露のウクライナ侵攻、在馬日系企業72%が事業への影響見込む

【クアラルンプール】 パソナグループ(本社・東京都千代田区)は24日、マレーシアなど10カ国・地域に海外拠点がある日系企業を対象に実施した「ロシアによるウクライナ侵攻の日系企業への影響に関する緊急アンケート」の調査結果を発表。マレーシアでは24.0%が「影響がある」、48.0%が「やや影響がある」と回答し、72%が何らかの影響があると考えていることがわかった。
「影響はない」との回答は8.0%で、調査対象10カ国・地域中2番目に回答率が低かった。また「分からない」との回答は20.0%となった。
同調査は、パソナが、マレーシアの他、アメリカ、フランス、香港、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシア、インドでオンライン形式で3月11ー16日にかけて日系企業の海外現地法人を対象に実施したもので、699社のから有効回答を得た。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受ける時期としては、43.2%が「既に影響が出ている」と回答。「1カ月以内に影響が出ると予想される」が22.7%、「3カ月以内に影響出ると予想される」が26.8%、「3カ月以降に影響が出ると予想される」が6.5%となった。影響の原因としては「原材料の高騰」が最も回答数が多く、それに「物流コストの高騰」、「エネルギー価格の高騰」が続いた。影響に対して65.4%は「対策を講じていない」と回答。34.6%は「対策を講じている」と答え、具体的には「情報収集」、「在庫の確保」、「仕入先選定」、「物流網の確保」を実施していると回答した。

伊藤忠商事、EC価格比較のiプライスと資本業務提携

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 伊藤忠商事(本社・東京都港区)は23日、東南アジア最大級の価格比較サイト「iプライス」を運営する、マレーシア企業のiプライス・グループと資本業務提携を行ったと発表した。
伊藤忠商事は、今回のiプライスとの資本業務提携を通じて、インドネシアで携帯電話購入者向け後払い決済サービスを提供する100%子会社、ITCオート・マルチ・ファイナンス(IAMF)とiプライスの間で決済機能に関するパートナーシップ契約も締結した。IAMFの独自の与信機能を活用し、「iプライス」内で人気商品である携帯電話端末に特化した後払い決済機能を実装することで、ユーザーの購入体験を向上させる。
伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針として「マーケットイン」による事業変革を掲げており、今回の提携はこれに合致するものであるとし、今後も、モバイル周辺領域において、東南アジア各国の顧客ニーズに応じた新規事業の創出に取り組んでいく方針だ。
ベンチャーキャピタル大手の日本企業グローバル・ブレインも24日、iプライスに対する出資を発表していた。

イオン (M)、今年の設備投資は2億ー3億リンギ

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は、今年の設備投資(capex)に2億ー3億リンギを割り当てている。
シャフィー・シャムスディン社長兼最高経営責任者(CEO)は英字紙「ザ・スター」ビジネス版の取材に対して、capexは技術導入やショッピングモールや店舗の改修に割り当てると説明。10月までに新たにモールをオープンする計画があると明らかにした。
今年の見通しについてシャムスディンCEOは、政府が行動制限令(MCO)などの規制を導入しないと明言していることから、楽観視していると言明。しかし感染の状況は注意深く監視していくとした。昨年は、2020年よりは厳しい状態ではなかったが、MCOが実施されたため、持続可能性を確保するために全ての利害関係者と密に連携して様々な取り組みを行ったと説明。中小企業や従業員などと共に成長することを目指して、サプライヤーとの協力を強化したと明らかにした。またMCOを従業員の再スキル(リスキリング)期間として、乗り越えたという。
またシャムスディンCEOは、社内の最低賃金を今年1月1日付けで1,200リンギから1,500リンギに引き上げたことにも触れ、従業員の25ー30%に昇給が行われたと明らかにした。一方で二酸化炭素排出量削減の取り組みも実施していると言明。太陽光パネルの設置を進めており、これまで1,000万リンギを投じたとした。全国のモールに設置する予定だという。
(ザ・スター、3月26日)

「海彦シーフード」開業、急速冷凍技術で日本産海産物を提供

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日系ヨコヅナ・プランニングは26日、日本産海産物の専門小売店「海彦シーフードをクアラルンプール(KL)スリペタリンに正式オープンした。
同小売店では北海道と豊洲から輸入した新鮮な海産物を、マレーシアで急速冷凍機械「ブラストチラー」で冷凍して販売している。営業時間は午前10時ー午後8時で、火曜日が定休日。同社はセランゴール州ケラナジャヤに作業場・倉庫兼卸売店舗を保有しており、その作業場に設置した「ブラストチラー」で急速冷凍を行っている。
「ブラストチラー」はマイナス40度の冷気を一気に放出することにより、細胞が変化するマイナス1度からマイナス5度の間を一瞬で通過して細胞を破壊せず冷凍する製法。通常の冷凍と異なり、解凍時にドリップが出ず、冷凍する前と同様の新鮮さを保つことができる。
同社はマレーシアBIZナビの取材に対し、現状を打破したい日本の漁師たちに海外への輸出機会を増やす一方毎日新鮮でリーズナブルな魚が届くような豊洲のような市場を将来的にはマレーシアに作りたいとコメント。また、日本食の料理人たちに海外で活躍できる機会を与えるべく、直営日本食レストランをオープンし、同社の食材を使った本物の味を提供したいとの意欲を示した。

 

新型コロナの感染者数は1万6863人、6日ぶりに2万人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、27日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万6,863人だったと発表した。累計感染者数は413万8,867人となった。
新たに850人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が488人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は362人だった。
新たに2万6,171人が回復し、累計治癒者は387万937人となった。死者数は37人で、累計は3万4,751人。アクティブ感染者は、前日から9,345人減って23万3,179人となった。うち97.2%が自宅、0.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.2%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は60.6%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,579万7,784人で、接種率は79.0%だった。ブースター接種完了者は1,563万2,112人で、接種率は47.9%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.93に上昇。セランゴール州のみで1.00を上回った。
また新たに1カ所のクラスターを確認。セランゴール州の感染すると重症化リスクの高い集団で発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は220カ所に減った。