。可変性の高い「ウルトラシート」の導入により、荷室の積載性も優れている。「RS e:HEV」以外のバリアントは昨年12月に発表された、排気量1.5リットルのガソリンモデル「V」、「E」、「S」の3種。
中条円 社長兼最高経営責任者(CEO)は、新型「シティ・ハッチバック」は、12月の発表以来大きな反響を受け、すでに5,200件以上の予約が入っているとし、「RS e:HEV」もその洗練されたデザインや先進技術から市場の新たな基準を打ち立て、特に若年層にとって魅力的なモデルになるだろうと述べた。

エアロダインとペトロサー、サラワクでDT3サービス提供へ

【クアラルンプール】 日本でも事業展開しているドローンサービスのエアロダイン・グループは、技術職業教育訓練(TVET)センターのペトロサー・アカデミーと協業で、サラワクおよびボルネオ市場でドローン点検のDT3事業(ドローン技術、データ技術、 デジタル・トランスフォーメーション)を提供すると発表した。
両社が共同で発表した声明によると、エアロダインの持つドローン技術とデータ管理ソリューション、ペトロサーが持つサラワクおよびボルネオ市場でのプレゼンスを活かして、民間および公共部門両方に、石油・ガス向けエンジニアリング・サービスやインフラ資産の検査、セキュリティ・空中監視、ドローンによる配達のサービスを行う他、技術訓練や人材開発を実施する。
エアロダイン・グループのカマルル・ムハメド最高経営責任者(CEO)は、ペトロサーと共にサラワクとボルネオにおいてデジタル化を進めることで、企業は事業のプロセスを見直し、それぞれの目標の達成に繋げることができると言明。一方でペトロサーのアズファル・サフリCEOは、エアロダインとの協業はサラワク州企業にとり大きな節目となるとし、我々は境界線に縛られず、ボルネオ島全体のドローン分析産業に刺激を与えていく計画があると述べた。
(ザ・サン、2月16日、ベルナマ通信、2月15日)

新型コロナの感染者数は2万7831人、今年最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は16日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万7,831人だったと発表した。累計感染者数は311万1,514人となった。

15日には7,584人が回復し、累計治癒者は286万8,538人。死者数は31人増え、累計で3万2,180人となった。アクティブ感染者は、前日から1万4,518人増え18万2,965人。うち93.3%が自宅、3.0%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.6%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は64.2%に下降した。  同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,573万5,982人で、接種率は78.8%だった。ブースター接種完了者は1,348万6,823人で、接種率は41.3%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.33に下降したが、全ての州・地域で1.00を上回った。最も高いのは、ラブアンで2.08だった。  また新たに16カ所のクラスターが発生。うち12カ所が教育機関、2カ所が職場、残りは拘置所と医療機関など感染すると重症化するリスクが高い集団で起きたクラスターだった。クランタン州が5カ所で最多。これまでに確認されたクラスターは6,629カ所となり、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は444カ所に増えた。