【クアラルンプール】 首都圏の交通渋滞が問題となっている中、連邦直轄地省のジャラルディン・アリアス副大臣が本部長を務めるクアラルンプール(KL)交通渋滞対策本部は、KL市内の中期的・長期的渋滞緩和策を発表した。
中期的施策としては、朝夕ラッシュ時の縁石駐車を禁止し、主要道路の路上駐車についても段階的に禁止する。対象地域の詳細は今後発表される予定。
ラッシュ時の路肩での露店販売を禁止し、幹線道路脇の業者用駐車場も廃止する。露天商は人通りの多い場所に屋台を出すことが多く、車を止めて露店から買い物をする客が交通の妨げになっているのが禁止の理由だ。
交差点の停車禁止区間「イエローボックス」に停車する車の取締も強化する。停車禁止区間とされているのにも関わらず停車する車があり、車の流れを止めてしまっているからだという。さらに、現状、高速道路料金所ではタッチアンドゴー、スマートタグ、RFIDなど、支払い方法別に専用レーンが設置されているが、その代わりに複数の支払い方法が利用可能な多目的レーンを設置しピーク時には時間帯により交通流の方向を変更するタイダルフロー制を導入することも提案している。
長期的施策としては、▽公共交通の駅・バス停への接続性の改善▽高速道路事業者と交通管理の統合▽無料バス・サービス「ゴーKL」などの改善と利用促進キャンペーン▽サポートインフラの改善(地下道、屋根付き歩道など)▽バスレーン設置ーーなど、6つの提案を行っている。
今月2日には、道路交通局(RTD)が短期的な渋滞緩和策として、大型商用車の朝夕のKL市内中心部への乗り入れ禁止を発表。連邦直轄地省も、KL市役所(DBKL)を通じて改めて大型商用車の乗り入れ禁止および取締強化を発表していた。
(ポールタン、6月22日)