シンガポール系アスコット、宿泊施設3カ所開設へ

【ジョージタウン】 シンガポール系キャピタランド・インベストメントの完全子会社であり宿泊事業に携わるアスコットは、今年第3四半期までにクアラルンプールとペナンで、宿泊施設3カ所をオープンする予定だと明らかにした。
先行して3日、高級サービスアパート「アスコット・ガーニー・ペナン」をペナン州ジョージタウンに開設した。「アスコット・ガーニー・ペナン」は、旧ガー二ー・リゾートホテル&レジデンスを改装したもので、不動産開発の上場企業プレニチュードが所有し、アスコットが管理する。スタジオタイプから1ー2ベッドルームまでの37階建、全271室で、洗濯機・乾燥機なども完備。ジョージタウン中心部の海沿いに位置し、インフィニティープール、ジム、子供用プレイルームなどの共用施設を備え、ビジネスやレジャーでの長期滞在に対応している。
アスコットは昨年11月に同じくペナンでサービスアパート「スカイ・レジデンス・プライ」をオープンしており、1室あたり39平方メートル以上という広さ、ブキメルタジャムの工業地帯に近いという立地、プールやジムなどの共用施設が充実していることから法人客や家族連れから支持を集めている。「スカイ・レジデンス・プライ」は、スタジオタイプから2ベッドルームまでの全168室で、最長で9カ月間の滞在が可能。11月のオープン当初の稼働率は20%程度だったが、12月には60%まで急上昇したという。
(ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月3日)

プロトンの2月の販売台数が大幅増、生産回復で

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは3日、2月の販売台数が前月比107%増の9,225台だったと発表した。
プロトンによると、2月の販売ランキングで2位に返り咲き、市場シェアは20.2%。1ー2月の累積市場シェアは15.9%となった。昨年末の大規模洪水で被災した部品メーカーが復旧し、セランゴール州シャアラムとペラ州タンジョン・マリムにある組立工場での生産が全面的に再開したことが好調に寄与した。また、1ー2月の市場総需要量(TIV)は前年同期比11.4%増と推定されるとした。
一方、Aセグメント「サガ」は、生産・販売活動の回復が遅れたため、販売台数は通常の月平均を下回る2,951台にとどまった。完全な回復には数カ月を要するという。他モデルの販売は好調で、SUV「X50」は3,002台、SUV「X70」は1,119台を販売し、各セグメントで首位の座を維持した。
国内販売台数はまだ昨年を下回っているが、輸出は上昇傾向にあり、1ー2月の輸出台数は、前年の187台に比べ72.8%増の323台だった。
今後、プロトンは販売・サービス網を拡充する予定だ。3S(販売、サービス、部品交換)/4S(販売、サービス、部品交換、板金塗装)の店舗数を増やすことで、アフターサービスの質を向上させる。部品不足により修理の待ち時間が長くなっている問題を解決するために、頻繁に使用される部品22種類については全販売店で3カ月分の在庫を持つことが義務付けられたという。
(エッジ、ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月3日)

ファイアフライ、ペナンとJBやクチン結ぶ路線を4月に運航へ

【クアラルンプール】 マレーシア航空グループ(MAG)子会社で、格安航空のファイアフライは4月11日より、ペナンとジョホールバル、クチン、コタキナバルを結ぶ路線の運航を開始する。3月1日よりウェブサイト、アプリ、予約オフィス、旅行代理店での予約・販売を開始した。
3日に開催されたメディア向けイベントでフィリップ・シー最高経営責任者(CEO)が明らかにしたところによると、使用機材は、昨年投入したナローボディ・ジェット、ボーイングB737ー800機で、路線のチケットは69リンギから販売する。ペナンージョホールバル線は1日2往復、ペナンからクチンおよびコタキナバルの路線は1日1往復をそれぞれ運航。4月25日からはペナンージョホールバル線を1日3往復、ペナンからクチン、コタキナバルへは1日2往復に増便し、ハリラヤ(断食月明け大祭)に向けた渡航需要に応えるという。
ファイアフライは、外国人観光客の受け入れが再開されるまで、国内外の観光客に人気のサバ州に注力する計画で、国内観光を促進するため向こう6カ月は割引キャンペーンなどを実施する予定だ。一方で国際線については、親会社のマレーシア航空が運航していた東京や台湾線の再開に向けて検討している。中国線に関しては新型コロナ「Covid-19」感染症への規制が厳しいため、2023年になる見込みだという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月4日、ベルナマ通信、3月3日)

ロシア非難決議にマレーシアも賛成、名指し批判は避ける

【クアラルンプール】 3日に行われた国連の緊急特別会合で、ウクライナを軍事侵攻したロシアに対する非難決議が採択され、これまで曖昧な態度をとっていたマレーシアも非難決議に賛成票を投じた。同決議案には141カ国が賛成、ロシアやベラルーシ、北朝鮮など5カ国が反対し、中国やインド、ベトナムなど35カ国が棄権した。
マレーシア外務省は同日声明を発表し、「マレーシアは決議文のすべての言葉に同意したわけではないが、国家の主権、独立、領土保全の原則を一貫して支持するとのマレーシアの長年の立場に則って、それを支持し賛成票を投じた」と説明。ロシアを名指しするような直接的な批判は避けた。
その上で外務省は、「ウクライナ・ロシア両国の強固で緊密な関係、複雑な地政学的文脈を考えると、両当事国の主張の食い違いや安全保障上の懸念は、対話と平和的手段を通じて対処されなければならないと信じている」とし、「その点においてベラルーシで行われている両国の直接交渉を歓迎し、平和的な会談が成功することを期待している」とした。
また外務省は、国連安全保障理事会に対して紛争解決の努力を継続することを求めた上で、安保理は国際平和と安全の管理者としての主要な責任を果たさなければならないと強調。「国連の責任ある加盟国として、マレーシアは紛争の平和的解決への長年のコミットメントを再確認する」と述べた。
ロシアによる軍事侵攻についてイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、遺憾の意を示し平和的解決を望むとの立場を表明したもののロシアに対する直接的な批判を避けており、在マレーシア・ウクライナ大使館のオレクサンデル・ネチテイロ大使はマレーシア政府に明確な立場を示すよう求めていた。
(ベルナマ通信、3月3日)

新型コロナの感染者数は3万2467人、過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、3日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は3万2,467人だったと発表した。2月25日の3万2,070人を上回り過去最多となった。累計感染者数は352万8,557人となった。
新たに2,048人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が1,303人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は745人だった。
新たに2万7,629人が回復し、累計治癒者は319万7,298人となった。死者数は86人で、累計は3万3,028人。アクティブ感染者は、前日から4,752人増えて29万8,231人となった。うち95.9%が自宅、1.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.8%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は69.5%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,575万5,241人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,488万4,826人で、接種率は45.6%となった。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.01に上昇。サバ州、ジョホール州以外の州・地域で1.00を上回った。
また新たに11カ所のクラスターを確認。これまでに確認されたクラスターは6,809カ所となり、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は466カ所に増えた。