【クアラルンプール】 世界第4位の液化天然ガス(LNG)生産者である国営石油会社ペトロナスに昨年来、日本、韓国、欧州からの注文が増加している。コロナウイルスに関する世界的な規制緩和による経済活動の再開に加え、ロシアのウクライナ侵攻を機にエネルギー安全保障の姿勢が強まっているためだ。
アディフ・ズルキフリ副社長はロイター通信の取材に対し「LNG需要が増加しており、生産を最大限にしている」と語った。
アディフ氏によると、ロシアの侵攻以降、世界ではエネルギー転換から、妥当な価格でのエネルギー確保に関心が移ったという。
ペトロナスの現在のLNG生産量は原油に換算して1日220万バレルで、30年までには同270万バレルに引き上げる計画だ。
ペトロナスは二酸化炭素を回収し、地下へ貯留する回収・貯留(CCS)にも取り組んでおり、25年をめどにサラワク州沖のカサワリ・ガス田で世界最大規模のCCS事業を開始する。提携相手は、シェル、エクソンモービル、韓国ポスコ、商船三井。
(エッジ、4月27日)