【バンコク】 タイを公式訪問中のイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種を完了した者を対象に隔離なしで出入国を認める「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」ついて、タイ、シンガポール、ブルネイ、マレーシアの近隣4カ国間で5月までに陸路VTLを開始できる見込みだと明らかにした。
保健省が現在、近隣4カ国間の陸路VTLに関する内閣からの提案を検討している。空路VTLは、空港到着後のスクリーニング検査が容易なため実施しやすいが、陸路VTLでは入国審査時に行列を作らせないために方法を考える必要があるという。
イスマイル首相は、特にタイとの間の陸路VTLは、観光だけでなく二国間貿易にも関わるため重要であるとした。陸上国境を通じた貿易は両国間貿易額の半分を占め、タイからマレーシアへの2021年輸出額は年間105億米ドル(約441億リンギ)にのぼったという。
イスマイル首相はまた、タイとの間でワクチン接種証明書を相互承認することに合意したと述べた。マレーシアの「MySejahtera」アプリ、タイの「モー・プロム(Mor Prom)」アプリ上の接種証明書が両国で正式な接種証明書として認められることになる。
マレーシアとタイは、陸路・空路・海路でVTLを実施することに原則的に合意しており、実施を妨げる課題について具体的な解決方法の検討に入っている段階だという。
(ザ・サン、2月28日、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月27日)