グローバルビジネス拠点ランキング、マレーシアは3位

【クアラルンプール】 コンサルティング企業米カーニーは、2021年版「グローバル・サービス立地指数(GSLI)」を発表。グローバル・ビジネス・サービス(GBS)拠点ランキングでマレーシアはインド、中国に次いで第3位となった。

GSLIは2年ごとに発表され、60カ国・地域を「金融面の魅力」「人材のスキル・能力」「ビジネス環境」「デジタル化」の4カテゴリー、47項目により評価したもの。スコアは、インド(7.09)、中国(6.80)、マレーシア(6.22)だった。アジアからは他に▽インドネシア(6.21)▽ベトナム(6.05)▽フィリピン(5.96)▽タイ(5.91)ーーがトップ10入りした。シンガポールは38位(5.29)で、日本は22位(5.52)だった。

ビジネス変革コンサルタントのジョン・テオ氏は、GBSにより大規模な多国籍企業や組織が、財務、人事、情報技術、調達などの事業を特定の国に集中させ、共有サービスを提供することができるとし、シェル、アストラゼネカ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコなどの多国籍企業のほか、世界保健機関(WHO)などの国際機関がマレーシアにGBSセンターを設立したと指摘。マレーシアの最大の魅力は多言語を話す多様な人材で、政府も第12次マレーシア計画で海外企業の拠点設立を誘致するための政策を盛り込むなど、GBS設立を支援してきたと述べた。また、GBSセンターが設立されると、最大で数千人単位の雇用機会の創出や国のデジタル化が見込まれるが、中国やインドと人材量で競争することは不可能だと指摘。デジタル・トランスフォーメーションに沿った高いスキルを擁する人材が必要だとし、オートメーション化や分析など、研究開発を伴う現地チーム主導の価値提案が今後求められるとした
(ザ・スター、8月29日、エッジ、ベルナマ通信、8月28日、カーニー発表資料)

マレーシア航空、コタキナバルーシンガポール線を就航

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア航空は27日、コタキナバルーシンガポール間の直行便を就航した。

月、木、土曜日の運航で、「MH647」便はコタキナバル発が7時、シンガポール着が9時15分。「MH648」はシンガポール発が10時でコタキナバル着が12時25分となっている。使用機材はボーイング「B737ー800」で、エコノミーが144席、ビジネスが144席。運賃はエコノミーが391リンギから、ビジネスが1,653リンギからとなっている。

マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)のイザム・イスマイル最高経営責任者(CEO)は、同路線の就航により、シンガポール間の接続性と柔軟性を高めることができると説明。同社は戦略的な新路線を導入し、座席提供数を新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前の70%まで引き上げることを目指しているとした。

一方でサバ州観光局によると、4月にシンガポール間のフライトの再開に伴い、同州の訪問者は5月に1,248人、6月に3,051人になり増加傾向にある。マレーシア航空が運航を再開したことで、さらなる増加が期待されている。

サラワク州、独自長期滞在ビザで就労や投資が可能に

【クチン】 サラワク州政府が独自で実施している、外国人の長期滞在を奨励する「S-MM2H(サラワクーマレーシア・マイ・セカンド・ホーム)」プログラムについて、9月1日より一部条件が変更される。

現状、年間15日以上のサラワク州滞在義務が30日以上になる。また、これまでは就労が禁止されていたが、今後は、専門家・投資家が州政府からの承認を得た場合、州内での勤労や投資、ビジネス運営が可能となる。

同州のアブドル・カリム・ラーマン観光芸術文化相は、「S-MM2H」では2007ー2020年に1,306人を受け入れ、2020年から現在まで合計209件の申請が承認されたとし、今回の変更は、州に利益をもたらすためのものだと述べた。

「S-MM2H」の他の必要条件には変更がなく、単身の場合は同州内の銀行に15万リンギ、夫婦の場合は30万リンギの定期預金、あるいは海外収入証明として単身は月7,000リンギ、夫婦は同1万リンギが必要となる。40—49歳のみ総額60万リンギ以上の同州内での不動産投資が条件となり、50歳以上では資産証明・定期預金以外の条件はない。S-MM2Hビザを取得して、マレーシア国内の他州に在住することも可能となっている。
(ボルネオ・ポスト、8月27日、ベルナマ通信、8月26日)

建設コンサルの日本工営、鉄道コンサルのASAPを子会社に

【クアラルンプール】 総合建設コンサルの日本工営(本社・東京都千代田区)は、鉄道システムのエンジニアリング・コンサルタントのASAPモビリティを子会社とする計画だ。

ASAPモビリティによると、同社の過半数株式の譲渡について日本工営と合意した。日本工営はマレーシアや東南アジア市場における事業拡大の一環としてASAPモビリティを子会社化するという。

ASAPモビリティは、日本工営の子会社となることで、顧客へのより高い価値のあるサービス提供や海外でのサービス拡大が可能になり、マレーシア全体に利益をもたらし、国内の人材育成に繋がると見込んでいる。

日本工営の新屋浩明 代表取締役社長は、同社にとりASAPモビリティは良きパートナーであるとした上で投資先としてもマレーシアや東南アジア域内での事業拡大を加速させるには相応しい相手だと述べた。

ASAPモビリティは、セランゴール州シャアラムに本社を置く。首都圏軽便鉄道(LRT)3号線やジョホールバルとシンガポールを結ぶ高速鉄道輸送システム(RTS)などの主要な鉄道システムのエンジニアリングおよびコンサルを担当。海外ではジャカルタやマニラなどの東南アジアのほか、ハンガリーやエジプト、スイスなどでコンサルの経験がある。
(ザ・スター、8月29日)

新型コロナの新規感染者数は2191人、病床使用率は67.7%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、28日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,191人で、累計感染者数は477万6,194人となった。
新たに3,796人が回復し、累計治癒者は470万7,095人。死者数は2人となり、累計は3万6,198人となった。アクティブ感染者は、前日から1,607人減の3万2,901人。うち95.8%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.9%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は67.7%だった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,749万3,018人で、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,621万5,480人で、接種率は49.7%、2回目が46万427人で1.4%だった。
新たに発生したクラスターはゼロで、感染者が出続けているアクティブなクラスター数は31カ所となった。