農業食品産業省、マレーシア産食品の輸出を強化

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 農業食品産業省(MAFI)は、日本市場へのマレーシア農林水産物・食品の輸出を強化する方針だ。
ロナルド・キアンディ大臣によると、MAFIは日本ではこれまで、輸出代行会社を通して、マレーシアの商品やブランドの輸出機会を探るため、企業や起業家との提携や協業を実現させるため2020年より取り組んできた。同イニシアチブの下で、2020年は12SKU(在庫管理のユニット)のマレーシア中小企業の商品が日本に輸出・販売されたが、2022年4月時点で計70SKU(在庫管理のユニット)に拡大した。
4月22日には、複数の起業家やマレーシア科学大学(USM)、ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)アジェンダ・ステアリング・ユニットなどが共同開発した針なし蜜蜂のハチミツを入れたコーヒーなどを出荷するイベントが開催された。
一方で、MAFIが日本におけるマレーシア産商品の輸出代行会社に任命したSDインプレックス・ジャパン(本社・愛知県名古屋市)は13日に、SSハラル(本社・大阪府大阪市)との間で、日本市場向けマレーシア食品の拡販に向けて注力することで合意、覚書を交わした。マレーシアの様々な食品メーカーから商品を厳選した日本市場向けブランド「マイキッチン」および「マイキッチン・フレッシュ」を展開する。またSDインプレックスは、総合ディスカウントストア「ドンキホーテ」の卸業者であるテックイノベーション(本社・東京都杉並区)との間でも、マレーシア食品の日本市場参入強化に向けて契約を交わしたという

対シンガポールドル安が進行、5年ぶりに3.1665リンギに

【クアラルンプール】 シンガポール・ドル(SGD)高とリンギ安傾向を背景に、対DSGのリンギ為替レートが25日、1SGD=3.1665リンギと過去最安水準を記録した。リンギ安は一時は3.1688リンギ水準に達した。ブルームバーグのデータによると、これまでの最安値は2017年3月31日の3.1650リンギだった。
SGD高・リンギ安の傾向は2022年4月10日ごろから始まったもので、2021年12月31日の3.0857リンギから2.72%もリンギ安が進んだ。バンク・イスラム・マレーシアのチーフエコノミスト、アフザニザム氏は、シンガポール金融管理局(MAS)が4月14日の金融政策会議で、高まるインフレ圧力から一段の金融引き締め方針を発表したことを要因に挙げている。
リンギ安は対米ドルでも進んでおり、1米ドル=4.357リンギと2020年5月以来の水準となっている。これについてアフザニザム氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和をどのように解消していくかがリンギ安にとって最大のリスク要因だとしている。同氏はマレーシアではインフレ率が2、3月と2カ月連続で2.2%と低い水準で安定しているとし、中央銀行バンク・ネガラが翌日物政策金利(OPR)を現状の1.75%で維持する余地があるとしている。
OANDAのシニアアナリスト兼エコノミスト、ジェフリー・ハレー氏は、リンギは最大の貿易相手国である中国の成長の弱さを反映していると指摘。中国が景気刺激策を強化するか、人民元安が止まらない限り、リンギ安は続くだろうと分析している。
(エッジ、ザ・スター、4月25日)

伊藤忠商事、発電のマラコフと脱炭素事業化調査を共同実施へ

【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 伊藤忠商事(本社・東京都港区)は25日、マレーシアにおいて、発電のマラコフ・コーポレーションとジョホール州における水素・アンモニアを活用した脱炭素取組の事業化調査を共同実施する覚書を締結したと発表した。
覚書は、日本の経済産業省が主催する「第1回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(AGGPM)官民フォーラム」で交わしたもの。覚書の下で、アンモニア受入基地の整備、マラコフ社が保有する石炭火力発電事業のアンモニア混焼・水素焚き新設ガスタービン火力発電所開発等による脱炭素化を、事業化調査と今後の協議を経て目指す。2050年までにカーボンニュートラル実現を目指すマレーシアの施策に沿った取り組みで、日本政府の掲げるアジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)と連携し、進めて行くという。
また、同事業化調査対象地は海洋交通の要衝であるジョホール海峡沿いに位置しており、アンモニア受入基地整備は同発電事業の脱炭素化のみならず舶用燃料用途での供給、近隣工業団地への供給等、同地区の脱炭素化への貢献も期待されている。
伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針の1つとして「SDGs」への貢献・取組強化を掲げ、その一環として水素・アンモニアによる次世代燃料バリューチェーンの構築を推進している。本件を通じ、エネルギー転換を目指すマレーシアの需要に応えると共に、かねてから進めているアンモニア燃料船開発と、世界的な舶用アンモニアのサプライチェーン構築の両面から構成される「統合型プロジェクト」とも協調し、脱炭素社会の実現に向け貢献していく方針だ。

ジェトロKL、改正雇用法のセミナーを5月31日に開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、近く改正法が施行される見通しの「1955年雇用法」に関する概要や留意点について解説するウェブセミナーを5月31日に開催する。
「1955年雇用法」改正は2012年以来の大規模改正で、2022年3月30日に上院議会で可決成立した。法定労働時間の短縮、入院休暇の新設、産休の延長、男性の育休取得、雇用法違反行為に対する罰則強化など、複数の項目で変更が加えられた。
「1955年雇用法改正の概要と留意点」と題するウェブセミナーは、在マレーシア及びアセアンの日系企業を対象としたもので、ジェトロプラットフォーム・コーディネーターのジョセフィーン・ン弁護士が日本語で講師を務める。セミナー形式はZOOMで、参加料は無料。申込先は https://www.jetro.go.jp/form5/pub/mak/pf220531 で、5月26日が締め切りとなっている。

新型コロナの感染者数は2478人、約3ヶ月ぶりに3千人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、25日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,478人だったと発表した。3カ月ぶりに3,000人を下回った。累計感染者数は443万3,551人だった。
新たに143人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が67人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は76人だった。
新たに9,215人が回復し、累計治癒者は433万37人となった。死者数は8人で、累計は3万5,507人。アクティブ感染者は、前日から6,745人減って6万8,007人となった。病床使用率は58.0%にアップ。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.73に下降したが、プトラジャヤのみで1.07となり1.00を上回った。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,658万9,345人で、接種率は81.4%に上昇。ブースター接種完了者は1,601万4,864人で、接種率は49.0%だった。
新たに発生したクラスターは3カ所で、2カ所がセランゴール州、残りがペナン州で確認された。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は96カ所に減った。