デジタル資産市場、昨年210億リンギに成長=SC

【クアラルンプール】 マレーシアのデジタル資産市場は、パンデミックの状況下においても成長を続けており、昨年のデジタル資産取引所(DAX)における投資額は210億リンギに達した。
マレーシア証券委員会(SC)の2021年年次報告書によると、デジタル資産の総口座数は、2020年の19万件から2021年には76万件と4倍に増加。2021年末時点でのDAX暗号通貨の投資家の大半(62%)は35歳以下だった。昨年、非代替性トークン(NFT)がアーティストやコレクターの間で世界的に流行し、マレーシア国内でも音楽や絵画などの収集可能なアイテムがNFTとして販売されたという。
一方、今年の国内資本市場については、パンデミックによる不確実性や現在進行中の地政学的状況から引き続き厳しい状況が続くと予想。ただし、海外からの資金流入は続いているとし、2021年後半から株式市場に外国人の関心が戻っていることから、今年も同傾向が持続すると予測した。
企業は昨年、新規株式公開(IPO)や社債発行を通じて1,300億リンギ以上の資金を調達しており、代替金融では、株式投資型クラウドファンディングやP2P融資(金融機関を介さない直接融資)により、零細・中小企業が前年の6.4億リンギに対し149%増の14億リンギを調達した。ベンチャーキャピタル(VC)およびプライベートエクイティ(PE)投資は、前年の3億3,390万リンギから11億リンギまで増加。ファンドマネージャーによる資産運用額は、前年の9,055億リンギから9,511億リンギに増加し、そのうち最大を占めるユニット・トラスト・ファンドの純資産額は、前年の5,195億リンギから5,269億リンギまで増加している。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月29日)

中銀、今年のGDP成長率を5.3ー6.3%と予想

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは30日、2021年版経済・金融レビュー(EMR2021)を発表。昨年3.1%成長だった国内総生産(GDP)について、今年については2月時点で5.5ー6.5%としていた先の予想をやや引き下げて5.3ー6.3%としている。
 中銀は、今年のマレーシア経済が主に▽外需の継続的な拡大▽新型コロナウイルス「Covid-19」封じ込め措置の全面解除▽国境の再開▽労働市場のさらなる改善ーーによって下支えされると分析。リスク要因として▽新型コロナの今後の状況▽国際的地域紛争の影響▽インフレ・コスト上昇ーーを挙げている。
セクター別では、経済成長を牽引してきたサービス業については、国境再開と移動制限解除にともなう消費および観光関連サブセクターの回復に牽引されるとの見方から6.9%との高い予想。製造業は世界的な電気・電子(E&E)製品の高い需要、石油化学や油脂化学などの一次産品関連製造や建材などの建設関連の回復に支えられて5.2%と堅調な成長を予想している。
昨年0.7%成長だった鉱業については、東マレーシア沖のブロックSK320油田の操業などによる増産で2.5%の成長を予想。マイナス0.2%だった農業については、主にパーム油生産増加に支えられて1.5%のプラス成長を回復すると予想している。同じくマイナス5.2%だった建設については、進行中の大規模インフラプロジェクトと2022年度予算の下での小規模プロジェクトの実施に支えられて6.1%プラス成長への復帰を予想している。
需要サイドでは、昨年1.9%成長だった民間消費については9.0%、同じく2.6%成長だった民間投資については5.3%成長を予想。輸出については10.9%、輸出は8.1%のそれぞれプラス成長を予想している。
また、昨年2.5%までアップした総合インフレ率(消費者物価指数=CPI)については2.2ー3.2%、0.7%上昇したコアCPIについては2.0ー3.0%とそれぞれ予想。昨年4.6%まで上昇していた失業率については、4%まで低下すると予想している。

コンビニ「マイニュース」店舗減で「CU」に注力

【クアラルンプール】 コンビニを運営するマイニュース・ホールディングスは、主力の「マイニュース」ブランドから韓国のコンビニブランド「CU」の出店に軸足を移しているが、移行に時間がかかっていることから厳しい状況が続いている。
マイニュースは今年度中に「CU」店舗を150ー160店舗オープンする計画だったが、今年度第1四半期(2021年11月ー2022年1月期)中に40店舗増えたものの61店舗にとどまっている。一方で「マイニュース」店舗の閉店は新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックが始まってから90店舗に上っており、今年度第1四半期は24店舗が閉店し、20店舗がさらに閉店する見込みだ。
2021年10月末締め通年決算では、売り上げは19.4%マイナスの3億9,437万リンギにとどまり、赤字は前年度の1,590万リンギから4,997万リンギに大幅拡大した。第1四半期の売り上げは前年同期比41.3%増の1億3,944万リンギに改善したが、コスト増の影響で884万リンギの赤字となった。
前年度末時点での店舗数は新規オープンが45店舗にとどまった一方で53店舗が閉店となったため、前年度末時点から8店舗減って534店舗となった。
CGS-CIMBリサーチは、「CU」ブランドのプロモーションや最低賃金引き上げ、減価償却費拡大により、マーケティングコストが高止まりしていることから、「CU」拡大計画が軌道に乗るのに2年かかると予想している。
(ザ・スター、3月30日)

イオン、オンライン店舗「myAEON2go」をスタート

【クアラルンプール】  イオン・カンパニー(M)は、デジタル化推進の一環として、eコマース(電子商取引)プラットフォーム「myAEON2go」のサービスを開始した。
「myAEON2go」では、自宅にいながらイオンのスーパーマーケットで買い物ができるよう様々なオプションを提供している。配達日時の枠を設定しており、最速で注文当日の配達が可能。イオンは、「myAEON2go」により、高まるオンライン購入傾向に対応し、より充実した顧客サービスを提供するとともに、新たな雇用機会を創出し、経済成長に貢献していく方針だ。
サービス開始に合わせ、セールスプロモーションを実施する。イオンの実店舗で「myAEON2go」アプリをダウンロードして15リンギ以上購入し、「myAEON2go」カウンターでレシートを提示すると、先着3,000人限定で新鮮な野菜ボックス「Fresh2go」がもらえる。オンラインの「myAEON2go」上でも、送料無料、最大13リンギの割引、主要ブランドの特別価格での提供、デーツの無料プレゼントなどの各種キャンペーンを実施する。キャンペーン情報の詳細は、ウェブサイトの他、フェイスブック、インスタグラムから入手できる。
(マレーシアン・リザーブ、3月29日)

新型コロナの感染者数は1万5215人、病床使用率は63.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、29日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万5,215人だったと発表した。累計感染者数は416万7,418人となった。
新たに906人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が558人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は348人だった。
新たに2万4,154人が回復し、累計治癒者は392万643人となった。死者数は64人で、累計は3万4,906人。アクティブ感染者は、前日から9,003人減って21万1,869人となった。うち97.2%が自宅、0.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.3%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は63.4%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,580万1,561人で、接種率は79.0%だった。ブースター接種完了者は1,571万1,005人で、接種率は48.1%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.89に下降。セランゴール州のみで1.00を上回った。
また新たに2カ所のクラスターを確認。プトラジャヤの教育機関とセランゴール州の感染すると重症化するリスクが高い集団で発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は214カ所に減った。