【シャアラム=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を受けて2年連続中止となっていたクアラルンプール(KL)日本人会などが主催する恒例の盆踊り大会がセランゴール州シャアラムで開催され、マレーシア全土から日本文化に関心をもつ多数のマレーシア人が来場した。
懸念されていたムスリムの参加拒否や宗教当局による摘発、イスラム保守派による開催反対デモや妨害といった混乱はなく、むしろ話題性あってか例年を上回る約3万5,000人以上の人出でにぎわった。
在マレーシア日本大使館の髙橋克彦大使は、1977年から続いている盆踊り大会が日本とマレーシアの外交的および文化的関係を育むことに役立っているとした上で、「日本はマレーシアの文化的多様性と寛容さを高く評価している。多様性と寛容さは、盆踊りを含むあらゆる面で二国間関係を促進するための原動力となっている」と述べた。
今年は開催に先立って、汎マレーシア・イスラム党(PAS)所属のイドリス・アハマド首相府相(宗教問題担当)が、盆踊りにイスラムが否定する多神教の要素が含まれていると主張。ムスリムに対して参加しないよう呼びかけたことで騒ぎとなった。それを受けて、実際に盆踊り大会に出席したことのあるセランゴール州スルタン、シャラフディン・イドリス・シャー殿下が介入し「問題ない」と指摘。州当局に開催を認めるよう求めたことで盆踊りの是非を巡る論争がひと先ず収束に向かったという経緯がある。