クラン港とタンジョンプルパス港でコンテナ取扱量拡大へ

【クアラルンプール】 ウィー・カション運輸相は1日、セランゴール州クラン港とジョホール州タンジョン・プルパス港(PTP)でコンテナ取扱量を引き上げるために拡張工事を行っているとし、貿易拡大を下支えするとの期待を示した。
「第19回東南アジア諸国連合(ASEAN)港湾・海運展示会・会議2022」の基調演説でウィー大臣は、拡張工事によりクラン港のコンテナ取扱量は、2040年までに60%増加し、3,200万TEU(20フィートコンテナ換算)となり、PTPの取扱量は、2025年までに350万TEU増加する予定だと明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の影響で2020年のクラン港におけるコンテナ取扱量は2.5%減少したものの、2021年には3.6%増の1,370万TEUとなり、過去最高となったと言明。PTPのコンテナ取扱量も昨年は14%増の1,120万TEUと好調だったとした。世界中で買い物や消費パターンが変化したことで、電子商取引が成長したと言明。流通や倉庫移設の需要が高まっているとした上で、デジタル自由貿易地域などのイニシアチブは、貿易の成長を加速させると述べた。
ウィー大臣によると、世界のコンテナの取扱量ランキングで、クラン港は12位、PTPは15位となっている。
(ザ・スター、3月2日、ベルナマ通信、エッジ、3月1日)

パーム油価格、初めて8千リンギを突破

【クアラルンプール】 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、両国が主要生産地となっているひまわり油の供給がストップしたことから、マレーシアのパーム油原油(CPO)価格が1日、初めて1トン当たり8,000リンギを突破した。
3月のCPO先物価格は712リンギ上がって8,163リンギに、4月は663リンギ上がって7,435リンギに、5月も463リンギ上がって6,762リンギとなった。ウクライナの生産ストップと港湾閉鎖による供給ギャップを埋めるため、バイヤーが一時的にパーム油や大豆油の買い占めに走ったことが要因とみられている。
ひまわり油はパーム油、大豆油に次いで、世界で3番目に多く取引されている植物油。ウクライナとロシアはひまわり油生産量でそれぞれ第1、2位となっており、世界全体の60%を占めている。輸出市場に関しては、両国がそれぞれ47%、29.9%を占めている。
CGS-CIMBリサーチは2月28日付けメモで、バイヤーによるCPO買い占めは、状況が改善するまで続く可能性が高いと分析。短期的にはCPO価格は高止まりする可能性が高く、1トン4,100リンギとしていた2022年の平均価格予想を上回っていると指摘した。
(エッジ、3月1日)

セランゴール州の駐車場、4月1日から電子決済へ完全移行

【ペタリンジャヤ】 セランゴール州は、4月1日からサバ・ベルナムとフル・セランゴールを除くすべての地区で、駐車料金の支払いを完全にオンライン化すると発表した。
オンライン決済の導入は今年1月より段階的に進められている。紙の駐車券やコイン式機械による手動支払いは3月31日に終了し、4月1日からスマートフォンアプリ「スマート・セランゴール・パーキング(SSP)」での支払いに一元化される。SSPには自動車登録番号の入力が必要となり、支払いはオンライン・バンキング、クレジットカード、イーウォレットのいずれかを選択する。アプリ上の決済手段を利用できない場合は、「SSP」「イークーポン販売店」の看板がある指定店舗100店舗での支払いも可能。現時点ではSSPに約200万人が登録しているという。
未使用のクーポンがある場合には、3月16日から4月30日までの期間内にSSPアプリ上で利用可能なクレジットに変換することができる。
セランゴール州はまた、今年から「2時間ゾーン」という特別な駐車ゾーンを繁華街で制定すると発表した。駐車時間を最長2時間に制限することで駐車スペース不足の緩和を図る。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ポールタン、3月1日)

日本など30カ国の在マ外交官、ウクライナへの連帯表明

【クアラルンプール】 ロシアのウクライナ軍事侵攻に関して、日本を含む30カ国以上の在マレーシア外交官が1日、クアラルンプール(KL)市内に集まりウクライナに対する連帯を表明した。
イベントは在マレーシア・ウクライナ大使館が主催したもので、日本のほか欧州連合(EU)、英国、カナダ、韓国、シンガポール、アルゼンチン、コロンビア、ガーナなどの在マレーシア外交使節の代表が出席した。
スピーチに立ったウクライナ大使館のオレクサンデル・ネチテイロ大使は、ウクライナの主権と領土の保全に対して支持を表明した各国に対して感謝の意を示した上で、必要な防衛装備、医薬品、燃料、財源、避難所を提供してくれた人々に特に感謝すると述べた。
ネチテイロ大使はまた記者団に対し、曖昧な態度をとっているマレーシア政府に対してより明確な立場を表明するよう求めたことを公表。「ウクライナで起きていることは国連や東南アジア諸国連合(ASEAN)憲章に違反しており、マレーシアの基本的な外交政策の原則に反している」と指摘した。
■ロシア船の寄港を拒否=運輸省■
マレーシアに寄港する予定だったロシア籍の石油タンカーについて、マレーシア運輸省は1日、米国政府の制裁対象リストに掲載されていることを理由に国内港への寄港を認めないと言明した。
今月5日にクアラ・リンギ港への寄港を予定していたのはロシア船籍のオイルタンカー「リンダ号」で、イランで石油を積載し、現在はインド洋にいるという。
制裁対象となっているタンカーはプロムスヴァジバンクの子会社であるPSBリーシングが所有しているとされるが、同銀は事実関係を否定している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月1日)

新型コロナの感染者数は2万5854人、病床使用率は67.1%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、1日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万5,854人だったと発表した。累計感染者数は346万8,590人となった。
新たに1,754人が入院した。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が1,179人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は575人だった。
新たに2万5,548人が回復し、累計治癒者は314万2,112人となった。死者数は78人で、累計は3万2,827人。アクティブ感染者は、前日から228人増え29万3,651人だった。うち96.1%が自宅、1.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.6%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は67.1%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,575万2,136人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,473万6,569人で、接種率は45.1%となった。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.02に下降。ジョホール州以外州・地域で1.00を上回り、最も高いのは、サラワク州で1.37だった。
また新たに7カ所のクラスターを確認。これまでに確認されたクラスターは6,789カ所に増え、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は475カ所に減った。

中電工、太陽光発電サマイデンの株式を取得

【クアラルンプール】 太陽光発電などの再生可能エネルギー(RE)企業サマイデン・グループは2月28日、設備工事の中電工(本社・広島県広島市)がサマイデンの私募に参加し、7.27%の株式を保有する株主となったと明らかにした。
ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、サマイデンは発行済み株式総数の10%を上限とする第三者割当増資について2021年11月15日に承認を受け、初回は397万リンギを調達。その後の第2回、第3回で中電工による1,680万株引き受け(1株あたり1.27リンギ)により、2,134万リンギを調達した。サマイデンは、計3回の第三者割当増資で調達した総額2,531万リンギを再生可能エネルギーの(RE)資産への投資資金に充てる。
サマイデンのチョウ・プイヒー社長は、短期間で第三者割当増資を完了できたことを嬉しく思うとし、自社のビジネスモデルや「REや環境分野にトータルソリューションを提供する」という戦略に対する株主からの信頼を示すものとなったと説明。今回の資金調達により、太陽光発電、バイオマス、バイオガス、ミニ水力発電などの環境関連資産や発電所への投資を拡大し、RE産業での足場を強化すると述べた。
中電工は、東証1部上場の中国電力系設備工事会社。時価総額は1,270億3000万円。2010年にマレーシア法人を立ち上げた他、シンガポールにも現地法人を持つ。近年、RE分野での海外投資にも取り組んでいる。
(エッジ、2月28日)

ホンダマレーシア、フェイスリフト版「オデッセイ」発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ホンダ・マレーシアは2月28日、7人乗り高級ミニバン(MPV)「オデッセイ」のフェイスリフト版を発表した。日本製の完成輸入車(CBU)となる。
オデッセイは1994年に発売を開始、マレーシア市場には2003年に投入以来、累計販売台数は約2,000となっている。
フェイスリフト版は、ファミリー層やエグゼクティブ層をターゲットとしており、洗練された外装や8インチのタッチスクリーンを中心とした新デザインのダッシュボードが特徴。キャビンスペースにはレザー・シートを採用し、様々なシートアレンジも可能。リアバンパーの下へ足先を出し入れすることでテールゲートの開閉が可能なハンズフリー・パワーテールゲートなど、利便性向上のための機能や、安全運転支援システム「ホンダ・センシング」も搭載している。ボディーカラーは、プラチナホワイト・パール、プレミアムトゥインクルブラック・パール、スーパープラチナメタリックの3色。
価格は、6月末までの売上・サービス税減免措置を適用した場合、27万5,311リンギ(保険なし)から。走行距離無制限で5年間の保証が付く。

メニコン、ケダ州クリム新工場建設に6.5億リンギ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 コンタクトレンズ大手のメニコン(本社・愛知県名古屋市)は1日、子会社のメニコン・マレーシアが主に1日使い捨てのコンタクトレンズを製造する新工場建設に向けて6億5,000万リンギを投資すると発表した。
建設地はケダ州クリム工業団地内で、敷地面積20万平方メートル内に延べ床面積4万5,000平方メートルの工場を設置する。業界で求められる高い品質管理要求に応えるため、スマート工場として設計。持続可能な開発目標(SDGs)を見据え、再生可能エネルギーを活用するための太陽光パネルや、室温上昇を防ぐための庇など、環境にも配慮した設計とする。
2025年の生産開始予定で、約100人の従業員を雇用する。完成すればマレーシア工場はメニコン・グループ内で最大規模となり、既存のシンガポール工場と合わせて、国際市場での事業成長を牽引すると期待される。
メニコン本社の田中英成社長は、世界的な近視人口の増加により、コンタクトレンズ市場、特に1日使い捨てコンタクトレンズの需要が高まっているとした上で、「国際競争力、自然災害のリスク、言語など、さまざまな観点から各国を評価し、最終的にマレーシアを長期的な安定操業を実現するための最適な立地先として選んだ」と述べた。

接種済み向けトラベルレーンなど対象、6日間の感染検査を免除

【クアラルンプール】 カイリー・ジャマルディン保健相は、3月3日到着分から「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」、ランカウイ国際観光バブル(LITB)、ビジネス訪問者のためのワンストップセンター(OSC)を通じてマレーシアを訪問する旅行者について、これまで義務付けられていた6日間連続の新型コロナウイルス「Covid-19」感染検査を免除すると発表した。
これまでは到着後2、4、6日目にはセルフテスト、3、5日目には保健機関におけるRTK-Agテストが求められていた。ただし出発2日前と到着時のPCR検査はこれまで通り必要となる
VTL、LITB、OSCプログラムを通さない渡航者については、既存のSOP及びプロトコルが引き続き適用される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、2月28日)

新型コロナの感染者数2万3100人、病床使用率は68.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、2月28日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万3,100人だったと発表した。累計感染者数は344万2,736人となった。
新規感染者のうち、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は592人だった。新たに1,555人が入院したが、3万624人が回復し、累計治癒者は311万6,564人となった。死者数は75人で、累計は3万2,749人。アクティブ感染者は、前日から7,599人減り29万3,423人だった。うち96.0%が自宅、1.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は68.4%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,575万548人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,466万956人で、接種率は44.9%となった。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.03に下降。依然として全ての州・地域で1.00を上回り、最も高いのは、ペラ州で1.31だった。
また新たに3カ所のクラスターを確認。クアラルンプールの教育機関、セランゴール州の職場、ネグリ・センビラン州の拘留所で発生した。これまでに確認されたクラスターは6,782カ所に増え、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は480カ所に減った。