サンドイッチの米サブウェイ、向こう10年間で500店舗新設へ

【ペタリンジャヤ】 サンドイッチのファストフード・チェーンを世界展開する米サブウェイは9日、飲食店チェーン運営のペガコーンと新たにマスターフランチャイズ契約を締結したと発表した。向こう10年間でマレー半島全域での500店舗新設を目指す。
ペガコーンは2019年からサブウェイのフランチャイズ・パートナーとなっている。今後は、空港、病院、ガソリンスタンド、コンビニなど、従来とは異なる立地へも出店を行なっていく。ドライブスルーや作り置きによる持ち帰りの迅速化など、消費者の利便性向上も図る。
サブウェイにとって今回の提携は、インドネシアとタイでのマスターフランチャイズ契約に続き、東南アジアにおける3番目の提携となる。アジア太平洋地域での店舗数を今後5年間で現在の約3,300店舗から6,000店舗まで倍増させる計画だ。
サブウェイのジョン・チッドセイ最高経営責任者(CEO)は、アジア太平洋および東南アジアの市場は、サブウェイに大きな成長機会を提供しており、国際成長戦略にとって不可欠だと言明。ペガコーンは、マレーシアでの展開に必要な洞察力と経験を持ち、豊富な人材と戦略により成功を収めていると述べた。
(ザ・サン、5月11日、ベルナマ通信、5月10日)

パーム油輸出税の引き下げを検討=農園一次産業相

【クアラルンプール】 世界的な食用油の供給危機の懸念が高まる中、ズライダ・カマルディン農園一次産業相は、世界第2位の生産国であるマレーシアが食用油不足を補い且つ輸出シェアの拡大を目指してパーム油の輸出税を半分程度引き下げる可能性があると述べた。
ズライダ氏はロイターとのインタビューで、輸出税に関する検討を行うための委員会を設置した通産省に対して引き下げを提案したことを公表。現在8%となっている輸出税について、暫定措置として4%から6%に引き下げる可能性があると述べた。早ければ6月中に実施が決定される可能性があるという。
ロシアのウクライナ侵攻がひまわり油の輸出に影響を与えており、さらにインドネシアが国内需要を優先するためにパーム油輸出禁止を決めたことで世界的な食用油の供給懸念が高まっている。
ズライダ氏は「こうした供給危機に際して、輸出規制を緩和することでより多くのパーム油を輸出できるようになる」と指摘。また国内外の食品産業への供給を優先するために、国内のバイオ・ディーゼルの一部にパーム油を30%混合することを求める「B30」バイオディーゼル令の実施を遅らせることになると述べた。
(ロイター、ザ・スター、エッジ、5月10日)

中銀バンクネガラ、政策金利を2%に引き上げ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは11日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を0.25ポイント引き上げて2.00%とすることを決定した。中銀は2020年7月に0.25ポイント引き下げたのを最後に1.75%で維持しており、利上げは2018年1月以来、4年4カ月ぶり。
中銀は声明の中で、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴う影響を緩和させるため、2020年はOPRを段階的に引き下げ、これまでで最も低い利率を維持してきたと説明した。今回のMPCでは、国内の経済成長が堅調に回復してきており、最悪な状況は脱したと判断し、物価の安定や持続可能な経済成長を支えるためOPRを段階的に引き上げることを決定したと明らかにした。
最新の統計では、内需や輸出の成長により国内経済が堅調に回復していることが示されており、労働市場でも失業率の低下、労働力率の上昇、所得の見通しの改善が見られていると指摘。新型コロナのエンデミック(風土病)段階への移行に伴う規制緩和や国境再開が経済活動を活性化させると予想した。しかし世界経済の回復が予想を下回る可能性や、ロシアのウクライナ軍事侵攻、サプライチェーンの混乱悪化、新型コロナの今後の動向が成長リスクとなり続けるとした。その上で、今年のヘッドライン・インフレ率について、平均で2.2ー3.2%と予想。コア・インフレ率は2.0ー3.0%となるとの見解を示した。
一方で世界経済について中銀は、経済再開と労働市場の改善が経済成長を下支えしていると指摘。インフレ圧力を軽減するためにマレーシア以外でも中銀による政策金利の調整が行われると予想した上で、今後の世界経済の成長見通しは、ロシアのウクライナ軍事侵攻、新型コロナやサプライチェーンの動向、コモディティ価格の急上昇などの影響を受け続けるとの見解を示した。

新型コロナの感染者数は2605人、5日連続で前日上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、10日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,605人だった。累計感染者数は446万3,740人となった。
新たに2,014人が回復し、累計治癒者は440万5,197人となった。死者数は6人で、累計は3万5,590人。アクティブ感染者は、前日から585人増えた2万2,953人となった。うち94.2%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.4%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は62.3%にアップした。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,683万790人で、接種率は82.2%。ブースター接種完了者は1,604万9,816人で、接種率は49.1%だった。
新たに発生したクラスターはゼロで、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は68カ所で前日と変わらなかった。

ホンダ(M)、「BR-V」のボディカラーを刷新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ホンダ・マレーシアは10日、7人乗りクロスオーバー車「BR-V」のボディカラーを刷新したと発表した。
これまでの「パッション・レッド・パール」が「イグナイト・レッド・メタリック」に、「モダン・スチール・メタリック」が「メテロイド・グレイ・メタリック」となった。
吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は、2色は市場から良い反応を得ていることから、「BR-V」でも採用することを決定したと説明した。
「BR-V」は2020年6月に投入され、これまでの累計販売台数は5,700台以上となっている。排気量1.5リットルのSOHC i-VTECエンジンを搭載。バリアント「E」の価格は8万6,726リンギ、「V」が9万3,420.27リンギから。

英アルケミヤ、イスラム教関連動画提供でセルコムと提携

【クアラルンプール】 オンラインでイスラム教コンテンツを提供する英アルケミヤは、携帯電話サービスのセルコム・アシアタと提携を発表。マレーシアでイスラム世界に関する映画、ドラマ、ドキュメンタリー、テレビ番組などの動画提供を開始した。
アルケミヤは声明で、セルコムとの提携により、イスラム教をテーマにしたコンテンツをマレーシアで1,400万人以上のユーザーに提供できるようになったと述べた。セルコムの全加入者は、追加料金なしでアルケミヤのサービスを7日間無料でストリーミング視聴できる。無料期間終了後も、自動更新により月額9リンギの特別料金で継続利用が可能。料金はセルコムの携帯料金とまとめて支払うことができる。
アルケミヤのナヴィッド・アクタル最高経営責任者(CEO)は、アルケミヤはムスリム(イスラム教徒)家庭の価値観を反映したもので、ムスリム世界の優れた文化、遺産、伝統を称えるコンテンツを提供することで世界のムスリムコミュニティをつなぐことを目的に設立されたと言明。セルコムはアルケミヤのビジョンに協力的であり、両社の「コミュニティ第一」のアプローチも一致しているため、今後両社のさまざまな取り組みや活動を通じて、アルケミヤのコンテンツがマレーシアのより多くの人々に届くことを願っていると述べた。
アルケミヤのサイトにセルコム利用者用申し込みページが準備されており、申し込み時には携帯番号の入力が必要。アルケミヤのアプリ経由で携帯電話やスマートテレビ上での動画視聴が可能となる。
(ベルナマ通信、5月9日)

KL市役所、水害の暫定対策に1千万リンギ

【クアラルンプール】 クアラルンプール市役所(DBKL)は9日、クアラルンプール(KL)の水害に暫定対処するため、約1,000万リンギを投じ、14項目から成る「洪水対策行動計画2022」を実施することを発表した。
マハディ・チェンガ市長によると、KL市内の洪水多発地点25カ所における排水路の整備、排水ポンプの新設、土嚢の設置、洪水調節池の瓦礫の撤去、透水性の高い砕石マスチックアスファルトによる道路舗装を整備。道路冠水が起こりやすい地点では、気象庁の警告に基づき、交通監視員を配置し、交通を迂回させる。道路冠水発生時には、DBKLアプリから特定の道路を避けるように通知し、アプリをインストールしていない人に対してもSMSでアラートを出すようにする。対策は今後3カ月で成果が出る見込み。
また、KLの全排水システムおよび洪水が頻発する原因を調査するため、コンサルタントチームを任命し1年掛けて調査を実施する。一方で、長期対策としては、マレーシア公共事業研究所(IKRAM)が来年4月までの審査完了を目指し検討を行う。
昨年12月にKLで発生した水害では、ここ数年で最悪の被害が出た。今年3、4月にも集中豪雨による道路冠水が起きるなど、水害が多発している。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月10日、ベルナマ通信、5月9日)

三井物産、マレーシアの機能性食品容器製造会社を買収

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三井物産(本社・東京都千代田区)は9日、食品容器製造大手のエフピコ(本社・広島県福山市)と共同でマレーシアの機能性食品容器製造会社、リー・スーン・セン・プラスチック・インダストリーズ(LSSPI)を買収すると発表した。
LSSPIの親会社、SCGMと同日、売買契約を締結した。買収総額は5億4,438万リンギで、出資比率は三井物産が60%、エフピコが40%となっている。SCGMの取締役会での承認など必要な許認可手続きを経たのち、2022年第3四半期までの買収完了を予定している。
1984年創業のLSSPIは、ジョホール州を本拠とするマレーシア最大手の機能性食品容器製造会社で、製品設計や金型作製を含む一連の製造工程を全て自社で行い、自社物流による配送能力を有している。食品メーカーや包装資材ディーラーを中心に多くの優良顧客を抱え、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、フィリピンなど、東南アジアを中心に販売している。
三井物産とエフピコは、三井物産が有する東南アジア地域における出資・提携先を活用した販売拡大に加え、エフピコが持つ生産効率向上ノウハウや各種製品開発技術を導入することによりLSSPIの更なる成長を図るとしている。

新型コロナの感染者数は2246人、4日連続で前日上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、9日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,246人だった。累計感染者数は446万1,135人となった。
新たに2,433人が回復し、累計治癒者は440万3,183人となった。死者数は1人で、累計は3万5,584人。アクティブ感染者は、前日から188人減って2万2,368人となった。うち94.9%が自宅、0.0%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、4.8%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は58.2%にアップした。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,681万2,809人で、接種率は82.1%。ブースター接種完了者は1,604万5,993人で、接種率は49.1%だった。
新たに発生したクラスターはゼロで、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は68カ所に減った。

外資系など4社にクラウド業務委託、公共業務のデジタル化で

【プトラジャヤ】 行政サービスの近代化を担当する首相府機関のマレーシア行政近代化・管理計画局(Mampu)は9日、内外4社からクラウドサービスの提供を受ける契約を交わした。マレーシア・デジタル経済青写真に盛り込まれた、公共セクターのデジタル転換計画の一環だ。
契約相手は、マイクロソフト(マレーシア)、アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)・マレーシア、グーグル・クラウド・マレーシアおよびテレコム・マレーシア。これら4社が指名するマネージド・サービス提供業者が実際の業務に当たる。
公共セクター・データセンター(PDSA)で利用されている民間クラウドサービスと融合させ、業務効率を向上させるのが狙いで、Mampuのユソフ・イスマイル局長によると、業務のペーパーレス化を一段と推進する。
政府は年内に公共セクターデータの80%をクラウドに移管する計画だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月10日、マレーシアン・リザーブ、5月9日)