第3四半期のホテル客室稼働率、60%に上昇の見込み=MAH

【クアラルンプール】 4月1日の国境再開により、今年第3四半期には全国のホテルの客室稼働率は、60%まで上昇する見通しだ。
マレーシア・ホテル協会 (MAH) のヤップ・リップセン最高責任者は、今年1月以降の客室稼働率は30ー40%で、国内からの観光客が大部分を占めていたと言明。国境再開による外国人観光客増加に期待していると表明。ラマダン(断食月)に入ったことや、断食明け大祭を前に、国内からの予約が徐々に増えてきているが、外国人観光客が戻るのには数カ月かかると予想。しかし、海外からのビジネス目的でのホテル利用者は今後2週間で増える見通しで、特に日本人の来訪を見込んでいるとした。
ヤップ氏は、打撃を受けた観光業界は回復途上にあり、明るい見通しを持っているが、マレーシア人の海外旅行が増えることも考えられることから、客室稼働率の上昇には時間がかかると分析。観光産業としては、標準的運用手順(SOP)を順守し、外国人観光客の入国促進強化のため積極的なキャンペーンを実施する必要があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月3日)

円安の自動車部門への影響は軽微=UMW

【クアラルンプール】 UMWホールディングス(UMW)は、現在進行中の円安の自動車部門に対する影響は軽微だとみている。
UMWの広報担当者は経済紙「エッジ」の取材に対し、傘下のUMWトヨタ・モーターは円での取引が少ないため、円安がもたらすメリットは大きくないとする一方、UMWの機器部門では、重機、産業機器の輸入の大半が円建てで取引されているため、円安の恩恵を受ける可能性があるとした。原材料や運賃などのコスト上昇分を相殺できる可能性があるという
UMWは自動車、産業機器、製造・エンジニアリング、航空宇宙などの事業に携わっているが、自動車事業が売上高の大半を占めており、子会社のUMWトヨタは、マレーシアにおけるトヨタ車の生産・販売の総代理店となっている。UMWの2月の自動車販売台数は前年同月の2万1,657台から10%増の2万3,853台。そのうちUMWトヨタは「ヴィオス」「ハイラックス」の好調を受け、前年同月の5,074台から26.8%増の6,432台だった。
日本銀行が長期金利の上昇を抑えるため、特定の利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」に踏み切ったことで円安が加速しており、外為市場で円は7年来の低値に下落した。
(エッジ、4月1日)

三菱モータース(M)、トライトンとエクスパンダーを値上げ

【クアラルンプール】 三菱モータース・マレーシア(MMM)は1日付で、ピックアップ車「トライトン」とクロスオーバーMPV(多目的車)「エクスパンダー」の価格を改定した。
同社は値上げの理由について、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染が拡大して以来、配送料と原材料費の価格が上昇していると説明した。
完全輸入車である「トライトン」の保険なしの新価格は、「アスリート」が14万2,800リンギから14万6,600リンギとなり、3,800リンギの引き上げとなった。「ATプレミアム」は3,600リンギアップの12万6,900リンギ、「MTプレミアム」は2,900リンギアップの11万6,200リンギ、「AT」は2,000リンギアップの10万7,990リンギ、「MT」は3,000リンギアップの10万3,200リンギ、「クエスト」は1,500リンギアップの8万1,390リンギに変更となった。
また、現地組立(CKD)の「エクスパンダー」は、9万1,369リンギから1,949リンギ引き上げられて9万3,318リンギとなった。
自動車関連ポータルサイト「ポールタン」によると、価格を改定しているのはMMMだけではなく、トヨタの「ハイラックス」シリーズも値上げが行われた。
(ポールタン、4月1日)

カワサキ製バイク販売、モデナスが正式に営業引継ぎ

【クアラルンプール】 二輪車製造のモトシカル・ダン・エンジン・ナシオナル(モデナス)の販売子会社、エダラン・モデナス(EMOS)は、昨年11月に引き継いでいた「カワサキ」ブランド二輪車の営業を4月1日付けで正式に開始した。

「カワサキ」ブランドの二輪車はこれまでKMSBモーターズ(旧カワサキ・モーターズ・マレーシア)が販売代理店となっていたが、川崎重工業が2019年4月にモデナスへの出資比率を30%に引き上げたことにともない、独占販売権が昨年10月1日付けでEMOSに移行。6カ月にわたる移行準備を進めていた。川崎重工業とモデナスは1996年から30年以上の提携関係にある。

 モデナスは「カワサキ」ブランド販売開始に向け、全国に13店舗のディーラーネットワークを構築しており、今後段階的に新たな「カワサキ」専用ショールームを立ち上げる計画だ。一部のモデルについてはマレーシアでの国内組立を開始する予定で、大排気量の大型バイクについては日本から輸入する。また「カワサキ」ブランドのスペアパーツやアクセサリーの販売開始も予定している
(バイブス、4月3日、ポールタン、4月1日)

新型コロナの感染者数は1万2380人、病床使用率は57.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、3日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万2,380人だったと発表した。累計感染者数は424万6,467人となった。
新たに562人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が342人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は220人だった。
新たに2万635人が回復し、累計治癒者は401万8,421人となった。死者数は30人で、累計は3万5,099人。アクティブ感染者は、前日から8,285人減って19万2,947人となった。うち97.7%が自宅、0.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、1.9%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は57.4%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,582万3,473人で、接種率は79.1%だった。ブースター接種完了者は1,585万917人で、接種率は48.5%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.85に下降。セランゴール州のみで1.00を上回った。
また新たに発生したクラスターはゼロで、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は181カ所に減った。

エンデミックにおける新たなSOP、国家安全委が発表

【クアラルンプール】 国家安全委員会(NSC)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症がエンデミック(風土病)段階に入ることを受け、新たな標準的運用手順(SOP)を発表した。
フェイスマスク着用については▽自宅やホテル、他人と接しない空間▽個人のワークスペース▽体育・娯楽・レクリエーション▽自家用車(配車サービス除く)▽食事の際▽パフォーマンス(歌唱、ダンス、演劇など)▽5歳以下の幼児▽特殊な事情(脳性まひ、自閉症など)▽呼吸器疾患を持つ者(医師からの診断書必要)ーーの9つの状況に関して不要となる。
またワクチン未接種もしくは完了していない者についても、▽食料・飲料・必需品の買い出し▽宿泊施設・ホームステイの利用▽検査所や薬局を含む医療サービスの利用▽学校・試験・セミナー・仕事・面接などのキャリアや生計に関連する活動▽質屋を含む銀行・金融サービス利用▽結婚式・結婚登録・離婚手続き▽身体的接触を伴わない屋外スポーツおよびレジャー活動▽高速道路を含む空路・陸路・海路での旅行▽一時的な避難所への移動など緊急事態を伴う行動ーーは認められる
(南洋商報、東方日報、4月1日)

ビジネス訪問者の渡航支援センター、段階的に廃止へ

【クアラルンプール】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は、外国からのビジネス訪問者のマレーシア渡航を支援するため2020年10月2日に設立されたワン・ストップ・センター(OSC)について、1日より段階的に業務を廃止すると発表した。
3月31日にMIDAが発表した声明によると、4月1日より国境が再開されることに伴い、海外からの渡航者の入国手続きが簡略化される。ワクチン接種完了後の渡航者は到着後の隔離が不要となり、OSCで申請する必要がなくなったため、業務を段階的に廃止する。
アルハム・アブドル・ラーマン最高責任者(CEO)は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を防ぐために導入された渡航規制により、投資先としてのマレーシアの競争力と可能性を失わないように、OSCが設立されたと説明。OSCおよびクアラルンプール国際空港ビジネストラベラーセンターでは、これまでに計3,223社の短期ビジネス渡航者の入国を許可し、推定で計1,718.2億リンギの投資を誘致したと明らかにした。
(ザ・サン、4月1日、ベルナマ通信、3月31日)

「MySejahtera」データは政府所有、90日後に完全削除

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」情報・追跡アプリ「MySejahtera」で取得された全データは政府が完全所有している。3月31日の上院議会でカイリー・ジャマルディン保健相が明らかにした。
「MySejahtera」上の個人データの安全性をめぐり、上院に緊急動議が提出されたことによるもの。カイリー保健相は議論の冒頭で、「MySejahtera」を通じて得られた情報は新型コロナの感染拡大を防ぐ用途のみに使用され、「1988年感染症予防管理法」および「1971年医療法」に基づき、データの管理・使用が行なわれると述べた。訪問場所の「チェックイン」情報は、90日後に完全に削除される。クラウド上に保存されているデータに関しても、ワクチン接種推進など感染予防目的にのみ使用でき、クラウドのサーバーは国内のAIMSデータ・センターにあるため、データが他国に渡ることもないという。
カイリー保健相はまた、「MySejahtera」の所有権は15の構成モジュールを含めて全てが保健省に属していると強調した。開発会社は情報セキュリティ規格であるISO27001(ISMS)を取得済で、かつプラットフォーム運営のみに携わっており、Android版、iOS版のダウンロードサイトにもマレーシア政府所有アプリである旨明記されていると言明。「MySejahtera」アプリは国のコロナ感染管理に不可欠だとし、エンデミック(風土病)期移行後も引き続き使用する必要があるというのが保健省の見解だと述べた。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月31日)

日本通運(NXグループ)がKLIAに新倉庫開設、輸出貨物作業スペースを確保

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本通運グループ(NXグループ)のマレーシア法人、NXマレーシア(旧称・マレーシア日本通運)は1日、クアラルンプール新国際空港(KLIA)自由商業ゾーン(FCZ)内に航空貨物用の新倉庫を開設した。
新倉庫の面積は約5,900平方メートルで、マレーシア航空(MAS)貨物輸送業者コンプレックス内にある既存の約3,800平方メートルの倉庫スペースと合わせて、作業、貨物保管スペースは約9,700平方メートルに拡大する。これにより月間2,500トンほどだった取扱量が5,000トンに拡大すると見込んでいる。
既存倉庫を輸入用及びロジスティック専用、新倉庫は輸出専用とし、輸出貨物を▽北米▽欧州▽アジア▽日本――の4エリアごとに仕分けして航空会社に代わって梱包し搬出する。貨物の搬入から仕分け、梱包までの作業動線を一直線化し、ローラーベッドを活用することで処理のスピードアップを図る。また安全に輸送するためTAPA(輸送資産保全協会)の認証を取得する予定だ。

新型コロナの感染者数は1万8560人、病床使用率は63.6%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、3月31日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万8,560人だったと発表した。累計感染者数は420万1,919人となった。
新たに750人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が428人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は322人だった。
新たに1万8,253人が回復し、累計治癒者は396万82人となった。死者数は44人で、累計は3万4,983人。アクティブ感染者は、前日から263人増えて20万6,854人となった。うち97.4%が自宅、0.3%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.2%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は63.6%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,580万5,425人で、接種率は79.0%だった。ブースター接種完了者は1,580万8,761人で、接種率は48.4%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.87に下降。セランゴール州のみで1.00を上回った。
また新たに発生したクラスターはゼロで、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は198カ所に減った。