【ジョージタウン】 日系テクスケム・リソーシズは今年、事業拡張に向け総額4,400万リンギを投資する計画だ。テクスケム・グループの創業者で会長の小西史彦氏が英字紙「ザ・スター」に対して明らかにした。
昨年は高分子材料科学部門、工業部門、食品部門の貢献により、全国的なロックダウンによるレストラン部門の赤字が打ち消された。ロックダウンが終わった今年は、全部門に成長の機会があると見ており、レストラン部門と高分子材料科学部門の成長を目指し、それぞれ約1,800万リンギ、2,000万リンギ、食品部門と工業部門には合わせて600万リンギを投資する。
ハードディスク・ドライブ(HDD)の需要が世界的に伸びていることから、HDDの包装材と部品を製造している高分子材料科学部門の見通しは明るく、同じく高分子材料科学部門に属する医療機器事業とともに、グループの成長に貢献することを見込んでいる。パンデミックの影響でデータ保存用のHDDデータストレージの需要が高まっているという。生産施設は現在80%以上稼働しているが、ペナンとタイに合計約16.5エーカーの空き地があるため、必要に応じて製造施設を追加建設できるとした。
レストラン部門では、ガソリンスタンドや病院、スーパーマーケットに小規模店舗を20店開設し、持ち帰り用料理を提供する。これらの店舗では、回転寿司レストラン「すし金」の既存の厨房設備を活用しながらより幅広い客層をターゲットにできるという。収益の最適化を目指し、リソースとコスト構造の管理や、「すし金」会員制アプリを活用した顧客ロイヤルティの向上、同ブランドでの新規コンセプトの導入などに取り組んでいく。原材料の現地調達化、温室効果ガス排出の削減、持続可能な地域ビジネスの推進に向けた戦略も立てている。
工業部門では、ゴム手袋用化学品の開発強化に向け研究開発活動を推進し、新しい価値を創造する製品分野を追求する。食品部門では、サプライヤーと顧客のネットワークを活用し、幅広い製品提供と提供地域の拡大を通じて冷凍シーフードの「シーパック」ブランドを強化する。
(ザ・スター、5月23日)